表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/384

62 ウォロの帰還(前)

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めているので、お付き合いいただけるとうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 とりあえず、なぜかよくわからんけど魔道具の一部が耳飾りに説で押し通したけど、ウォロが帰ってきたら一緒に説明できるといいな。


 狙われてるのが私だけなら、私だけ学校の教職員施設で保護したらどうかとクラウスが言い出したが、寮のみんなが反対してくれ、カトレア先生も学校内でひとりにならないのなら大丈夫だと言ってくれた。

 良かった……。先生ばかりの寮みたいなとこの部屋に閉じ込められてるなんてぞっとする。


 とりあえず冬休みはあと1週間ある。

 そういえばギーマ先生は? 

 カトレア先生に聞くと、王都内のパトロールの方に参加しているのだそう。

 ズールと会ったこともあるしね。

 

 4-1の3人は私が心配と言ってこのまま1-1寮で始業式の前々日くらいまで過ごすことにしたそう。

 前々日にライトが戻って来ると連絡があり、4-1の方もメンバーも戻り始めるという。

 おかげで勉強を見てもらったり、魔法の練習をしたり、剣の練習もできた。

 アンドレアスも変わった剣の使い方と戦ったのがあまりないそうで、私と試合をしたらとても面白がっていた。エドワードは嫌がってたけどねーと、ばらしたい衝動にかられた。(言わなかったけれど)


 私はみんなに心配をかけないようにできるだけリビングで過ごすようにしていた。

 一度自分の部屋で本を読んでいて寝てしまい、ネモがいないと大騒ぎになりかけたことがあるので……。

 私の部屋の窓はカトレア先生によって鍵が追加され、開けられなくなった。

 アンの時は私も開けてしまったので……。

 

 まあ、1週間ぐらいなら休学してもそう大変な事にならないと思うけれど、そろそろ皇宮を出ないと帰って来るのに日数かかるよと心配していたら、始業式の3日前に『ダナンに着いた』伝言があった。

 始業式は無理そう。頑張って始業式の2日後くらいかな?

 もう調べたりするのが終ってるなら、長い伝言しても大丈夫かなと12月31日夜から1月1日にアンがズールに操られたこと、みんなが一緒に対応してくれて無事に切り抜けたけど、その時に左耳の耳飾りをズールは狙っていて、王都にまだいるのではないかという話になったことを伝えた。

 最後にウォロも気をつけて! と伝えてもらう。


『なんで早く言わないの! と言っておるぞ』

 そう返事が来たので、『だってそっちはそっちでいろいろ調べたり考えたりして大変そうだったから』と伝えてもらった。


 始業式の前々日にライトが寮に戻ってきた。

 4-1の3人が引き上げたので、ライトとウォロの部屋を掃除して、ベッドのシーツなど総取り替えした。

 ライトと協力してシーツを替えてたら、エドワードとティエルノが新学期だから俺達も替えたいと言い出して、手伝った……。


「ウォロ、いつぐらいになりそう?」 

 エドワードが聞いてきた。

「始業式後になっちゃうと思う」

「そうか、じゃあしっかりノート取っておいてやらなきゃな」

 やさしい!!

「ウォロ、喜ぶよ! ありがとう!」


 ライトはみんなから年末年始の事件のことを聞いて「わー、見たかったぁ!」と言った。


 始業式前日、私はライト、ランスと魔法の練習をする約束をしていて、セレナとオードリーに買い物を頼んでいた。エドワードとティエルノにも「一緒に買い物に行ってくれば?」と言ってみた。

「ほら、用心棒だよ。セレナとオードリーも私の友達だとズールは知ってるわけだし」

 気分転換に外出いいんじゃない?

 私はオードリーにノートとペンを頼んだ。


 外出する4人を見送ってからカトレア先生の所に行ってみた。

 魔法研究所のクラウスもいて、ライトを紹介した。

 クラウスはこの学校の卒業生でカトレア先生の教え子なんだそう。

 これから時間があるか? と聞かれたので、ランスと魔法の練習をすると言うと、見たいと言われ、一緒に行くことにした。


 魔法の実技場をランスが借りてくれていたので向かう。

「なんだこの3人は全員、風と水か!!」とクラウスが驚いたように言った。

「ネモとライトは準決勝、俺は決勝まで行きましたよ」とランスが強いんだぞ! という感じで言った。

「クラウスさんの属性は?」

 ライトが聞くと「火と土だ」と返事が返ってきた。

「ティエルノとウォロと一緒か!」とライト。「マリアもそうだよ!」と私。


 ランスが私にマリア戦でやった水柱の竜巻を教えてくれと言い、ライトとクラウスは威力計測をしたいので計測器を借りてくると倉庫に行った。


 私はまず風魔法の竜巻をたくさん作りだしてから、それを束ねるように合わせていき、大きく威力のある竜巻のイメージを伝えた。

 最初から大きな竜巻をイメージして作るより、この方が実は早いし、力の調整もしやすい。

 そんな話をしていると急に「ウォロがいなくて寂しいか?」と聞かれた。

 ちょっと驚いたけれど「うん、寂しい。早く会いたい」と答えた。


「素直じゃん。ウォロに会ったら最初どうするの?」

「えっ? うーん、どうするかな? 私からっていうか、ウォロの方が抱きしめてくるしな。いつもなら」

「そうなんだ。ウォロとネモって見てると面白いよな」

 うん? そんなに観察されてるんか?

 私の『?』の表情を見てランスが話し続ける。

「ウォロの方がネモに一途なのかと思って見てると、実はネモの方がすっごい惚れてるんじゃないかって思う時もある」

「あはは、そうかもね」

 その時『そろそろ王都に入るぞ。夜には学校に着く。ウォロからネモへ』マッちゃんの声が響いて、はっとする。

 えっ? ずいぶん早くない?

 大丈夫なの?

 そう思いながら、にっこりしてしまう。

 私の表情の変化にランスが驚いて言った。

「どうしたの? すっごくうれしそう」

「ウォロが帰って来る気がする……」

 マッちゃんのことはランスは知らないから……。

「聖魔法持ちだとお互いの場所とかなんとなくわかるのかもな?」

 おっ、そういえばマッちゃんみたいに人探しみたいのができるなら、そんなこともできるのかも?

 闇魔法の方が得意そうな分野だ。魔道具にもあるしね。

 そしたら気配とか、光魔法の残滓とかも追えるのかも……。


 私が考え込みそうになるのを見てランスが言った。

「まっ、竜巻の強く早い展開方法教えてくれ」

「うん」

 私は竜巻の展開方法を実際にやって見せる。

 ランス、すぐできるようになった。

 やっぱり実物観るのって大事だな!!

 そこに水を巻き込ませる方法として、私がやるのは最初から水柱を作っておく方法だと強度が強めの壁ができるし、水球を巻きこませる形だと早く動くけれど耐久が低めの壁ができるので、相手の属性や技によって変えることを話した。

「マリアの時は火が強いと思ったので、水柱を最初から立てる方法を使ったけれど、やはり時間がかかるので最初しかできなかった」

「相手も防御壁を張るから展開する時間が取れるからか!」

「うん」


 ライトが向こうの実習場でクラウスと一緒に計測し出した。

「ライトすごく頑張っているね。上達してるし!」

「ああ、戦ってびっくりしたよ。1年生とは思えない。ネモもウォロもそうだけどさ」


 私はランスのアイスファイアを見せてもらい、自分のアイスファイアの精度をどう上げたらいいかイメージを強くすることができた。


 魔法の練習を終えて、寮にライトと戻ると買い物チームがもう帰って来てた。

「はいネモ」と頼んだものとお釣りをオードリーが渡してくれた。


「ウォロ今夜帰って来るって!!」

 私がそう言うとみんなびっくりする。

「えっ早くない?」

「うん、ダナンに着いたって連絡があったのが2日前だから…。7日間のところ3日間か。あ、でも行きもそれぐらいの早さだったかも?!

 ウォロはともかく、マイネついていけてんのかな? そっちの方が心配だよ」


「ウォロをすぐ出迎えられるように食堂で夕食食べよう」とティエルノが言ってくれ、みんなで食堂に向かう。


 マッちゃん、みんなと食堂にいるからね。

『みんなと食堂にいる。ネモ』

『うん。ウォロ』

 返事が続けてきた。

 うんだけか……。それだけ急いでいるんだろうな。始業式に間に合うといいね。

『始業式に間にあうようにじゃないぞ』

 えっ?

『ウォロはネモに会いたいから急いでおるんじゃぞ』

 ……それはうれしいな。私も早く会いたいよ。

『うれしい、私も早く会いたいと言っとるぞ!』

 マッちゃん、ウォロを焦らせなくても……。

 気をつけて無理しないで帰ってきて欲しいからさ。


 食堂に入ろうとした時『着いたぞ』とマッちゃんの声が聞こえた。

 えっ? えっ!!

 私は馬車乗り場に走った。みんなが驚いてついてくる。

 馬が3頭。 ウォロとハロルドとマイネだ!!


「ウォロ!!」

 私はそのまま走って行って抱きついた。ぎゅっと抱きしめてくれる。すごい埃っぽい。でもいいや。

「お疲れ様」と言ってからウォロから離れ、マイネとハロルドに「お疲れさまでした! 大変だったでしょう!! ハロルドは少し休んでいく? このまま屋敷に戻るの?」と声をかけた。


「はい、馬と戻ります。では!」とハロルドはすぐ去って行った。

 マイネはかなり疲れている様子でティエルノとライトが荷物を持ってあげてエドワードも一緒に寮まで送ってくると言ってくれた。

 オードリーとセレナが夕食を3つテイクアウトして来てくれ、ひとつをエドワードに「マイネの分」と渡した。

「ライト、ティエルノ、エドワード、食堂で席を取って待ってるからね! マイネ送ったら戻って来て!!」

 オードリーは私にふたつ渡して「夕食の時間だけだけど、ふたりでゆっくりしなさい」と囁いた。


 寮に着いてふたりで中に入る。

「お茶入れる? それとも早く風呂に入りたい? それならお湯溜めてくるけど?」

 ウォロにどうしたいか矢継ぎ早に質問すると抱きしめられるけど……、早く身体をきれいにして着替えて休んだ方がいいのでは?!

「ご飯食べたら一緒にお風呂に入る?」と言ってしまってから、焦る。

「あ、一緒っていうか、入るの手伝ってあげると言うか……」

「うん」

 えっ? ああ、そうか。

「じゃあお茶入れるからご飯食べちゃお!」

 お風呂のお湯を溜めながら、リビングでお茶を飲みながら夕食を食べた。

 調べたことはみんなと一緒の時に話すと言うので、ミーア帝国のみなさんの様子を聞いた。


 ダイゴは元気で一緒にいろいろ調べてくれ、引き続きミーア帝国で調査を続けてくれることになっているとのこと。

 カノンは相変わらず元気で、マイベルもベッドから出て庭で過ごすことができたりと少しずつ身体の調子が良くなってきているそう。今度会う時が楽しみ。

 皇帝もマリヤムお母様も元気だったと。

 皇帝に魔道具のことなど話をしたが、ウォルフライト王国との良い関係をこのまま続けていきたいので協力を惜しむなといわれたそう。帝国の魔道具関係の職人が作る協会などにも協力するように連絡をしてくれたそう。

 第1皇子ダンテとも話せたそうだが、ダンテは魔法のことはよくわからず、ダイゴとウォロに任せると言われたそう。

 第1皇女メイリンは4属性魔法の火と水が使えて魔道具作成もできるのだけれど、聖魔法持ちではない。聖魔法持ちの魔道具職人を知らないか? と聞いてみたのだが、とぼけられたという。

「とぼけられた?」

「うん、ダイゴがそう言ってた。あれは知ってる感じだって」

 確か、ダイゴ、メイリンのこと嫌がってたよな……。

「マッちゃんのことは話したの?」

「ダイゴにだけ話した」

 そうか、それがいいかも。

読んで下さりありがとうございます。

久しぶりにミーア帝国の他の兄弟姉妹の話が出てきました。

留学生のマイネ(2年生)はウォロの妹になるマイベルとカノンの叔父さんにあたります。

これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ