304 未来の見積もり
悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。
ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
学校に戻り、寮で生活するようになってから、時々みんなで息抜きの外出をする以外はほぼ勉強という生活になった。
ウォロとエドワードとライトとミカとダリルは魔法対戦の練習を時々している。
トーマとティエルノは一緒に勉強することが増え、なんか仲良くなってる。
私はラボで毎日薬を作る時間を作ることができ、その時間はひとりでできることをしている。
時々、オードリーが来てそれぞれ別々に勉強していることもある。
忙しいけれど規則正しい生活という感じだ。
薬が完成してから届けがてら病院に行き、マーリン先生と話してまた何回か魔法治療が必要な患者の治療に短期間通うことにする。
5日間だったけれど、アルテイシアとネイサンが一緒に来てくれた。
ミカやオードリーも付き添いしてくれ、オードリーが来れない時はシーラが来てくれた。
シーラの時には帰りにジュンとエレインに会いに寄ったりとなかなか楽しかった。
カトレア先生が調べてくれ、学校が私名義の口座を作成し管理していることがわかった。
薬の販売に関わる時、めちゃくちゃたくさんの用紙にサインさせられたんだけど、確か銀行との取引という書類があった。
それかな?
卒業時に清算するつもりだったらしい。
薬の販売という初めてのことに制度作りが追い付かず、とりあえずの体制でここまで過ごしてしまっていたということだった。
でも、薬の販売を続けるなら薬の売り上げを管理する学校名義の口座をちゃんと作り、そちらにお金を移して、ラボの運営費用として、関わる生徒の希望で使えるようにした方がいい。
オーサム先生も協力してくれ、学校が持っていた私の口座を空にした状態で返してくれることになった。
そこにカトレア先生が例の金額を振り込んでくれたそう。
わー、すごい金額。
サインは旧姓名を書くように言われたが、病院に薬を届けに行く機会を利用して銀行に行き、結婚後の名前に書き替えてもらった。
これで安心。
最後の夏休みが終わり、2学期が始まった。
授業とレポートと、資格試験や就職試験を受ける子はそっちの準備もしていかないといけない。
ティエルノは文官試験を受けるけど、エドワードは受けるつもりはなく(そりゃそうだ)、留学のための準備をサーシャと始めていた。
本当にミーア帝国の研究所に留学するつもりなんだ?!
ミーアの新年度は9月になるから、卒業してから5ヶ月も時間が空いてしまうが、早めに移動して生活を整えておき、次年度の9月入学を目指すそうだ。
トーマとウォロは力試しに外交官試験を受けるそう。
なのでティエルノと3人で勉強することが増えている。
ミカは推薦なので学内の成績を維持することやレポートで優を取ることが重要。
私とセレナも授業を受けて単位を取るという感じなので、授業とレポートの毎日だった。
サーシャとオードリーとミカは授業のほかに自分でテーマを決めて長いレポート、つまり卒論みたいなのを作る方にも参加している。
サーシャはミーアとウォルフライト両方の文化とその交流史みたいな観点で書いているそう。
オードリーは伝説とか昔話とかを各国ごとに比較して同じところと違うところの比較論みたいなのを書いてるそう。
ふたりでお互いの国の話を提供しあって内容を豊かにしているそう。
ミカは光魔法との併用治療のことをマーリン先生に相談したりし、実例をまとめるというかなり実践的な内容に挑戦している。
これは私も協力できるので詳しいことを聞かれたりした。
そういう自分の好きなことを調べるのも面白そうだよね。
私はラボの活動があるので、その活動成果が学校在学で達成した物みたいなもんかな……。
休みの日にオードリーを連れてミーアに戻ろうとしたら、サーシャも連れて行ってくれとなり、ならエドワードも……となった。
サーシャとエドワードは皇宮の図書館に行き、私達はダイゴと合流して遺跡を直す見積もりや計画表を見せてもらった。
うん、ホールみたいな部分と小教室みたいな部屋の仕切りも作り、トイレや簡単なキッチンなんかも同じ場所に機能的な物をつけるということだね。
なにかあったら避難所としても使えそう。
小教室に机と椅子を入れ、ホールは広いままで使えたら多用途に使えるかも!
金額はカトレア先生からの寄付でぎりぎり。
もし足が出たらウォロが出してくれることになった。
それから、オードリーとダイゴの結婚式の話。
「3月末に卒業したらすぐ、ミーア帝国で結婚式を挙げることでいいかな?」
ダイゴがオードリーに確認した。
オードリーはびっくりしていたけれど、頷いた。
「……ウォロとネモは?」
「私達は4月を過ぎて18歳になってから式を挙げるわ。
だから5月以降かな。
もう結婚しているから、いつでもいいし。
オードリーを祝福できるの、うれしい!」
にっこり笑ってそう伝えると「ありがとう!」とオードリーに抱きつかれた。
ダイゴがほっとしたように微笑んで、私に頷いてくれた。
良かった。
その後、神殿に遺跡を使わせてもらう承認をして下さったことをお礼に行き、一緒に活動できることは協力することを話した。
「ミーアにお戻りになったら、神殿で治療を定期的にしていただけると……」と言われる。
実際、神殿と病院での魔法治療を行ってみた経験から、病院の方がやりやすいことを伝える。
「ただ治療しますというだけでなく、神官がその前に聞き取りをして、病院での治療でのように人数を絞って頂くといいのですが。
それに患者をただ並ばせておくやり方もひどいです。
メイリンの時には、前に整理券を配っていたこともありましたね……。
何かしら工夫が必要です。
そういう話を聞いていただければ、できるとは思いますが……。
それから『聖女』と呼ぶのだけはやめて下さい」
神官達には苦笑いされた。
でも、それは本当なんだよ。
今日は子どもの日とか、怪我の日とかそういう風にしてもいいかもしんない。
来て長い時間並んだのに、診てもらえないということは絶対にしちゃいけない。
治療してくれるだろうと、私の善意を期待して待たせておくなんてことは絶対にあってはならない。
お互いに疲弊して憎しみの連鎖を作るだけだ。
その後、3月末にルチル皇子とオードリー公爵令嬢の結婚式を挙げるので、日どりやどのような式にするか話をしたいということになり、日どりは神殿側が良き日を選んでくれることになり、式の内容などはお互いに希望やできることを突き合わせてみることになった。
話し合いが終わり、ほっとして皇宮に戻ると、エドワードとサーシャが戻って来ていて、ダンテとカノンと話をしていた。
「ネモ! 約束忘れたの!
ノアは!!」
あ、しまった!
忘れてた!!
「ごめん、カノン!!
話し合いだったから、すっかりノアを連れてくるということ抜けてたっ!!
本当にごめん!!」
みんなで夕食を食べ、それから学校に戻る。
「とても参考になるいい資料が見つかったの!」
サーシャが喜んでいた。
エドワードも気になる時代の資料を集めることができたそう。
「ん? エドワードは卒業レポート組じゃないよね?」
「文官試験は受けないことにしたから、そのかわりに書いてみようかと……」
「そうなんだ!」
「それに歴史学で留学を希望するのに、歴史の提出できる成果があまりないのもどうかと思って……。
ネモは書かないのな?」
「私は教職の方がけっこう授業あって……。
それに薬師の資格も持ってるし、実際、学校を通してだけど販売もしてるからね。
それが私の成果、かな」
10月に入り、他の学年は魔法対戦の話題で持ちきりだ。
5年生も一応選抜をしたけれど、最初から辞退する人も多く、ウォロ、エドワード、ライト、ミカということになった。
休みの日は魔法対戦の練習をしたりして、忙しく過ぎていく。
本当に毎日が過ぎるのが早いっ!!
読んで下さりありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします。




