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33 意外な情報

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

今回は転生物で長く書き続けることを目指しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。



 エドワードとはその後、ふたりきりで話すような機会は作れなかったが、寮の雰囲気は特に変わらず、いつものように学校生活は過ぎた。


 ティエルノには、エドワードと話したんだけど怒らせてしまったようだと伝え、もし話せることがあれば私が謝っていたことを伝えて欲しいことをお願いした。


 ライトが料理に興味を持ち、自炊メニューの時にどう手を加えておいしく食べ応えのあるものにするか、一緒に考えてくれるようになった。

 そういう話をするのも面白い。

 

 聖魔法のフラッシュは光を出すことはできるようになったけれど、実際に人にどのような作用があるのかは試せないのでよくわからない。

 思念化なら魔石に溜めてみる練習をしてみようかと考え中。

 

 実は電撃の方がうまくいっているかもしれない。

 こちらも試すことはできないが、手からある程度の電気っぽい刺激が出せるようになった。

 まだ飛ばすことはできないのだが、手を押し付けてドン! みたいな。

 スタンガンみたいな護身として使えそうな気がする。

 もしかしたら、除細動器(AED)みたいなこともできるのかもしれない。

 

 エドワードのことは気になっているが、エドワードが私に言わない、言えないということは、王家のことだったのかもしれない? と推測している。

 エドワード、アンドレアス、アリスと残っていた3人は王家の関係者だもんね。


 私はあの話し合いからアリスとアンドレアスとは全く関わっていない。

 聖魔法の授業でアリスと一緒にはなるが、向こうが見事に完全無視をしてくれるので、逆にやりやすいくらい。


 そんな時、カトレア先生に今度の休みに研究室に遊びに来ないかと誘われた。

 6月半ばの休みはまたミクラとジュンの家に剣の稽古に行こうと話していたけれど、私は残ってもいいかと思い了承した。

 ウォロは剣術の練習があるからそっちに行くだろうし、カトレア先生とたくさん話せるいい機会かも!

 

 みんなに伝えると、ウォロがすごく心配していたけれど、カトレア先生の研究室は門の近くだったので、みんなを見送ってすぐカトレア先生と会えるからと言うと納得してくれた。

 そのかわり、絶対ひとりで学校内をふらふらするなと言われた。

 うーん、絶対とは約束できないけど……。

 気を付けますと答えておいた。


 休み当日、私はみんなと食堂で朝食を食べ、馬車で出発するのを見送ろうと門近くの馬車乗降場まで歩いていた。

 ティエルノが私に来い! という感じの合図をするので近寄ると「ほら、自分で聞けよ」と隣にいるエドワードを見て言った。


「この間はごめん。

 ……だから、今回は一緒に行かないのか?」

 エドワードが目を合わせずにぼそぼそと小さい声で言った。

「違うよ、本当にカトレア先生に誘われたから。それ以外の理由はないよ。

 私こそごめん。真剣な話だったんだよね。

 笑われたら、つかみかかったり詰め寄ったりするぐらい怒りたくもなるよね。

 ほんと、ごめん」

 ティエルノがため息をついた。

 ん? なんで?

「いや、あれは……そういうことじゃなくて……」

 エドワードがごにょごにょ言っていたが乗降場についてしまった。


 馬車に乗ったみんなを見送って、ちょっと寂しくなった。


 カトレア先生の研究室を訪ねると、にこやかに迎えてくれた。

 先生はいつも授業の時は私服の上に魔法使いの黒いローブみたいなのを着ている。

 今日はローブは着ていなかったので、いつもより華やかな印象!


「先生、明るい色の服も素敵ですね!」

「ネモはいつもの制服で来たのね」

 はい、学校の中で逃げたり走ることになったら、制服が一番対応できますから!

 でもそうは言えないよな。


「以前話していた光魔法の攻撃はどんな感じ?」

 カトレア先生がお茶を入れながら聞いてきたので、フラッシュの進展状況と魔石に光を溜める練習をしていることを話した。

「後、これはまだ話していない魔法なんですが……、身体がしびれるような感覚の攻撃ができないかと考え、試しているものがあります。

 うーん、なんと説明したらいいか、自然界だと雷が近いかな?

 でも、雷じゃ人が死んじゃいますからもっとレベルを下げて、という感じですけど」

「へー。面白いことを考えてるわね!」


「先生、前から聞いてみたいことがあって、質問してもいいですか?」

「何かしら?」

「あの、贈名についてです。

 贈名を授かるのはとても珍しいことだとは聞いているのですが、具体的に何か特徴とか何か制約とかあるのでしょうか?」

「私の次がユーチャリス、ネモフィラと続いたから驚いたわよね。

 そうね。贈名を授かっていると魔法の力が大きい傾向と聖魔法が使えるというのが特徴かもね。

 今までがそうだったから。

 特にアリス、贈名はユーチャリスね、彼女はすごい能力を持っているわ。でも……」

「でも?」

 私は何も考えずに聞き返してしまった。

「そうね。あなたになら言ってもいいか。

 アリスは何か違う感じがするのよね……。本当に贈名、なのかしら?」

 あ、神様の時の自分の名前だもんな。

 自分で贈名にしたとデルフィニウム様が言っていたけど、厳密には贈名じゃないのか?


「それに、力はあるのにそれを人のために使おうとしないのも気になるわね。

 普通は……、普通という言い方も変だけど、聖魔法を授かっている者はどちらかというと正義感が強く弱い人を助けようとする気持ちがある人という印象があるのだけれど、アリスは違うのよね……」

 うーん、そうか。

 なんとなくわかるけど……。

 ここにいないアリスの話を続けているのも悪口を言ってるみたいな感じがしちゃうし、やめよう。


「贈名があるとこの国から制約を受けるのでしょうか?」

「あなたは気が付いているんでしょ? 

 だからウォロと婚約したんだと思ったけれど?」

「はい、贈名と魔力と属性が多いというのはこの国では大切にされますよね。

 学校にも入れて教育の機会も与えてもらえる。

 ウォロと11歳で婚約したのは、確かに入学テストを受ける前に婚約しておけば、もし万が一、アリスの時のように王命で婚約させられることがなくなるだろうと判断したこともあります。

 でも、それだけではないですけどね。

 ウォロとこの先ずっと一緒にいたいと思っていたし、ウォロもそう望んでくれたし、だからタイミング的に11歳の婚約になったというだけで……」

 言っててどんどんドツボにはまり、何を言いたいのかわからなくなった。


 先生を見ると微笑んでいる。

「そうね、いい考えだったと思うわ。

 入学テストの時、もしあなたがフリーだったら、エドワード王子の婚約者候補第1位になっていたはずよ」

「でも、噂もあるし……」

「そう、あの噂、なぜあんなことに? 

 学校も噂とアリスから聞いていた話と、実際のネモがあまりに違うので私達は驚いているのよ」

「悪意を持って噂を広められたとしか考えられないところもありますが、私はもうウォロと生きていくことを決めたので、気にしないことにしました。

 実際の自分を見て知ってもらった人とお付き合いして行けばいいや! という感じです。今は!」


「そうね。でもね、少し状況が変わって来ているわ」

 先生がお茶を一口飲んで話を続ける。

「私の話を少しするわね。

 私は贈名持ちで魔法の力も多かったけれど、身分も男爵家と低いこともあってね、かなり幼い時に王命で公爵家との婚約が決まってしまったの。

 でもね、学校に来て友達がたくさんできて、魔法を学んで、魔法使いになり教師になるという夢を持ったから、公爵家に入るのが嫌になり、婚約を破棄したの」

「先生の方から破棄したんですか?」

「私が破棄される方?」

 先生が面白そうに笑う。

「いえ、そういう意味じゃなくて、だって王命で公爵家ならこちらから破棄を言うなんて、できるんですか?」


「条件をつけてね。

 この学校で教え続けること、一生この国を守り、ずっといること。

 この条件で望まない愛のない婚約は新しい王命で破棄してもらい、今の私がいるってわけ」

 条件……。


「だから、アリスのことも気になって見ていたけれど、彼女は第1王子の婚約者ということに満足していたし、アンドレアス王子のことも気に入ったようだし、それはそれでよかったと思ったのよ。

 あなたは最初からウォロという婚約者、しかも隣国のミーア帝国の皇子をすでに選んでいたし、ちょっとアリスとは違うタイプの子だなとは思っていたけれど。

 会って一緒に学ぶうちに素晴らしい才能と人柄と、そして何より人の上に立つ資質がある子だと思ったわ」

 そこまで褒められると照れます。

 でも、これはウォロと過ごしたからからこそ身に付いたものも多いと思うな。


「ウォロのおかげです。

 ウォロと出会ったばかりの頃の私は、噂から逃げるために自分を消して生きていましたから」

「そう……、そう思える人と巡り会えたのなら大切にしないとね」

「はい!」


「……じゃあ、これから私の言うことを聞いて、ウォロとどうするか相談して欲しいの。

 学校長があなたを国外に出すべきではないと王家に進言しようとしている。

 魔法の能力の高さはもちろん、学校から出された課題への対応力や周囲の人々に与える良い影響、何より自立していて、高位貴族としての義務をよくわかっている」

 ん? 国外に出すべきでない?

 ミーア帝国皇子と婚約しているわけで、将来はミーア帝国に行きますけど?


「もし、進言が受け入れられたら、あなたもこの国に縛り付けられることになるかもしれない」

「ミーア帝国に今すぐ逃げた方がいいでしょうか?!」

「まあ、落ち着いて。

 まだ進言前の段階だし、その後、王家もどのような理由をつけてミーア帝国と交渉するか、時間がかかると思うわ。

 だから、ウォロと相談して、その時はどうしたらいいか決めておくといいと思うの。

 私もギーマも他にもあなた達の意志を守りたいと応援している教師はいるわ。

 それを伝えたかったの」


 婚約してれば大丈夫かと思ったのに。甘かった。

 うわー、お父様とジョシュア兄様にも相談したいっ!!

 

 考えこんだ私を見て、カトレア先生が言った。

「ま、今すぐにではないから、いろいろと準備をする時間はあるってこと。

 今は落ち着いて力を蓄える時よ。

 一緒にランチはどう?

 その後、研究室に戻り、光魔法のこと実際にやってみましょう!」


 そう、ですね。

 今は考え込んでも仕方がない。

 とりあえずウォロが帰ってきたら、相談して……。エドワードにも話さないと……。


「はい、まずは自分の身を守れるようにならなくては!

 カトレア先生、よろしくお願いします!」

「よろしい、一緒に頑張りましょうね!」

「あ、先生、質問してもいいですか?」

「何?」

「あの5年生のマリアは私の味方になってくれるでしょうか? どう思いますか?」

読んで下さりありがとうございます。

この先、書き進めていたのですが、このことを言うのはこの人じゃない……ということが起きて、書き直してました。

もう少し書き進められたら1日2度投稿に戻していきたいと思います。

今日も午前のみの投稿になります。

どうぞよろしくお願いします。

次も頑張ります!

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