旅人ブレイク
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『まさか、お前はリアルワールドから来たのか?』
あれ?言葉が通じましたね、さっきのは気のせいだったのでしょうか?
我雪
『リアルワールドとは何ですか?始めて聞きましたのですが』
ブレイク
『・・・すまない、説明は後だ。俺の名はポイズン・ブレイク』
我雪
『紹介がまだでしたね、私は尾是我雪といいます新聞記者です。よろしくお願いします』
それにしても外人さんみたいな名前ですね
ブレイク
『・・・ここはお前の住んでいた世界とは違う、鏡の中に創られた世界ミラーワールドだ』
鏡の世界でミラーワールドですか
我雪
『最初の言葉はこの世界の言葉ですか?』
ブレイク
『あっさりと受け入れるのか・・・。そんな感じだ』
何かブレイクさんが呆れていますが気にしたら負けです
我雪
『何でブレイクさんは日本語を話す事ができるんですか?』
ブレイク
『この魔具を使い、リアルワールドを旅していた頃に覚えた』
ブレイクさんは腕輪を放り投げてきましたので手にとってみます
我雪
『魔具とは何ですか?』
ブレイク
『錬金術士が創る魔法の道具だ、これは使用者に言葉の変換を行う。付けろ』
魔法ですかファンタジーですね、是非魔法を見てみたいです。とりあえず、腕輪は付けておきましょう
我雪
『魔法見てみたいですね』
ブレイク
『この世界に来た人族はお前で3人目だが・・・以前の二人はもっと困惑していたのだがな・・・』
うーん、二人ですか?まさかとは思いますが・・・
我雪
『悠一さんと幸明さんですか?』
ブレイク
『知らん、』
我雪
『そういえば、私の世界に来たことがあると言いましたね。どうやれば帰れますか?』
ブレイク
『ここは鏡の中の世界だ、鏡から出ればいい』
適当ですね、鏡の中と言われても実感は無いです。
我雪
『鏡の中から出るにはどうすればいいですか?』
ブレイク
『現実を映す湖がどこかにある、それが抜け道だ』
我雪
『湖ですか』
現実を映す湖ですか、イマイチ想像出来ませんね
ブレイク
『俺は旅を続ける、ついて来るか?』
我雪
『ありがとうございます、やっぱり一人では不安なんですよ』
とりあえずよかったです、外見は何か威圧感がありますがいい人ですね
ゴソゴソ・・・
草むらから氷でできた蛇が出て来ましたよ。凄いですね目が一つしかない蛇ですよ、可愛いかも知れません
ブレイク
『調和術』
おや?氷の蛇が潰れましたよ?これが魔法ですか?しかし、蛇さん可哀相に・・・
ゴソゴソゴソゴソ
何か氷の蛇が沢山出て来ましたよ、完全に囲まれています。
ブレイク
『・・・掴まれ』
はい、掴まるのですか?ブレイクさんを見ると白い翼を背中に生やし微妙に浮いていました。蛇さん達が牙を向けてきましたので素直にブレイクさんの足にでも掴まっておきますと空高く浮かび上がりました。
ブレイク
『ここまで来れば安全だろ』
村の近くに降り立ちました。それにしてもブレイクさんは天使だったんですね、驚きです
我雪
『凄いですね』
ブレイクさんの翼に興味があるので触れてみようと思いましたら、マントで隠されてしまいました。残念です
ブレイク
『羽族の翼には触れるな、人によっては怒り狂う奴がいる。もっとも失礼だ』
そうなんですか、怒りを買うのは私も嫌なので気をつけてみます。それにしても、羽族ですか?
我雪
『羽族とは翼のある人の事ですか?』
ブレイク
『・・・種族の説明が必要か』
我雪
『よろしくお願いします』
ブレイク
『この世界の基本的な種族は魔族だ、人族との違いは魔力があるか、器用かどうかぐらいだ』
我雪
『外見は同じという事なんですね』
うーん、魔力なんてファンタジーですね
ブレイク
『魔族は魔力で魔法を使えるが人族の様に細かい機械を造るような器用さは持ち合わせてはいない』
我雪
『一長一短ですね』
ブレイク
『羽族は白い翼を持つ、光に守られていて守りの力に長けている』
我雪
『ブレイクさんは羽族なんですね』
ブレイク
『黒族は外見は同じだが不老不死、闇の力を持ち惑わす事に長けている』
我雪
『対極なんですね』
ブレイク
『後は新種族の奴らも居るが、基本的にはあの3種族だ。お前のような人族はミラーワールドに居ない』
我雪
『私は人族ですか、何か普通ですね』
しかし、凄いですね。不老不死だったり翼が生えていたり・・・羽族の人達には美和さんの坑老化薬を勧めませんと、羽族の歳老いた姿は見たく無いです、白い翼のお爺さんはどうかと思うので、ブレイクさんはまだ許容範囲内ですね
ブレイク
『・・・何を考え込んでいる?宿に行くぞ』
我雪
『すみません、あの村ですね』
ブレイクと共に村へ入って行きます、面白い世界ですよね。うーん、新聞の記事にしたら信じてくれる人は居ますでしょうか?
ブレイク
『全く・・・マイペースと言うか・・・』
やっぱり何かブレイクさんは呆れていますが、私は何かしたでしょうか?身に覚えは無いのですが・・・
まあいいですよね、気にしたら負けですよ。