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50 陛下からの依頼

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくりと書き進めているので、進展が遅いところもあると思いますがお付き合いいただけるとうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。


 結局、その後はオードリーとダイゴのデートの話を聞いた。

 真っ当なデートの話はとても面白い。

 そういえば、ウォロと真っ当なデートしたことあるかな?

 うーん、遺跡に行ったぐらいしか思い出せん。

 セレナもうれしそうに話を聞いていて良かった。


 朝、ちょっと眠かったけれど、いつもの時間に目が覚めた。

 セレナとオードリーはまだ寝てたので、先に顔を洗ったり動きやすい服に着替えた。

 今日も剣の練習をするかなと思ったから。どうかな?

 なので髪も自分でポニーテールに結んだ。


 セレナとオードリーを起こすと、マナとシーラも来てくれた。

 ふたりは今日もかわいくおしゃれしたよ。

「ネモはそれでいいの? 何か悪いわ」

 セレナが言ったけれど「剣の練習をするかもだから」と言っておいた。

 

 食堂に行くと男子4人はもう食べ始めていた。

「おはよう!」と挨拶して入っていくと、ウォロが真っ赤になった。

 なんだその反応は?

「おはようネモ!」とライトだけ挨拶を返してくれる。

 エドワードはちょっと機嫌が悪い?

 ティエルノは苦笑いしてるし。

 だから何だよ?


 私はティエルノに『何?』という視線を送ったが、首をすくめられた。

 なんだよ?

 とりあえず空いている席に座って朝食を食べた。

 ウォロも落ち着いた様子。

 朝食を食べ終えてからティエルノに「今日は剣の練習する?」と聞いてみた。


「やってもいいけど……」とティエルノが言ってエドワードを見る。

 エドワードは「ネモもやるのか?」と聞いてきた。

「うん、やるなら参加させてもらおうと思って」

「長剣で?」

「うん、長剣なら借りられるよね?」


 ふふんという感じでエドワードが言った。

「よし、やろう!」


 あれから練習も続けてたし、この前よりはできると思うんだけどな。

 それにアポロを見て思い出した。長剣だと強いアポロも変わった形の剣の人に負けてたよな。

 長剣でも変わった使い方したら、けっこう行けるんじゃないかと。

 朝食後、昨日の練習場所ということで一度準備に部屋に戻ってから現地集合になった。


 みんなが席を立ったのでウォロを呼び止めた。

「何かあった?」と聞くと「えーと……」と口ごもる。

 ティエルノがそばに来ると私の肩をポンと叩いた。

「昨日の夜、4-1の3人も一緒に過ごしてさ。ウォロにネモのことを質問しまくりで……。

 最初はウォロも何も言わなかったんだけど……。何もないならネモに関わっていいのかとかランスが言い出して……。ウォロがその……、ネモとの……」

 ん?

「キスしたとかそういうこと?」

 私は何でもないことのように言った。

「あ、まあ……」

「キスぐらいは婚約してるんだからしてるよ」


 ウォロが赤くなりながら謝ってきた。

「ごめん、言われたら嫌だろうなとは思ったんだけど……」

「大丈夫だよ。私もオードリーとセレナにいろいろ聞かれてさ。ウォロとキスしたのか聞かれて……ばれたから! こっちもごめん。気にしないで!」

 そう言いながら、アポロとランスめーと心の中で思った。


「練習まで少しふたりで話して来たら、な?」

 ティエルノがそう言って離れて行った。


 ん?

「……散歩でもする?」

 私はウォロの手をつかむと庭へ連れ出した。

 離宮から少し離れた所までくると立ち止まって聞いた。

「何言われたの? 変だよ?」

「いや……、その自分がネモにしてたのは自分勝手な事だったのかもとか、ちょっと女性のことを考えてないというか……」

 どんなこと話したんだ? マッちゃんに聞いたらウォロにばれるか?

 気になる……。

「どんなこと話したの?」

「えっと、今までどんなところに一緒に行ったのかとか、どんな風にその、ふたりの時に……」

 つまり、今まで一緒に遺跡に行ったこととか、ふたりきりになりたがるくせにどうしていいかわからなくなるとかそういうことまで話しちゃったのかな?

 ウォロが黙ってしまったので、私から言った。

「……それでダメだしされたの?」

 ウォロは頷いた。

 うーん、確かに私達の在り方は真っ当な恋人同士な感じじゃないけど……。


「そんなの人それぞれなんだから気にしないで」

 私はそう言いながらウォロに抱きついた。

「私がいいんなら、いいんじゃない」


 ウォロが恐る恐る抱きしめ返してくれる。

 本当にウォロに何言ったんじゃ、あいつらめ。

「ウォロとこうやっているだけで幸せだから、安心して」

「じゃあ、こういうのは?」

 顎をクイッと右手で持ち上げるようにされる。

 うん? 何かいろいろ変な事教えられたんじゃないだろうな?

「これ昨日オードリーにされた」と言うと「えっ?」とウォロが驚いて手を離した。

 私はちょっとため息をついてから、ウォロの目を見て真剣に言った。

「本当に人が言うことは気にしなくていいよ……」


 ウォロが元気になって良かったーと思いながら一度部屋に帰った。

 オードリーとセレナも剣の練習を見に来てくれるという。今日はタオルをもう用意していくことにした。

 練習場所に行くと4-1の3人も来ていた。

 よくもウォロにいろいろ言ってくれたな……。


「今日はネモも練習するんだね。楽しみだな」とアポロが声をかけてきた。

 エドワードが木剣を何本か持って来てくれたので、見てみる。

 一番細いものがやはり振りやすそう。

「ありがとう、これお借りします」


 私が入ったので、エドワードと私、ティエルノとアポロ、ウォロとアンドレアスと体格が近いペアになって最初に打ち込みをした。

 エドワードがすごい力で打ち込んでくるので受け止めるのが精いっぱいだった。試合ならいなすことができるけれど。練習だから受けなきゃいけない。


 それにしても機嫌悪そうだな。イライラをぶつけてくるような剣だ。

 私が打ち込んでもエドワードに軽く受けられてしまう。まあ向こうの全力打ち込みを受けられただけでも進歩しているか。前みたいに下がらなかったんだから。

「次、ずれて行こうぜ」とアポロに声をかけられた。

 エドワードが「いやだ!」と言ったので目が点になった。

 は?

 ティエルノの方を助けを求めるように見ると、天を仰いであーという感じで目を閉じている。

 なんだ?

「……エドワード?」

 声をかけるとはっと我に返ったようだ。睡眠不足か?

 その時、「エドワード、ネモ、話ができるかな?」と声をかけられた。

 この声は……陛下じゃん!


「練習中悪いね。このふたりちょっと借りて行くよ」

 陛下が返事も待たずに歩き出す。ついてこいということだよな。

 私は木剣を置いて行こうとしたが、エドワードが持ったまま歩き出したので、あわてて持って行くことにした。

 陛下はどんどん歩いて行くし、エドワードは木剣を手にしたままムスッとしてるし、私は困っていた。


 陛下が池のそばのテラスのような所へ入っていき、席に着くと私達を手招きする。

 エドワードは相変わらずムスッと不機嫌そうなまま陛下の従者に木剣を預けて座る。

 私も木剣を預けて席についた。


「ネモ、教会の孤児院での活動、ありがとう。院長から話を聞いたよ。

 先日は勉強や魔法の訓練もしたんだって?」

「私は今まで思いつかなかったのですが、エドワードが中心になって始めてくれました。児童部の子ども達にとってすごく良い活動になると思います」

「で、アリシア夫人も見学に来たんだって?」

 私はエドワードをちらりと見たが、まだムスッとしている。

「はい、私には気が付かず、エドワードやウォロに話しかけてから、幼児部に行きました。

 エドワードが心配して幼児部の方も見に行ってくれました」

「エドワードから聞いたよ」

 なんだよ、話してるんかい!!

 私はちょっと引き攣り笑いを顔に浮かべた。


 なに、これどんな状況?


「ふたりに頼みたいことがあるのだが……。

 孤児院の子ども達に定期的に勉強の場を与えたいのだが、魔法学校の生徒達でボランティアを募り学びの場を設けられないだろうか?

 資金が必要ならこちらから出そう。エドワードとネモでやってみないか?」


 それはとてもいい話だけど、なんでエドワードと私?

 ティエルノとかも入ってもらった方が……。


「いいお話だと思います。1-1寮のみんなも喜んで協力してくれると思います。学校として活動するなら学校長と話をすることが必要ですね。それをエドワードと私がすればいいですか?」

「そう、やってくれるかね。エドワード?」

 エドワード、ムスッとしたままだけど「わかった、やるよ」と言ってくれた。

「ネモも頼んだよ」と陛下に言われ「はい」と返事する。


「それから、昨日からアンドレアス達がエドワード達と過ごしているようだが何か問題は起きていないかな?」

「特にはないと思いますが……。私はそれほど関わっていないので……」

 エドワードは何も言わない。

「ふむ、まあ様子見だな。よろしく頼むよ」

 アリスのことを聞きたいけど、陛下に聞くと何か違うことが返ってきそうだからやめておこう。


 陛下から解放された私達は歩いて練習場所まで戻ろうと歩き始めた。

 なんかまだ機嫌悪いな。

 私も何も言わないで歩いていた。機嫌が直るまで待とう。今は全然話にならなそうだ。


 突然エドワードが立ち止まったので、私も立ち止まる。

 無言のまま時間が経つ。

 まあ、置いていくのも大人げないので、付き合うか。


「戻ったら試合してくれる?」

 急にエドワードが言うのでびっくりする。

「ああ、いいよ」

 私がびっくりした顔で返事したからだろう。エドワードが笑った。


 練習場に戻ってから、エドワードと試合をした。

 試合の時のエイダの剣の構え方を参考にいろいろやってみた。

 長剣の正統派のエドワードの剣を少しは引っ掻き回せたみたい。

 ちょっと焦った顔も見れてしてやったりだけど、結局力では押し負けて、負けた。


 悔しいけれど、それはしょうがない。

 魔法も使って良くなったら、もうちょい、いい勝負ができるかも。

 今は自分のできることをしないと。


 私とオードリーとウォロは昼前に大使館に戻ることにした。

「学校長に会う日が決まったら連絡するから」とエドワードに言われた。


 ウォロとオードリーに聞かれたので、陛下からの提案というかお願いの話をしてエドワードと一緒に活動を立ち上げることになったと説明した。


「いいことだね。ネモがやりたいことだもんね。良かったね」

 オードリーは喜んでくれたけれど、ウォロは複雑そうな表情をしている。

「……気になるよね?」と私が言うとウォロが笑った。

「あ、わかってんだな。なんでふたりに、だよな」

「うん、普通ならティエルノとかセレナにも声かけそうなものじゃない?」

読んで下さりありがとうございます。

今作は話を長く続けるということを目指して、毎日投稿を続けています。

ブックマークや評価をつけて頂けると励みになります。

これからもよろしくお願いします!


私の楽しみは『小説を書くこと』と『ポケモンユナイト』です。

どちらもソロでコツコツ。少しずつ積み上げていく楽しみがありますね!

連休もおしまいですね!

明日から頑張って、早起きして弁当作る日常に戻らなくては!

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