世界グレンサ
砂漠ですねー、しかしひび割れがありまして奈落の底に落ちない様にしなければなりません
ブレイク
『・・・酷く不安定な世界だ』
我雪
『困りますね』
ブレイクさん曰く砂漠のひび割れに落ちてしまうと空間の狭間をさ迷う事になるそうです
誰かが近づいてきます、
??
『ブレイク、何故居る』
ブレイク
『・・・ハカ、お前には関係無い』
この人がハカさんですか?何かイメージの掴み難い人ですね
ハカ
『・・・』
ブレイク
『・・・』
何か物凄く困るんですけれど・・・、いたたまれないですよ。まさかのハカさんも口数が少ないとは、会話が進みません
我雪
『とりあえず、ブレイクさん。先に進みましょうよ』
何か傾いている塔があるんですよ、ここからではうっすらとしか見えませんが
ブレイク
『・・・我雪行くぞ』
ハカさんは無視なんですね、別にいいですが助けるのでは無かったのですか?
ハカ
『我はけじめをつけなければならない、個人行動をさせてもらう』
ハカさんは一人で塔へ向かってしまいました。大丈夫でしょうか?
??
『あら?ブレイクじゃない、何故このような所へ?』
塔へ向かって歩いていますと、途中に居た人に呼び止められました。ブレイクさんの知り合いみたいですね
ブレイク
『・・・ソラか』
ソラ
『そうですわ、ブレイクならと思いましたが、やっぱりいらしたのね』
ソラという人は魔法使いみたいな格好をした少し怪しい感じのする人ですね、ニコニコと笑顔なのが更に怪しいです
ブレイク
『・・・何のようだ』
ソラ
『わたくしはフォトンが居なくなってしまってからフォトンの騎士をまとめていますわ。ですが、わたくしには似合いませんもの、ですから貴方に頼みたいのです』
騎士の隊長ですか、ブレイクさんには似合いそうですね
ブレイク
『断る』
ソラ
『あら?なんでかしら?もしかして、貴方の寿命が残り数年しか無いからかしら?』
残り数年?ブレイクさんの寿命が?
我雪
『どういう事ですか?』
ソラ
『ブレイクはある約束を守るために、自分の命と魂を代償に力を手に入れたのよ』
ブレイク
『・・・』
そこまで守らなければならない約束だったのですか?
ソラ
『呪縛の箱って知ってるかしら?呪術士の最高傑作よ、あるものを代償に力を与える箱だけれど契約者は死後、その魂を箱の中に封じられてしまうのよ』
我雪
『よく解らないのですが・・・』
ソラ
『つまりね、ブレイクは寿命を代償に力を手に入れて、契約の代償に死後は魂を箱に封じられてしまうのよ。魂を封じられてしまったら転生も出来ないわね』
ブレイクさんは相変わらず無表情でよくわかりませんが・・・
我雪
『ブレイクさん、何故そこまでするのです?』
ソラ
『全く、あの子も可哀相に・・・』
ブレイク
『黙れ!』
あの子とは・・・もしかしてテルさんでは?
ソラ
『何故ブレイクが寿命を代償にしたかわかるかしら?別に寿命じゃなくても、聴力や触覚でもいいのよ?』
そういえば、ソラさんはあるものを代償にと言っていましたね、寿命じゃなくても良いのでは?
我雪
『どうしてですか?』
ソラ
『ブレイクの力はその死後に真価を発揮するのよ』
しかし、ただそれだけの為に・・・
我雪
『それだけの為に自分の命を粗末にするのですか?ブレイクさんはそれが正しいとでも思っているのですか?』
ブレイク
『・・・あいつを守ると約束をした。それだけだ』
ソラ
『相変わらずね、いくらなんでも真面目過ぎるわよ』
ソラさん、それは同感です。
ブレイク
『・・・話は終わりだ、行くぞ』
よくわかりませんが、ブレイクさんは不機嫌ですか?
ソラ
『待ちなさいよ、ブレイクは大丈夫だと思います、ですが貴方の連れは明らかに弱そうですわ?』
我雪
『酷いですよー』
確かにそうですが、あまりにも直球過ぎます
ソラ
『丸腰は困るわよね?』
我雪
『確かにそうですが、一応これならありますよ』
レスキルさんの牙です、これで岩を叩いたら崩してしまったんですよ?どれだけ硬いんですか
ソラ
『呪縛の指輪をあげるわ、これは相手の動きを封じるのだけど制限はあるわよ。先ずは円を描いて封じる相手がその円の中に入らなければならないの、相手が円の中に居るうちに(五亡星の束縛)と宣言しないと発動しないわよ』
何か大変そうですが、上手くいけばむやみな戦闘は避けられそうですね
我雪
『ありがとうございます』
ソラ
『後は、それを貸して下さる?』
ソラさんにレスキルさんの牙を渡しました、何をするのでしょうね?
ソラ
『これってテールの牙ですわね、こんな珍しい素材をどうやって手に入れたのかしら?錬金術(金属流動化)』
すると、レスキルさんの牙はスライムの様にぐにゃぐにゃになりました。
ソラさんはぐにゃぐにゃしている牙の形を整えています
ソラ
『錬金術(形状確定化)』
ぐにゃぐにゃになっていた牙は硬くなったようですが、形はいびつな剣の様な感じになっていますね
ソラ
『錬金術(形状鋭利化)』
次は、この剣もどきの形が整い完全に剣になりましたよ。とても切れ味は良さそうですね。
しかし、小さいので剣ではなくナイフですね
ソラ
『錬金術(金属魔耐性)錬金術(金属硬強化)』
何か変わった感じはしませんが、凄かったですね
ソラ
『出来たわよ』
ソラさんからナイフを受け取ります。そういえば、小さい割には結構ずっしりとしてますね
我雪
『ありがとうございます、何かとても凄かったです』
ソラ
『確かに凄いかも知れないわね。行くのでしょう?頑張りなさいよ』
そうですね、そろそろ歩きだしませんと
我雪
『本当にありがとうございました』
ソラ
『さよならね』
ソラさんは鏡を取り出すとその中に入ってしまいました
ブレイク
『・・・世界オイトタ、まだあいつは・・・』
我雪
『ブレイクさん?』
ブレイク
『気にするな、行くぞ』
ブレイクさんは塔に向かって歩きだしましたので着いていきます。
ブレイクさんが何を考えて何を思っているかは私にはわかりません、それでもブレイクさんはブレイクさんですよね。
第一印象は怖い人でしたが、なんだかんだと言っても優しいのですね
????
『待ってるぜ?俺の代わりになってくれる奴、めんどくせぇのは嫌いだけどな、やんなきゃいけねえ事があんだよ』