運動会を目前に
真介の行動に、孝介はある意味悩まされてきた。そんな真介から、孝介は衝撃的なことを耳にする。
あの時、なんで真介はかばってくれたのだろう・・・。そんなことばかり考えていた。多分、真介は運動会に優勝したいからそう言ったのだろう。でも、俺はそうとは思わなかった。
「真介は、実は優しい人なんだ。こんな僕を見捨てずに見てくれるなんて、なんていいやつなんだ!」
いつしか、カークラッシュマスターズの時の想いは消えていた。そして、真介に少しずつ焦がれていった。
ある日のことだった。
俺が学校から帰っていたとき、1人でとぼとぼと帰る真介を見かけた。
(またあいつが1人でおる!でもすごく落ち込んでる。めずらしいなぁ・・・)
何があったのかはわからないが、真介が落ち込んでいたから、周りのみんなが近寄れなかったのだろう。
とりあえず、真介に一声かけてみることにした。
「しっ、真介!!そんなに落ち込んで、どうしたの!?」
「・・・」
・・・、本当にめずらしい!真介が相当落ち込んでいる。
「何かあったの?」
「何かあるから、落ち込んでるんや」
「だからどうしたのって僕は聞いてるんだよ」
「・・・」
とにかく、真介の機嫌をよくしないと・・・。そう思い、俺は近くの自販機でコーラを買ってきた(偶然、ポケットに入ってた100円を使って)。
「真介、コーラ買ってきたよ」
「・・・おう、ありがとう」
そう言うと、真介は『何か』を話し始めた。
「実は、・・俺、転校するんだ。家の事情で」
「うそ!それはみんな知ってるの?」
「いや・・・、誰にも言ってないよ」
「そっか・・・。それは言わないほうがいいな」
真介からそう聞いたとき、俺は驚きでいっぱいだった。さらに、真介が、
「・・孝介、・・色々とごめんな!!」
と言ってきた。いきなり謝ってきたから、さらに驚いた。確かに、真介には散々嫌な思いをさせられてきたけども。鬼ごっこでいつも鬼にしてきたり、わざわざ『カークラッシュマスターズ』で挑発してきたり・・・。でも、それのお詫びか、この前は俺をかばってくれた。やっぱり真介は優しい!カッコイイ!!
「うん、いいよ。僕だって、真介に迷惑をかけたじゃないか」
「迷惑なんかじゃないよ。あの時は、孝介がいじめられかけてたから・・・。いや、そうなったのも俺が原因だから・・・」
「もういいよ。それよりも、僕はパン食い競争で1位にならないといけないんだ。真介も、僕の練習に付き合ってほしいな」
「よし、分かった」
もうすぐ、運動会。真介のために、頑張らないと!!




