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269 おもてなしは大変

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 さて、食材を魔法陣の箱と冷蔵庫にしまう。

 人参、じゃがいもはそのままテーブルの上に出し、箱からたまねぎとニンニクを取り出して一緒に置いておく。


 まず、部屋の掃除をしちゃおう!

 使っていなかった部屋だから換気もしたいし。


 窓を開け、家具に掛けられていた布を外し畳んで棚の下の方にしまった。

 布団は干しておくことに。

 部屋のほこりを払い、床を箒で掃く。


 埃避けの布のおかげか、そこまで汚れていない。


 そのまま窓は空けて置き、ドアも開けっぱにして風を通すようにする。

 私達の寝室も窓とドアを開け風を入れた。


 洗濯の残り終わらせなきゃ!

 干していた物を取り込む。

 シーツやタオルなど大物を干して行ったんだけど、朝から干したおかげで乾いてる。

 残っていた洗濯物を洗って干すと、家の中に戻り、取り込んでおいたシーツやタオルなどを畳んで棚に戻した。


 そして夕食の仕込みを始める。

 人参、じゃがいも、玉ねぎを一口大に切り、にんにくをみじん切りに。

 冷蔵庫から鶏肉とベーコンを出して一口大に切る。


 大きな鍋を取り出し洗った。

 弱火にかけてバターとにんにくのみじん切り炒めて、ベーコンをいれ、次に鶏肉。

 肉の色が変わったら根菜を入れさらに炒める。

 根菜にバターが馴染んだところで水を入れ煮ていきスープに浮いてくるアクを掬う。

 根菜に火が通ったところで、フライパンにバターを溶かし、小麦粉を少しずつ振り入れ炒め、牛乳を加えてホワイトソースを作る。

 ホワイトソースをスープでのばしながら鍋に足していく。


 うん、ホワイトソースを別々に作る作り方もなかなかいい感じ。

 いい感じにとろみがついてきている。

 弱火で煮込む。


 その間にシチューをよそえるような深皿を棚から探して洗う。

 大きめのスプーンもあったので洗っておこう。


 お米も研いで水を吸わせておく。


 主食はパンと俵おむすび。

 デザートはぶどう。

 おかずはシチューだけじゃ寂しいか?


 シチューを味見しながら、塩コショウで味を調え、もう少し煮込むことにする。


 あ、ベッドのシーツ掛けないと!

 どうしようか……。

 火から離れるなら、止めないと。


 ノアは居間の敷物の上から私が忙しく動き回るのを見て、尻尾をパタンパタンとしてた……。


 うーむ、シーツはウォロとふたりで掛けたら楽だし早い。

 後にするか。


 お茶を入れて飲みながらシチューを煮込むことにする。

 慌てて、何も食べてなかった……。

 パンでも齧るかと思って気がついた。

 お茶菓子が何もない!!


 パンを切って、卵と牛乳と砂糖を混ぜ合わせた液に浸しておく。

 フライパンを用意しておく。


 シチューがいい感じになってきたので火を止めた。

 気持ち多めに味見した。

 うん、おいしくできた。


 ハイレディンのつかう枕だけ外に持って出てはたいてから枕カバーをかけた。

 私達の枕のカバーを替えておく。


 フレンチトーストを焼き始めたら、ウォロとハイレディンが帰ってきた。

 

 ハイレディン、ここではとっても偉い人になるんだが、ひとりでお泊りって大丈夫なの?

 

 護衛が3人いて、家の前の開けている辺りにテントを張り始めた。

 ダイさんとこの子ども達が興味津々という感じで覗いている……。


 ご苦労様です。

 ハイレディンがうちに泊まると言い出さなきゃ、ちゃんとしたベッドで寝られただろうに……。


 お茶を入れ直し、フレンチトーストに蜂蜜をかけて出した。

 うーん、おいしい。

 お腹が空いていたから。

 そういえばウォロとハイレディンは何か昼を食べたのか聞くと、チーズとハムのサンドイッチを昼食に食べたそう。


 ハイレディンがお土産に魔法陣の箱をくれた。

 開けて見ると、上質そうな肉……、これは牛肉!!


「わー、美味しそう!!

 夜に焼いて食べようか!

 ありがとう」

 私はうれしくなって言った。


「ご馳走だな! ありがとう」とウォロもお礼を言っている。


 私はウォロに「お茶飲み終わったら、シーツ掛けて布団取り込むの手伝って!」とお願いする。


 ハイレディンにここで待っていてもらうように言うと「一緒にやる」と……。


「ハイレディンにやらせるわけには……」

「何言ってる、私は上手だぞ」

「えっ……。

 あ、サナの時、やってたか!」


 3人であっという間にシーツをきれいに掛け(私がひとりでやるよりきれいだ)、布団も取り込んでベッドに運んだ。


 私達の寝室の方も3人ですぐできた。


「ハイレディン、ウォロありがとう!」

「自分達で使うベッドなんだから、いいんだよ」

 ハイレディンが笑った。


 ハイレディンとウォロが居間で話をしている時、私は洗濯物を取り込み、畳んで寝室のクローゼットにしまった。


 居間に戻ると「ご苦労様」とウォロが声を掛けてくれた。


「うん、がんばった!」

 私は言った。


  護衛がテントを張って家の前にいるから、我が家にハイレディンが泊まっているのがよくわかるわけで……。

 パトロールの途中から同行すらしてたみたいだし。


「サーブさんとスニフさん、ウォロとハイレディンが仲良くしてたら、驚いていたんじゃない?」

「まあ、びっくりはしていたな……。

 後でうちに夕食を食べに来たいと言ってたけど、来るのかな?」


「えっ?」

 シチューは多めに作ったし、主食もパンとご飯があるし、お肉も頂いたから、何とか量的には大丈夫かな。

 外の護衛さん達にも差し入れしたい。

 皿とスプーンやフォーク、コップなどをもう少し出しておくことにする。


 ウォロが風呂を準備をしてくれ、ハイレディンに最初に入ってもらい、ウォロ、私と順番に入った。

 なんだか寮みたいだな。


 ご飯を炊いて、俵おむすび(そのままと大葉を巻いたもの)を作り、大皿に並べる。

 パンもカットして大皿に乗せて出した。


 そのあたりでサーブさんとスニフさんがお酒の瓶を持って家に来た。


 軽く塩コショウした牛肉をさっと焼いてバターと醤油で味付けした。

 これは小皿に5枚ずつくらい乗せて各自に配ることにした。

 シチューも温めて深皿にスープの様にして各自に出す。


 大皿に焼いた牛肉と俵おむすびの大葉巻きをこの量なら3人で楽しめるだろうというくらい並べる。

 その大皿と3つの深皿にシチューを入れ、一緒に護衛の人達に差し入れした。

 フォークやスプーンは自前のがあるそう。


 スニフさんはウォロやハイレディンに盛んに酒を進めてくる。


「ウォロはやめときなよ。

 まだ16歳で飲み慣れてないし!!」

 私の言葉にスニフさんが「16歳だって、一人前の男だしな」と煽るように言う。


 サーブさんも「少しだけな」と笑って言った。


「明日も仕事なんだからね」

 私はため息をついて、新しいコップを用意した。


「あれ、ネモちゃんは飲まないのか?」とスニフさん。


「飲みません!」

 飲まないよ!

 ハイレディンのこと守らないといけないし!


「飲んで色っぽくなったネモちゃんも見たかったけど……」

 スニフさん、それセクハラ!


「飲みませんっ!!」


 結局、ゆっくりと食事を終えた。

 スニフさんはもう泥酔して寝てるし。

 サーブさんとハイレディンはほろ酔い。

 ウォロも軽く赤くなっていた。

 ノアはご飯を食べるや、私達の寝室に避難してた。

 

 スニフさん、酒に吞まれるタイプね。

 そんなに強くなさそうだし。


 私は残ったシチューを小さな鍋に移し、アイスファイアで冷ましてから冷蔵庫にしまう。

 冷やしておいたぶどうをデザートに出した。


 お肉は美味しくてみんなぺろりと食べて、さらに追加でもう少し焼いたんだよね。

 おむすびは無くなり、パンが少し残ってるくらい。

 

 皿を下げ、洗って片付ける。


 パン、少し堅くなってきちゃったな。

 フレンチトーストにしちゃうか。

 卵液を作り、漬けて冷蔵庫に入れた。


 えーと、スニフさん、このままどうすんだ?!


「ネモちゃん、このまま居間でいいから、寝かせてくれるか?」

 申し訳なさそうにサーブさんが言うので、毛布を寝室の棚から出してきて、外にはたきに行く。

 テントの方にバサバサが行かないように、ちょっと離れて風下で……。

 ウォロが一緒に来てくれていたので、戻る時に護衛に声を掛けられ、空になった皿を渡されお礼を言われた。

 きれいに食べてくれている。

 大葉巻きのおむすびが意外と食べやすくおいしかった! と言われてうれしくなる。


 床の上に毛布でいいのか?

 でも、これから部屋を用意するのはもう無理だし、いいか……。


 サーブさんに「本当にこれで大丈夫?」と言いながら毛布をウォロから渡してもらうが。

「上等上等」と言われる。


 ハイレディンには用意した部屋のベッドに行ってもらう。

 一応、窓には光の粒を飛ばしておいて、何かあったら知らせるように頼んでおく。


 私とウォロは寝室に行ったが……。

 ノアがベッドの上にいて、こちらを見て、床に降りた。

 私はもう一枚毛布を出して、畳んで厚みを出して床に敷いてあげた。

 そのうえで丸くなるノア。


 ウォロは早く寝なさい!!

 私ももう寝る。

「おやすみ」と灯りを落とそうとすると抱きしめてくる。

「もう、いい加減にしなさいよ……」

 低い声で続けて言う。

「今日はおとなしく寝ます!! いいね!」


「……はい……」

 ウォロが小さく返事をして横になった。


 何事も起きなかったようで、光に起こされることなく、次の日の朝を迎えた。

 目覚まし時計のおかげで、少し早く起き出した私は、急いで着替えてから窓を開けた。

 ウォロ、ぐっすり寝てるけど、酒臭い……。

 強い体質みたいであまり赤くなってなかったけど、けっこう飲んだのかも?!

 大丈夫かな?

読んで下さりありがとうございます。

午後投稿する予定です。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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