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ラストチャンス  作者: 花染
異世界へトリップだよ
1/9

プロローグ

今、私は、広大な芝生と高い空の下にいる。


何もない場所。人すら居ない。淋し場所。


「誰か居ますかーーー?」


っと言っても虚しく私の声が響くだけ。何で私が此処にいるって?それは、こっちが聞きたい。確か、数時間前は私の家にいた。


「花!学校に遅刻するわよ!」


っと何時ものようにお母さんから弁当を受け取り私は、学校に行っていた。ふと、道路のど真ん中で遊ぶ子供がいた。


うん。道路のど真ん中で遊ぶガキよ。危険だから止めなさい。っと思いながら見ていたら予想通り車が来た。車は猛スピードで来る。このままだと子供が危ない!


「危ない!!」


私は思わず子供を突き飛ばして、車に引かれた。


「…………………あ!ここは天国か」


ここで納得。私は死んだ。早瀬花は、16歳の人生で幕を閉じた。うん、うん。若くして死ぬって延々この体。悪くない


「なにやってるんだ?」

「っひ!」


突然の声。お化け!?って私も幽霊か。


声をする方へ向くと、翡翠色の髪の目付きが悪い男。


「なにやってるんだと聞いている 」

「えっと、あの、その………此処は…この世界の名前はなんですか?」


とりあえず聞こう。天国の名前を


「貴様バカか?」

「ば、バカって何よ!バカって言う奴がバカなんだよ!バーカ!」

「なら、貴様がバカって事だな。


自分が住んでいる世界の名前が解らないってバカしかいねーよ」

「んな!」


初対面に、バカって言われるなんて!むかつく!私は立ち上がり、先ずはにっこりと綺麗な笑顔で笑い。


「バカバカって言わないでよ!」


っとストレートパンチ。男はどっかの漫画のように飛んでいった。まだ、イライラする。も一発殴りたい。って、言う気持ちを押さえて


「私だって、私だって死にたくなかった!まだ16歳なのに!まだ、やりたいことあったのに!」

「意味が解らない」


男は殴られた場所を押さえて立ち上がり


「貴様、どっからどうみて死んでるんだ?」


……………………………

……………


「此処は天国じゃあないの?」

「は?アルカだ。ア・ル・カ」

「アルカ…」


イルカみたい。って言ったら殴られるよね?うん、絶対そう。

私は、死んでない?って此処は何処?あ、アルカね。うん、うん解ってる。

でも、たしかに車に引かれたはず。だったらこれ夢?私は頬っぺたを引っ張る。


「痛い」

「そりゃあそうだ。もしかして貴様………記憶喪失か?」


記憶喪失。違う。

私は、普通の高校生。16歳の可愛い女の子。生まれも地球で日本。

此処は地球とは、まったく違う世界なんだ。


もしかしたら神様がくれた最後のロスタイムかもしれない。


「かもしれない…名前は解るけど…」

「それは、気の毒だな。じゃ、俺急いでるから」


っと男は立ち去ろうとした。私はすかさず、頭を目掛けて飛び蹴り。


「可愛い乙女を置いていく男が何処にいるの!?」

「可愛い乙女が、何処にいる」

「あんたの目の前」


っと胸を張る。男は溜め息をはき


「俺はこれから魔物を討伐に行かないといけねーだよ。女を守りながら、できねーから此処にいろ」

「いわば足手まといってこと?」

「ああ」


此処にいても魔物がでると思いますが、って魔物!?魔物!?世界は広いって言うけれど、魔物がいるだなんて、あは!ウキウキしねーよ!


「ついていく」

「貴様は、耳も悪いのか?」

「だって、淋しいじゃない!此処で淋しく待って悲しい!痛い過ぎ!」

「それは、はじめからだ」


うん。ドン引きし過ぎだから。

男は私を無視してすたすた歩く。だから私も嫌がる男を無視して歩く。

広大な芝生には、小さな花が咲いている。うん。平和だ。魔物なんて

いるわけない。


「アルトだ」

「え?」

「俺の名前だ。貴様はなんだ?」


突然の自己紹介。そうだよねまだ、名前すら知らないもんね。アルトか…うん、うん男のくせに女の子みたいな名前だね。


「花だよ」

「ハナ…ッフ、変な名前だな」

「親に謝れ」


アルトに着いていくと見えてにたのは、森ではなく街だ。いや村?どちらでもいい人が住んでいることにはかわりないからね。


「あれ?魔物を討伐に行くじゃあなかったの?」

「貴様が、邪魔だから戻ってやったんだよ」

「ふーんへー、まーお礼は言うよ。

あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す」


本当、こいつむかつくやつ。感謝しろよって言う目で、私を見るし、知らない人ばかりだし、怖くはないけど、やっぱり不安はある。


「どうせ、身寄りもねーだから、パン屋のサブレットおばさんって言う奴の所に行け。彼処なら貴様みたいなバカでも、面倒をみてくれるからな」


っと言って立ち去った。パン屋のサブレットね。うん、覚えた。ってパン屋のサブレットって何処だよ。


サブレットって店の名前?それとも人の名前?いや人の名前は可笑しい。サ、ブレッド。

サにブレッド。パン屋を作るしかないね!うん。そうだよ。パン屋になる運命の人だよ!


そして、人に聞くってチキンの私に出来るわけないって


「サブレットおばさん!」

「なんだい?サリー」


いたーーー!そして、人の名前だったーーー!!!


サブレットおばさんってよくよく考えるとアルトは、言ってたね!うんパン屋のサブレットおばさんって


「あの、パン屋のサブレットおばさんですか?」

「なんだい?お前さんは」

「私、アルトにサブレットおばさんに会ったら良いって言われたんですけど」

「アルトがかい?」


っと驚いた顔で私を見る。

当然だよね。突然知らない人が話しかけるんだもん。


「解った。ついてきな」

「はい」


っとサブレットおばさんは、パンが入っていたあろうかごをもってふらふらと歩いていく。私もその後を追って行くと美味しそうな香りがする。パンだ。


「此所だよ」


っと着いたのは、オレンジ色の屋根で、白い看板にカラフルな文字で“パン屋のサブレット”っと書いてあった。


まさかの両方だった。


サブレットおばさんの後を歩く私はお店の扉を開けた途端パンの香りに少し嬉しく感じた。


「此処に座りな」


っと椅子に座る。

そして、サブレットおばさんは、焼きたてのパンを私の前に置く。


「食べな」


言われるまま私はパンを一口食べる。

クリームパンだ。


「美味しい…」


ふわふわのパンに濃厚なクリームが絶妙なまっちしていて、こんな美味しいクリームパンなんて、食べたことない。


そして、そのクリームパンを食べたせいなのかほっとしたのか、涙が出た。


「おやおや、どうしたんだい?」

「解りません」


解ることは、家に帰りたいって事。

でも、きっと私は死んでいる。車に引かれたからね。


「でも家に帰りたい」

「???」


私は、サブレットおばさんに本当の事を話した。信じてはくれないと思うけど、サブレットおばさんは、新味になって相談に乗ってくれた。


「アルトには、言ったのかい?」

「言っていません。アルトには、記憶喪失にしています」

「なら、言ってごらんなさい。アルトなら、何とかしてくれると思うよ」


言えるわけない。あいつは私をバカにしている。絶対に嫌だ。そうこう思っているとカランカランっと扉を開ける音と共にアルトが帰ってきた。


「無事に会えたんだな。上出来だ」


っと優しい笑顔で笑う。私は腕をくみサブレットおばさんを見る。サブレットおばさんは、微笑み頷く。


絶対に嫌。でも、頼りになる人はこいつしかいない。


「アルト、私━━━」


私はアルトにも全てを話した。

アルトは、腕をくみ


「そうか、解った」

「え?」

「解ったと言ってるだろ?」


理解した?


「貴様は異世界から来た異世界人。

車とやに引かれたけど、気づいたら此処にいた。信じられないが、それだと貴様のバカ加減が通用する」


いちいちうざいやつだ。


「この世界は、異世界人は1000年に一回だけ来るんだよ。そして、そいつを一番最初に出会った異性は………」

「異性は?」

「……………まーいいや、帰りたいだろ?俺が手伝うから兎も角だ、今は俺の家で住んでいろ」


話をそらした。

気になる、あと何故アルトの家に行くことになる。


「居ても良いが、働かざる者食うべからずだ。貴様は異世界に帰るまでどこかで働け」

「なら、此所で働くことにしたどうだい?」

「え?いいですか?」

「いいとも、今日は疲れただろうから、明日から来るんだよ」

「はい」


こうして、私は異世界アルカという世界で、パン屋のサブレットで帰る手段を探しながら働くことになった。



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