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『兄貴、悪いが俺は信長様に呼び出された。〜天下の補佐役、織田家筆頭内政官として無双する〜』  作者: 東西和
墨俣建てちゃうぞ。。

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11/11

11 浅井家・完全掌握! 〜資本提携という名の鎖〜

上洛という巨大プロジェクトを成功させた信長様にとって、次なる課題は「同盟者」という名の不確定要素の排除でした。特に、妹のお市様を嫁がせた北近江の浅井家は、朝倉家との旧誼(古い付き合い)という、計算不可能な感情に突き動かされるリスクを孕んでいます。


信長様は俺に命じました。

「小一郎、浅井を単なる盟友と思うな。あそこを織田の『完全子会社』に作り替えろ。背後を突かれるような脆い同盟など、俺はいらぬ」


俺の答えは一つ。軍事的な威圧ではなく、浅井家の経済基盤を織田のシステムに完全に依存させる「ソフト・バイアウト(平和的買収)」です。

1. お市の方の「持参金」と技術供与


俺はお市様の輿入れの際、持参金として単なる金銀ではなく、織田家が秘匿していた「鉄砲の規格化鋳造技術」と「国友鍛冶の優先発注権」を浅井長政殿に提示しました。


「長政様、これは信長様からの『家族』としての贈り物です。近江の国友村の職人を、織田の資本で最新鋭の工場ワークショップに作り替えましょう」


浅井家は狂喜してこれを受け入れました。しかし、これこそが俺の狙いです。

規格化された鉄砲を揃えれば揃えるほど、浅井軍は織田家が独占する「火薬(硝石)」と「弾丸の規格」なしには戦えなくなります。浅井の武力は、織田の「物流ロジスティクス」という生命維持装置に繋がれたのです。

2. 「近江米」の先物取引と経済支配


近江は日本有数の米どころです。俺は浅井領内の有力な米問屋に対し、織田家の圧倒的な資金力をもって「全量買い上げの予約契約」を結ばせました。


「浅井家の家臣の皆様、収穫した米を市場に出す手間は要りません。すべて織田家が固定価格で買い取ります。浮いた時間で、存分に武芸に励んでください」


表面上は浅井家への優遇措置ですが、実態は「浅井家の兵糧管理権」を俺が握ったことを意味します。彼らは織田の許可なく長期の遠征を行うことも、独自に兵を養うことも不可能になったのです。

3. 藤吉郎の「家臣団引き抜き」工作


俺が経済の鎖を巻く一方で、兄貴(藤吉郎)は得意の「人たらし」で浅井家臣団の心に食い込みました。


「おらぁ! 浅井の若い衆! 織田の家臣になれば、俺が作った『軍事保険』に入れるぞ! 怪我をしても一生食いっぱぐれねえ、そんな仕組み、浅井の殿さんは持ってねえだろ?」


兄貴は浅井家の有力な家臣、阿閉貞征あつじ さだゆき磯野員昌いその かずまさらに接触。信長様を「強引な独裁者」ではなく、「最も安定した高配当を出す大株主」として売り込み、彼らの忠誠心を揺さぶりました。


長政の「取締役」就任


ついに長政殿は、信長様に対してこう言わざるを得ませんでした。

「兄上……もはや浅井は、織田の支えなくしては一月も存続できませぬ。これよりは、織田の命に違わず、先陣を務める所存」


信長様は満足げに頷き、俺に視線を送りました。


「……小一郎。浅井を『計算』で飲み込んだな。これで北の朝倉が動いても、長政は俺の顔色を伺わねば動けぬ」


「はい、上様。浅井家の帳簿はすべて俺が監査しております。長政殿が朝倉に内通しようとすれば、翌日には浅井家の資金口座を凍結し、全軍を干殺しにする準備は整っています」


冷徹に算盤を弾く俺の横で、兄貴が「ひえぇ、小一郎は相変わらず怖いねぇ」と笑い飛ばします。

こうして浅井家を事実上の「織田家近江支店」に変えたことで、上洛プロジェクトの安全性は飛躍的に高まりました。


しかし、この完璧な計算を嘲笑うかのように、北の空から「越前の雪」を纏った古き因習の影が忍び寄っていたのです。

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