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結局は・・・

 運動会といえば、野球少年とかサッカー少年といった運動をしょっちゅうやっている奴だけが目立つ大会と思われがちだ。運動がニガテな奴にとっては、何1つ楽しいことはない。それがまさに孝介であった。でも、今回は・・・。

 真介から転校するという話を聞いてから、何日かがたった。

 俺は、勉強机で日記を書いていた。真介の顔を思い浮かべながら。


 『A月AA日・・・

 真介は、あの日からパン食い競争の練習にほぼ毎日付き合ってくれた。すごくうれしい。真介がいてくれたから僕は練習ができたんだ。だから、僕の一番のともだちは、真介だ。


 あのめっちゃチャラい服装が、ぼくは好きだなぁ。女子といつもしゃべってるし。さすが真介、カッコイイ!

 チャラい服も、女子にモテモテなところも、真介のとりえだなぁ。あぁ、真介、、、』

 

 いつしか、パン食い競争の不安はなくなっていた。練習したおかげでもあるが、やっぱり真介のおかげだな。


 そして、運動会の当日が来た。俺は、この日のためにどれだけ真介にお世話になったことか。・・いや、大好きな真介と、何回会えたことか。しかも二人っきりで遊べたし。俺は会うたびにどれだけテンションがあがったか。

 あぁ、二人でショッピングモールか・・・。ゲーセンにも行ったし(結局誓いは破ったね)、食事もしたし(ファーストフードだけどね)、遊びまくったね。連中もいなくなったし(実は、真介とつるんでない間にとある事情で警察に保護されたのだ)、、、。邪魔者がいなくて、いいね。真介もつるんでたら警察行きだったね。良かった・・・。



 そして運動会の日。

 いつもなら「運動会なんて行くもんか」とズル休みをしていた俺だが、今回はそうはいかなかった。

お母さんはそんな俺をめずらしそうにしながら、弁当を作ってくれた。

 (ようし、準備は満タン!学校に行くぞ!真介に会うぞ!)

 学校に行くと、応援団が大声を張り上げている姿を見られた。また、ダンスクラブが、チアリーダーのようにすごいパフォーマンスをしていた。俺にとっては初めての運動会だったから、正直びっくりした。実際、俺の小学校は派手な運動会を開くことで有名だった。

 俺はすごい感覚に襲われた。何もしてないのに、体が鼓動する。勝手にワクワクしてくる。

気がつけば、テンションが上がりすぎて、普段全然関わらなかった奴としゃべりまくっていた(ホントは真介としゃべりたかったなぁ)。


 開会式が行われた。みんなが心を1つにする。選手宣誓。そのあと、ラジオ体操。どれもが初めてで、何がなんだか分からなかったが、とにかく楽しかった。

 「プログラム1番、全員による開会式でした~」

 放送クラブの女子がそう言うと、みんな一斉に退場門へ向かっていった。


 俺は、席に座ると同時にプログラムを確認した。出場種目のパン食い競争は、プログラム29番であった。閉会式がプログラム30番だから、最後の種目である。地味だが、配点が高く、一番目立つ種目であった(配点が高いのは知っていたが、一番最後の種目とは・・・)。

 クラスのみんなも、プログラムを確認しはじめた。自分の出場種目がどこにあるか、気になって仕方なかったからだ。

 (そういえば、真介は何の種目に出るんだろう?)

 ふと思った。肝心の真介はどこだ?俺は真介の行方を追った。

 「真介~、真介~!!」

 すると、クラスの1人が、

「真介は、昨日転校したよ」

と言ってきた。うそだ!?真介が昨日転校する、ってこと、なんで教えてくれなかった?真介の奴、なんで俺に言わずに転校したんだ!?

 「それは前から言ってた話じゃないか。孝介にとっては寂しいだろうけど、もうここにはいないさ」

 そう言うと、そいつは席に座った。

 (そうだったのか・・・。昨日休んじゃったからな・・・。風邪ひいちゃったからな・・・。あぁ、会いたかったな・・・。ていうか、もう会えないんだな・・・。)

 俺は歯車が抜けたかのように、テンションが下がっていった。

 

 ・・・


 ていうわけで、俺の存在が目立つようになった。俺がホモだ!、っていううわさで。ホモ疑惑(じゃなくて、正真正銘のホモだ、ということ)は小学校を卒業しても消えることはないだろう。もしかしたら、真介自身も感づいてたのかもしれない。まぁ、それでもいいや。


 やっぱり俺は、あの優しい真介が好きだった・・・。

 その一方的な思いは、今もなお続いている。

 「真介に会いたい!」


 でも、あれから全く、真介を見たことはない。

それは偶然なのか、それとも・・・。


 完

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