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75 2回目の付き添い(前)

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 花祭り当日、セレナのメイドのマナが中心になって、朝から朝食の用意をしたりと頑張ってくれた。

 ミクラもウォロの仕度のために朝だけ来てくれた。


 ありがたく朝食を頂いてから、オードリーとシーラと生徒会室に行く。

 ウォロは自分の仕度ができたら、エドワードやティエルノと一緒に生徒会室に来てくれるという。

 ウォロも去年と同じ服にしたとのこと。

 うん、あれ素敵だった! ウォロにしては明るめな色合いだったし。


 生徒会室の奥の相談室に到着すると、アリスとアンがもう来ていて準備を始めていた。

 オードリーとシーラも急いで取り掛かる。

 オードリーには悪いけれど、先に準備を済ませてもらって、シーラの腕を他の人に借りる予定。


 アリスとオードリーの仕度が完成!

 アリスのドレスはローブデコルテっていうの?

 ウィーンの社交界とか皇室のテレビで観たことのあるような上品な感じのドレスで髪を結い上げていて長い手袋をしていた。素敵!

「アリス、すごく大人っぽく見える!! 素敵!」

「ありがとう、ネモ」

 ふふふ、アンドレアスの反応が楽しみじゃ。


 オードリーもふんわりした感じのかわいい白銀のドレスに髪と胸のあたりに淡い色合いの色とりどりの花飾りをつけてかわいくて上品な感じ。

「あー、ネモにもこの花飾り付けたかったのに!!」と言っている。

「ありがとうオードリー。来年、お揃いにしようね!」


 ノンナ達がやって来たので、アンとシーラに手伝ってもらって着替えや髪を結ったりメイクを始めてもらう。

 オードリーとアリスが手伝ってくれて私も着替えた。

「やっぱり髪下ろすの?」

 オードリーに聞かれる。

「そうね、このドレスにはそれが似合うわね!!」

 アリスがそう言いながら私の髪にブラシをかけてくれた。

 まあ、結うよりは手間もかからないし、いいか。


 シーラに指示され肌にベースになるクリームを塗っておく。

 私以外の人の仕度ができ、シーラが来てメイクをしてくれる。

「髪を下ろされるんですか?」

 気になるよう。

「前回の花祭りの時も下ろしてましたよね」

 よく覚えてるな!!

「ちょっとやってみたい髪型があるんですけど……」

「葉の冠が被れれば大丈夫! どうぞ好きにやって!」

 

 シーラがしてくれたのは前髪と両脇の髪の毛を多めに垂らすように下ろして、残りの髪を少し下の位置できれいにまとめた髪型だった。

 とても上品な感じだけど、垂らした髪に動きが出てかわいらしい感じもする。

 葉の冠をつけても違和感なく、いい!

「素敵! シーラありがとう!!」


 オードリーとアリスが見に来て「その手があったか!」「素敵な髪型ね!」と褒めてくれた。

  

 アンとシーラに今日の仕度を手伝ってくれたことの感謝を伝え、相談室から出ると2-1寮のみんながもう揃ってた。

 セレナとライトは白を基調にして赤を効かせて、赤いバラを花飾りに身につけている。

 華やかでかわいい!!

 ふたりで花の妖精みたい!!


 エドワードとティエルノも白を基調にした準式服でオードリーと同じ淡い色の花飾りをつけていた。

「あ、オードリーとお揃い!」

 私が言うとエドワードが言った。

「とりあえず今回はネモとオードリーに合わせさせてもらった」

 とりあえずね。


 ウォロも白を基調にしたミーア帝国風の服。

 ウォロの横に立つとぎゅっと抱き寄せられた。

「まあ、今回は仕方がないけど。……ネモ、きれいだ」

「ありがとう、ウォロ! ウォロが一番かっこいい!」

 最後の言葉はウォロの耳元に囁いた。

「何いちゃついてんだ! 俺達も白だぞ!」

 ランスが言ってきたのでそちらを見るとアンドレアス、アポロ、ランスも白基調の服だった。

 アンドレアスはアリスに合わせてるのわかるけど……、あんたら相手いないの?

 言いかけて我慢する。触れてはいけないこともある……。


 アンドレアスはアリスを見てうっとりとした微笑み浮かべ手を取った。

 それだけでふたりの気持ちがわかる。


 ノンナは薄緑のドレスに白とピンクの花飾りと髪飾りをたくさんつけてとてもかわいい感じだった。

 花の女神っぽい!

 ロバートも薄緑の準式服のようなスーツに、白とピンクの花飾りを胸につけていた。

 生徒会長が花の女神って選ぶのか? うん? そういえば詳しいこと知らないけど……。

 じゃあ、4年になった時、エドワードどうすんだろ?!


 付き添いの6人が並ぶと私と4年女子のふたりだけが背が高い!!

 相談した結果、アリスと4年の女子が花の女神と一緒に馬車。

 背が同じくらいの3人が花びら撒き係。

 私が花束を持って最後の人……(去年と同じや!)となった。

 まあ、花束重いし、やりますよ私が。


 ウォロとエドワードがまた私を見張ってくれるらしい。

 ティエルノはオードリーと一緒にライトとセレナといることにした。

「でもさ、エドワード、パレードの周囲にいるとアルテイシアに見つかりやすいんじゃない?」

 私の言葉にギクッとする。

 そうだよ、パレードについて歩くのなら、他の人と接触しやすくなるよね。一緒に歩いたりするし。


 急遽ティエルノと相談して、チェンジすることになった。

「何? パレードでネモの警護するの? ウォロは過保護だなあ」

 ランスが言ったがウォロが言い返した。

「去年、何人も声かけてきたし、腕を掴まれたこともある。そばにいないと助けられない」

「本当に?!」

「うん、本当。ウォロ達が助けに来てくれなかったら、パレード止めちゃうとこだったよ……」

「じゃあ、俺もネモのそばにいるよ。アリスは馬車だから大丈夫だし。

 だからティエルノ、エドワードの方に行って大丈夫だぞ!」

 確かにエドワードの方も心配。

「ティエルノ、エドワードの方に行ってあげて! 見つかったら二手に分かれたりもするんじゃない?」

「そうだな、うん、わかった」

 

 お昼まで自由時間なので食堂で軽食を食べようということになり移動する。

 途中でミカに会った。私服見るの初めてかも。

 グレイのスーツにピンクの花の飾りを胸につけている。たぶん一緒にいるのは2-4寮のみんなかな?

「ネモ?! いつもと全然違う?!」

 ミカがびっくりしている。

「へへー、化けたでしょう!」

「化けたって……、こっちが本物なんじゃないの?」

「お前2年? いいこと言うねー。気に入った!

 ネモもちょっとドキッとしたろ、今の言葉!!」

 ランスがミカの肩を抱きながら言った。何か馴れ馴れしいな!

「まあ、そうね。でも、私の場合、残念ながらこっちが仮の姿なのでーす!!」

 ミカとランスと2-4寮の子達が笑ってくれた。


 私も笑ってウォロと手を繋いだ。

 ウォロは急に私が手を繋いだのでちょっと驚いたみたいだけど。

 ウォロの前では全部本当の私だけどね……。

『ウォロの前では全部本当の私か。ネモもうまいこと言うな!』 

 マッちゃんが急に言うので顔が赤くなる。

 ウォロも少し顔を赤くしている。

『ふむ、どんなネモも好きだ! とのことだ』

 私はさらに顔が赤くなってしまった。

「じゃあ、また後でね!」 

 それだけ言うと、気づかれないようにランスとミカがまだ話している隙に歩き出す。


 あー、マッちゃん、急に出てくるから、びっくりしたよ……。

『いやいや、花祭り、懐かしくてな。春を祝う祭りで、儂は好きな祭りだったので』

「そうなんだ、昔はもっとメジャーなお祭りだったんだね!」

 私は小さな声でウォロにも聞こえるように返事した。

『ああ、国を挙げての一大イベントじゃった』

「へー」

 顔の赤みも落ち着き振り返ると、ランスが2-4寮を引き連れて歩いてきてる!!


「ランス?」

「あ、こいつも食堂行くんだって!

「こいつじゃない、ミカ! 今、剣の授業で私とペア組んでくれてるの!」


 食堂で席を確保し(大人数だから……)、それから特別メニューをいくつか頂く。

 彩りもきれいで、おいしい!

「エドワード様!!」

 この声は、アルテイシア!!

 エドワード見つかっちゃったよ!!

 しかし、エドワードは落ち着き払っていた。

 まあ、味方がこんだけいればね。

 席も空いてないし。

 

 後から慌てたようにレイモンドが来たが、アンドレアス王子もアリスもいるしアルテイシアがとんでもないことを言い出す前に連れて行こうとしているみたいだ。

「アルテイシア、ここはもう席も空いていないし、向こうへ行こう!」

「嫌よ! やっとエドワード様にお会いできたのに!!  

 この後のパレードご一緒に見学しませんか?」

「俺は友人達と過ごす予定なので、申し訳ないがお断りするよ」


 突然アルテイシアが泣き出し、みんなぎょっとした。

 オーサム先生と見慣れない先生がふたりこちらに来た。

「どうした?!」

「私とは一緒にパレード見学できないって!! うわーん!」

 泣きながら訴える。

 子どもか!!


「友人と過ごす約束をしているのです」

 エドワードがはっきりと宣言した。


「その友人の中に彼女を入れることはできないのか?」

 オーサム先生が聞く。

「無理です。彼女は俺の友人、特にセレナとネモに対して無視したりひどいことを言ったりしています。

 そんな人物を友人にする気はありません」


 エドワードの言葉を聞いてアルテイシアが近くにいたセレナに掴みかかろうとし、先生のひとりがそれを止めようとセレナの前に立ちはだかってくれた。

 その先生に平手打ちをしようとして、もうひとりの先生に腕を掴まれ捻り上げられたと思ったら、悲鳴を上げたのは捻り上げた方の先生だった。

 あれ? 

読んで下さりありがとうございます。

2年生の花祭りが始まりました。

午後投稿する予定です。

どうぞよろしくお願いします。

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