表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/384

51 夏休み終了

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

今回は転生物に挑戦中です。

書きたいことがたくさんありゆっくり書き進めています。

お付き合いいただけるとうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 エドワードから連絡があり、学校と孤児院に行くのは夏休みが終了4日前の日になった。

 指示があったので制服で待っていると王家の馬車が大使館に迎えに来た。ウォロとオードリーに見送られ、私だけ乗り込む。

 エドワードも制服だった。最初に学校に行き、次に孤児院を回るという。ティエルノに協力してもらい今回の趣旨や実施するならというプランをまとめた資料を作って来てくれてて、それを見せてもらった。

 うん、わかりやすい。良いと思う。私は全然手伝えなかったのでありがとうと感謝を伝えた。

 

 久しぶりの学校に到着。もう寮に戻って来ている生徒がちらほらいて食堂も始まっていた。

 早めに寮に戻ること考えてもいいのか!


 学校長の部屋に通され、資料を渡してエドワードが説明してくれた。

 私、必要か?

 まあ、最初に慰問を始めたのが私ということはあるみたいだけど……。

 すぐに許可がもらえて(陛下の声かけだし、エドワードも王子だもんね)、そのまま孤児院に移動する。


 院長室で資料を見せて説明して受け入れていただけるかお願いする。さっきよりは私も話に参加することができた。

 とりあえず幼児部、児童部ともに月1回で行ってみて、調整していくことになった。できれば児童部は月2回ぐらいできるといいなと思う。


 その時、私達が来ていることを手伝いのシスター達から聞いたのか、幼児部の子ども達が院長室を覗きに来た。

「お姉ちゃんだ!」

 前に絵本を一緒に読んだ子だった。

「今日も絵本を読んでもらえる?」

 エドワードを見ると頷いてくれたので、細かい話はエドワードにお願いして、私は子ども達と幼児部の方へ行った。

 絵本を読み終わると手伝いのシスターが子ども達に冷たいお茶を配ってくれた。 

 小さい女の子が私にお茶を運んでくれようとしている。危なっかしいけれど気持ちがうれしくて見守っていると、私のそばまで来てほっとしたのか渡してくれようとして手を滑らせてしまった。

 私もあわててしまい、コップをつかもうとし、つかみ損ねて自分側にお茶をこぼし、制服のスラックスの腿から膝辺りにお茶がかかってしまった。

 あー、失敗したー!!

 その子が泣きそうになったので「大丈夫だよ! 私が自分でこぼしちゃったの。一生懸命運んでくれてうれしかったよ! ありがとう」と慰めた。


 確か馬車にエドワード着替え持ってたよな。


「エドワード、着替え貸してくれない?」

 院長室に戻り、そうお願いすると、あらあらと院長であるシスターがあわてている。

「落ちかけたコップをつかもうとして私が自分でかぶっちゃったので気にしないでください!!」

 ちょうど話が終わったところだそうで、エドワードに「行こう!」と言われる。

「えっ、着替えは?」

 もしや馬車の中で着替えとか? さすがにそれは……。

「いいから来て!」


 馬車に乗せられ、私が入ったことのない高級そうなお店に連れて行かれた。

 エドワードが何か伝えると、お店の人が私の体形を見て、すぐに1着のワンピースを持って来た。

「えっ?」

「制服すぐに洗った方がいいから」とエドワードに言われ、お店の人に着替えの部屋に連れて行かれた。

 戸惑いながら制服を脱ぐとすぐに持って行こうとするのであわてて飾り紐を回収した。

 濡れたのは足の真ん中あたりだったので下着は濡れてなかった。良かった。

 ワンピースを着ると「髪を直しましょう」と言われ結いあげられてしまった。

 制服は洗濯してミーア帝国大使館に届けてくれるという。


 えっと、このワンピースは洗って返すとかできないよな?!

 エドワードも返されたら困るだろうし……。


「エドワード、着替え貸してくれれば良かったのに。

 これ、返されてもこまるよね? お父様に連絡して払ってもらうよ」

「いい、もらっておいて」

「えっ、でも……」

 けっこうお高そうだよ。このお店。


 鏡の中の淡い緑色のワンピースを見る。オードリーを思い出した。


「いいから! ……悪いと思うならこの後、食事につきあって。予約しているとこがあるから」

 食事につきあうとな? そちらのおごりで?

「それは全然お返しにならない気が……」

「じゃあ、食事の後、これにもつきあって」

 チケットを見せられる。教会そばの美術館のチケットだった。

「さっき院長にもらったんだ。夏の特別展をしているんだって」


 うーん、まあ、それぐらいならいいか。


 エドワードのおすすめというレストランで食事をし、美術館に行った。

 あれ、これってオードリーが話していた真っ当なデートコースっぽいな……。


 美術館ではちょうど新聞社の記者とカメラマンが取材に来ていて、エドワードは美術館の館長に紹介されて挨拶している。私はエドワードにエミリア・ネモフィラ・アリステラ辺境伯爵令嬢と紹介された。学友のネモとかでいいのに。

 やっぱり、ちょっと驚かれてしまったような間があった……。

 取材してもいいかと聞かれ、答えられることならば……と言うと、美術展について聞かれたので、この作者の絵が素敵だと思ったとかそんな話をした。


 夕方までには大使館に戻ったけれど、制服じゃないのでオードリーとウォロに驚かれた。

 何があったか説明して、制服がお店から届くことを伝えた。

 部屋に行きオードリーに手伝ってもらってワンピースを脱いだ。

「わあ、この店、ウォルフライト王国御用達の店だよね」

「そうなの? すごく高いのかな?

 いや、この服エドワードに返しても困るだろうし、お父様にお願いするって言ったんだけど、なんか押し切られて……。

 悪いと思うなら食事と美術館につきあってくれと言われて一緒に行ったんだけど。

 そんなんで借りを返せてない気がする……。どうお礼したらいいかな?」

「着替え貸してと言ったのにお店に連れて行かれたのか……。普通ならエドワードなかなかやるな! と思うところだけど……。話聞いているとそれデートみたいだよね?  

 断れなかったのわかるけど……、うーん」


 お父様には連絡を入れて、エドワードが着替えとして服を買ってくれたので、どうお礼をしたらとお伺いを立てておくことにした。


 次の日、新聞を読んだ大使が私が2紙の新聞に載っていると知らせてくれた。


 貴族に購読層が多い有名な新聞に魔法学校の生徒が孤児院でボランティア活動を計画しているという記事に、私が絵本を読んでいる写真が使われていた。

 いつ撮ったんだ?! 全然知らないんだけど?!


「孤児院で取材なんて受けてないよ!!」

「国の方から連絡が行ったのかもな?」

 ウォロが言った。

 陛下の顔が頭に浮かんだ。

「陛下か? エドワードも知っていたのかも?」


 もうひとつは文化人が良く好むと言われている新聞で美術館の記事にエドワード王子と私が来場したと書かれていた。

「これは取材されたけど……。チケットはエドワードがシスターからもらったと言っていたよ……。

 本当だったのかな? なんか、いろいろ、信じられないよ……」

 ウォロも複雑そうな顔をしていた。


 お父様からはお礼をエドワード王子と陛下に入れてくれたそう。

 でも、『お気になさらず、受け取って下さい』という返事が返ってきたと。


 うーん、いいのかなあ。

 まあ、次会った時、またお礼言おう。


 それからミクラとジュンがミーア帝国から帰ってくるという。

 9月中旬になるので、私達が学校に戻ってからだ。

 久しぶりに会えるのはうれしいし、ミーア帝国の話を聞くのも楽しみ!


 あ、アリスのこと聞こうと思ってて忘れた……。


 制服も届いたので、明日学校の寮に戻ることにした。

 2日間、寮でのんびりしようという計画。

 エドワード達には特に知らせないことにした。


 次の日、学校へ行き寮の鍵をオーサム先生から受け取り、寮に入り荷物を片付けた。 

 図書館に行って勉強したり、食材をもらってきて食事を作ったり。

 そして夏休み最終日。

 マリアが1-1寮に来てくれて勉強を教えてくれている時にエドワード達が戻ってきた。


「いつから寮に戻ってたの?」とティエルノに聞かれ「一昨日から」と答えた。

「知らせてくれれば良かったのに」と言われたけれど……。


 とりあえずみんなが部屋に入って片付けを始めたのでエドワードの部屋を訪ね、ワンピースのお礼をもう一度伝え、借りていた歴史の本を返した。また感想を聞かれたのでまとめていた感想を話した。


 次の本をと言われたので、断った。

「なんで?」

「授業も始まるし、ボランティアのこともあるじゃない? 

 学校生活が落ち着いて余裕が出てきたらにしようかなと思って」

 私がそう言うと「返すのはいつでもいいから!」と次の本を押しつけられる。

 

 えっと……。私、断っているよね。

「……だから、今は借りないって言ってるよね」

「だから、返すのはいつでもいいから、いつでも読めるように持ってなよ」


 あれ、エドワードってこんなに話を聞いてくれない感じだったっけ?

 少しそういう傾向はあったけれど、ここまではおかしくない?


「悪いから今は借りない」

 もう一度冷静に断ってみる。


 エドワードはイラっとした様子で「そう……わかった」と本をベッドの上に投げた。

 エドワードらしくない。

「……らしくない」 

 つい口に出してしまった。

「なに?」

「なんか、エドワードらしくない!」

 私はそう言って部屋を出た。

読んで下さりありがとうございます。

やっと夏休みが終わりました。

学校始まるよー!

エドワードがかわいそうになってきたので早く告白させてやろうと頑張って書き進めてます。

これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ