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この世界にきて一週間私は、この世界について少しだけ解った。
この世界では、異世界人が珍しくないってこと
異世界人が一番最初に、異性と出会ったら不幸の訪れと言われ
同性と出会ったら祝福するらしい。
そして、結婚したら相手がどんな人だろうが、夫婦どうしでの殺し合いは出来ない。
私は、一番最初に出会ったのがアルト。
よって私は、アルトの手で殺される運命だった。しかし、アルトは、その理を反して私を守るために夫婦となる決断をした。
殺す人を夫婦となれば、それは不可能になる。からだ
「アルト!おはよう」
「………朝から元気だな」
っと煩いなっと言う顔でアルトは食パンと目玉焼き、ソーセージにサラダをだす。
「それが私の取り柄だからね!それをとったらただの暴力女になるから!」
「残念ながら既に暴力女だ」
相変わらず、ムカつくね!朝から毒舌なことを言って
私は、どうやってアルトを好きになればいいだよ。
私とアルトは朝御飯を食べ終わり何時ものように二人でパン屋に向かった。
「私、子供じゃあないだし一人で行けるよ」
「貴様は危なっかしいから道に迷ってサブレットおばさんに迷惑をかけたらダメだろ?」
「でも、もう一週間だよ?もう道を覚えたよ」
いい加減私も勘弁して欲しかった。子供じゃあないし道なんて覚えれる。
最近なんて一人で帰るなとか言い出すし、私は、保育園のガキか
「まーまー、アルトは滅多に本音を言わないからあれだけど、きっとハナさんの事が心配なんだよ」
アルトが本音を言わないだと?バリバリ言いますけど?え?ツンデレなの?アルトってツンデレなの?
「……じゃあサブレットおばさん、ハナをよろしくお願いします…
…勝手に帰るなよ」
「っな!アルト!」
アルトは走ってギルドへと向かった。
「たく」
「ハナさんもアルト事が心配なんだろ?」
心配?そりゃあそうだよ。
怪我をしてないかなとか、生きて帰ってくるよねとかちゃんと昼御飯を食べているかなとか、心配はしている。
「はい。だってアルトは、命の恩人ですから」
そう言うことにしとこう。
すると、何時もパンを作っているハンクさんが慌てたように出てくる。
どうしたのだろう?
「サブレットおばさん!大変だ!!」
私とサブレットおばさん、マリーさんは、ハンクさんの案内で小麦などが置いてある倉庫へと向かった。
扉を開けると、其処に綺麗に並べている筈の食材が散らばっていた。
何者かが食べたのか食べ滓まであった。
これはひどい。
「まぁ、荒らされているわね」
「これは…」
とハンクさんは、動物の毛らしき物を拾う。
犬?猫?いや、犬も猫も四足方向だ。この扉を開けられるわけない。ん?待てよ?魔物がこの人がいる街に来たら大騒ぎになっているはずだし
街にいる動物だったら扉を開けられるわけないよね?
全身に毛むくじゃらの人間だったら…例えばゴリラとか、猿系の動物何て…
「…………またか…彼奴か」
「また?アイツ?」
「あーハナさんは、知らないだったな。
ホニマーって言う、人に化ける魔物の仕業さ」
人に化ける魔物だと?マジですか?私、知らないうちにそのホニマー?だったけ?そいつにパンを売っている可能性が…!
いや、ちゃんとお金もらっているし…うん、うんそんなドジをしてないよね?
「とりあえず、今日の分はコレだけにして、昼に仕入れをしないとねー…」
「では、ギルドへ依頼に行って昼までに取れるようにしときます」
「ありがとう。あ、そうだ…!ハンクとハナさんで、仕入れ先に向かってくれるかい?」
仕入れ先に私とハンクさんで?私、ハンクさんと話したことないし、でもいろいろとサブレットおばさんにお世話になっているし、断れないし
「解りました」
っと言うわけで、私は、ハンクさんと一緒に昼ご飯を食べたから仕入れ先に行くことにした。
ギルドに依頼をするって遠いいのかな?
誰が来るんだろ?アルトじゃなかったらいいなー
っと思いながら待ち合わせ場所にハンクさんと立っていた。すると、華麗な女性がきて
「あら?アルトの奥さん」
「奥さんではありません」
何時あいつの奥さんになったんだよ。
「でも、妻になるやつってアルト言っていたわよね?」
「ハナさん、アルトさんと結婚したんですか?」
「ま、まだだから!まだ結婚していませんからっ!」
って言葉がおかしい!まだ結婚してないって…!
顔が暑い、恥ずかしいうえに胸のドキドキが止まらない。
「まだってことは、何れは結婚するんですか?」
「まぁ!可愛い顔して意外に大胆!」
殴っても良いですか?ねぇ?記憶吹っ飛ぶほど殴っても良いですか?
私は、指をパキポキっとならし笑顔で
「そろそろ行こう?」
「え、ええ、そうね。い、行きましょ」
動揺し過ぎだから
あ、そー言えば自己紹介まだ、だったね。うん、とりあえず自己紹介をやろうか。うん、うんそうだよね。
「私は、ハナ」
「私はフェニ。気軽に読んでもよろしくてよ」
っとフェニは微笑んだ。本当にスタイルがよくて綺麗な人。お姉さんって感じ。
「フェニ姉さんって呼んでも良い?」
「良いわよ」
ハンクさんが手配してくれた馬車に乗って、ゆらゆらと向かった。
馬車って初めてだ。シンデレラみたいだね!いや、シンデレラは、かぼちゃだし、これは木だし現実的だ!
って言うか、馬がキモイ。格好いい馬が良かった。だなーんて言えるわけないね!
「………」
ってさっきからフェニ姉さんの視線が…!
「な、何?フェニ姉さん」
「やっぱり似ているわ」
似ているとな?
「誰に?」
「アルカ」
アルカ?アルカって世界の名前だよね?世界の名前の人の名前って……え?何?アルカ?
「???」
「そー言えば、ハナさんって記憶喪失だったよな?」
「世界についても忘れたのかしら?」
「はい」
うん。元から知らないからね。
「この世界は、女神よって守られている」
「女神?」
「ああ。
女神って言っても…ほら彼処の木を見ろ」
っとハンクさんが指した先には、大樹があった。本当に大きな樹。ん?よくよく見ると、樹の中?いや、あれは…つるだ
。つるに守れるように女の子が何かを持って眠っている。
そして、なんと言っても一番驚いたのは、私に似ているってこと
「………」
「アルカの前がサラ、サラの前がドラ、ドラの前がジヨン。この世界は、あの大樹で眠る女神を世界の名前になっている」
「人柱ってこと?」
「ああ」
この世界は、変わっている。
変わりすぎて、ついていけない。
私によく似ている女の子
怖い。怖くないのに恐怖で体が震える。
「ハナ、大丈夫?」
「何か思い出したのか?」
「………解らない」
解らない。彼処に行かないとダメな気がする。私が、此処に来た理由が、彼処にあるような気がする。
「フェニ姉さんって、アルカさんのこと知っているみたいだけど、どうして…?」
「…………
さて、そろそろ着く頃だわ。準備しないと」
話をそらした。
アルカさんっていったい何者なの?アルトは知っているのかな?
まーいいや。考えていても解らないものは解らないし、考えることは止めようかな。
馬車は、止まり私たちは、頼んでいた物を馬車入れて帰った。
やっとやることも終わり伸びをしていた私のところへアルトが来た。
「無事でなりよりだ」
「あんたは、上司か」
っと笑った。
アルト、どうして世界の話をしてくれなかったの?
どんなにアルトが微笑んでも私の頭のなかでは、アルカでいっぱいだった。