宿屋での出会い、テル
ブレイクさんが借りている宿屋の部屋にやって来ました、そこには子供がいますね
我雪
『ブレイクさんの子供ですか?』
ブレイク
『違う、こいつはヘラ・テル。共に旅をしている』
我雪
『そうなんですか、私は尾是我雪です。よろしくお願いします』
テル
『テルだよー、我雪って言う名前なんだ。変な名前』
変な名前呼ばわりされてしまいました。子供だから仕方ありませんか
我雪
『ところで、あの蛇は何ですか?』
ブレイク
『あれは魔法生物、錬金術士によって創られるか、魔法の影響によって生まれる生物だ。あの蛇は(アイスネーク)と言う種類の魔法生物』
魔法生物ですか、やっぱりファンタジーですね。
我雪
『アイスネークですか、何か可愛いですね』
ブレイク
『・・・』
ブレイクさん何故ため息を?
テル
『どの辺りが可愛いの?』
我雪
『あの目がですよ』
テル
『何か純粋って感じがするよねー』
我雪
『そうですね、何も考えていない感じですね』
テル
『私も一応考え事ぐらいするよ?』
我雪
『では、その考えを教えて欲しいです』
テル
『もしかして、私の事を馬鹿にしてない?』
我雪
『その考え方はありませんでした。新しいですね』
テル
『あまり新しく無いと思うんだけど』
我雪
『ですよねー』
テル
『だよねー』
ブレイク
『ハア・・・』
ブレイクさん何故ため息ばかり吐いているのです
我雪
『ため息ばかりつくと幸せが逃げてしまいますよ』
ブレイク
『・・・』
コンコン
扉を叩く音がしますね
テル
『誰ー?』
ガチャ
トラメル
『この部屋か?変な人間がいるってんで来てみたぜ』
ラバース
『別に私は興味があった訳じゃないんだからね!』
おや?中学生ぐらいの少年少女が来ましたよ?変な人間とは私ですか?
テル
『多分変な人間って我雪の事だと思うよ、だって変だもん』
我雪
『失礼な、とりあえず尾是我雪ですよ』
トラメル
『レイ・トラメルだよ』
ラバース
『レイ・ラバースよ』
トラメル
『なあ我雪、何処から来たんだ?何か能力持ってるか?どんな事が出来るんだ?』
何かトラメル少年は興味津々ですね、とりあえず携帯でも見せてみますか
我雪
『おや?壊れていますね』
携帯が壊れています、困りますね・・・
ブレイク
『注意しろ、この世界に溢れる魔力は法則性を否定する。それが精密機器には負担になる』
なるほど、多少の狂いもいけない精密機器ですからすぐに壊れてしまうんですね。
我雪
『という事は、この世界に機械は無いのですか?』
ブレイク
『基本的に無い、一部の物好きが簡易的な物を造るぐらいだ』
なるほど、だからこんなに自然豊かなんですね
トラメル
『なにこれ?見せて!見せて!』
トラメル少年は携帯に興味があるようです。
我雪
『貸してあげますよ』
トラメル
『ありがとう!』
トラメル少年は携帯をいじくり始めました。まあ、壊れているのでいいですが。
テルとラバースは何やら会話をしているようですね
ラバース
『テルってやっぱり小さくて可愛いわね』
テル
『小さいは酷いよー、結構気にしてるんだよ?褒めてくれるんならいいけどね』
ラバース
『別に褒めてるつもりなんか無いわよ!』
テル
『顔真っ赤にしちゃってラバースも可愛いよー』
ラバース
『ひ、人をからかうのは止めてよ!』
何かラバースさん困惑していますね、少女達はほっときましょう。
トラメル
『他にも何かあるか?』
トラメル少年は相変わらず私に興味津々ですね。何がそんなに面白いのでしょうか?
我雪
『そうですね、何かあったでしょうか?』
トランクの中を探して見ましょう
トラメル
『何かカチカチ言ってるこれは何?』
腕時計ですね、しまったまま忘れてました。時間は合ってないみたいですね
我雪
『これは腕時計です、時間がわかる機械ですよ』
トラメル
『時間がわかるの?』
何故疑問形なんですか?
我雪
『今何時ですか?』
トラメル
『何を言ってるかわからないよ?』
わからない?何で時間がわからないのでしょうか?日時計ぐらいの物はありそうですが・・・
ラバース
『そろそろ帰るわよ』
トラメル
『わかったよ、我雪また今度な!』
我雪
『はい、また今度です』
テル
『バイバーイ』
ラバース
『一応楽しかったわ』
トラメル少年とラバース少女は帰って行きました
ブレイク
『・・・我雪、外を見てみろ』
いきなりですか?とりあえず、外を見てみますとこの世界に来たときと同じく日が真上にありますね、数時間はたったはずですが・・・
我雪
『時間があまり経っていなかったのでしょうか?』
ブレイク
『この世界には時間の流れそのものが無い』
驚きです。つまり夜とかも来ないんですね
我雪
『だから時計が無いんですね』
ブレイク
『一応、一日と言う考え方はあるが直感的だ』
時間の流れが無いのは気ままでいいですね。心の余裕は大切です
テル
『もしかして我雪ってミラーワールドの人じゃないの?』
そういえば言って無かったです
我雪
『はい、リアルワールドから来ました』
テル
『だから世間知らずなんだね』
我雪
『それは言ってはいけませんよ』
テル
『でも本当でしょ?』
我雪
『そんなんですよねー』
テル
『だよねー』
何はともあれ楽しくなりそうですね、因みに新聞のネタ探しは諦めていませんよ?