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25 花祭り(後)

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなっていろいろなジャンルの小説を書くことに挑戦しています。

今回は転生物。そしてじっくり長く書くことに挑戦中です。

現在は魔法学校1年生。転生先を奪った女神である異母姉との対決(?)が続きます。

主人公は自分らしく頑張ります!

ゆっくり書き進めていますので、面白いなと思ってもらえ、お付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくおねがいします。

 飲み物を飲んでいると、セレナとエドワード、オードリーとティエルノが踊り終わって戻ってきた。

 さっき、オードリーはライトと踊ったという。

「じゃあ、ライト私と踊ろう!」

 ライトと踊って、戻り、ティエルノと踊った。


 戻ってくると、知らない上級生にダンスを申し込まれたけど、少し休みたいのでと断った。

 では約束をと言われて困っていると「次は寮が同じ俺と約束してるんだ」とエドワードが助けてくれた。

「ありがとう」

「踊り続けだもんな。パレードもあったし」

「歩いた距離はみんなと変わらないよ!

 次の曲で踊りに行こう!」


 踊っているとまたオーサム先生が来た。

「次の曲でステージに上がれ」

「……私2回目ですけど」

「いいから、上がれ」


 エドワードがダンスを止めて言った。

「嫌ならいいよ」

「嫌じゃないけど……、セレナに悪いな」

「セレナはそんなこと思わないと思う」

「そう? じゃあ、行こう」


 私とエドワードがステージに上がるとまた注目を集めてしまう。

 そうだよ、ついうっかり忘れていたけど、第2王子だったよ。


 ステージ上でアリスと目が合った。

 すごく恨みがましい目で見てくるけど、ステージに上がれって先生に言われたんだからな!

 私の困ったような表情を見たエドワードがアリスの視線に気がついた。


「主役を取られちゃったもんな、ネモに」

 ぼそっと言われて、驚いてエドワードを見る。

「気がついてる? 

 今日の本当の花の女神はネモだと思っている人の方が多いと思うよ」


 ホールドの体勢になり、曲に合わせて踊りだす。

 ウォロとはまた違う優雅な感じのリードだよね。さすが第2王子!


 最初のころと比べると本当に優しいリードになったよね。

 だからダンスもとても余裕があるし、優雅さが格段に増している。

 ダンスが終り、前の4年生の前で踊った時のように、右手を繋いだままふたりで腰を落とすお辞儀をする。

 戻る時にクイッと右手を引かれてくるっと回されて、エドワードの腕の中に同じ方を向いて納まるはずがちょっとよろけてぶつかりそうになってしまった。

 思ったより疲れてきてるかも……と思って、エドワードの方に少し振り向きながら「ごめん、ぶつかりそうにな……」と言いかけた時、私の頬にエドワードが軽くキスした。

 えっ?

 びっくりした私が目を見開いていると「驚きすぎ」とエドワードが笑った。


 いや、これ、全会場の女生徒を敵に回してしまったかもしれん……。

 そしてエドワード、あんた、ウォロに何されるか……。


 ステージから降りるとティエルノが待ち構えていてエドワードを連れて逃げた。

 うん、それが正解だよ。


 ウォロの所に行くとやっぱりかなり不機嫌だった。

「気を付けるように言ったよね!」

 私を見るなり言う。

「ごめん、あんなことになるなんて思わなかったよ」

「油断しすぎなんだよ!」

「たぶん、ありがとうぐらいの気持ちじゃないかな?! ね?」

「……ま、そういうことにしておこうか……」


 セレナと一緒にトイレに行った。

 出てくるとトイレの出入り口の近くでセレナとアリスが立ち話をしている。

 アリスに近寄りたくなかったけれどしょうがないのでそちらに行く。


「エミリア、ずいぶんダンスが上手になったのね!

 たくさん踊って疲れたでしょう!

 ちょっとお願いしてもいいかしら?」

 出たよ、お願い。なんだ?


「イヤリングが壊れかけてるので替えを取ってきて欲しいの。

 寮の私の部屋の机の上にイヤリングの箱があるから、お願いね!」

「ごめんなさい。

 私、4-1寮がどこにあるかわかりません」

「地図見ればいいじゃない!」

「今持ってないし」


 その時、近くにいた男子生徒が「俺が連れて行こうか?」と声をかけてきた。

「そうね。お願いするわ!

 1寮まで連れて行ってあげて!」

 アリスが面倒くさそうに言った。

「4-1寮の方ですか?」

 男子に「そうだよ! 行こう!」と返事される。

「セレナ、ウォロが心配すると思うから、アリスの用事で4-1寮にお使いに行ったと伝えておいてくれる? お願いします!」


 私は4年の男子と歩きだした。

 4年の寮は1年と反対側なんだな。

 途中でふたりの男子生徒(話しているからたぶん4年なんだろう)が合流して一緒に行くとなった。

 なんか、変だな?


「1年のネモちゃんだっけ?

 アリスの妹なんだろ?

 それだと名前はエミリアじゃないの?」

「贈名がネモフィラなので、友達はネモと呼んでくれます」

「あ、噂の悪役令嬢エミリアとは違うよって思いたいとか?」

「そういうわけじゃ……」

 なんだ失礼な人達だな。本当に1寮?


 到着した寮の表札は4-3だった。

「ここ違います。4-1寮に用事が……」

 言いかけて悟った。あ、これ、アリス何かしたな。

 走って逃げようとするが3人を振り切るのはさすがに難しく捕まってしまった。


「威勢がいいね~!

 そういう子も嫌いじゃないよ」

 ぞわぞわするような口調で気持ち悪いこと言わないでくれ!

「きれいな金髪だな」

 髪に手を伸ばされ頭をのけ反らせて抵抗する。

「触るな!」


 じたばたするが寮の中に連れ込まれてしまった。

 

 ウォロにまた『油断しすぎなんだよ!』とか言われるんだろうなあ……。

 1対1ぐらいならなんとか逃げ出す自信はあるが、3対1はきつい。

 魔法でぶっ飛ばすにしても、相手も複数の魔法持ち。3人相手じゃどうなるか。

 しかも寮の中じゃ、寮破壊してしまうよね?!


 どうしよう……と思っていたら、一番先に寮の中へ入った4年の男子生徒のひとりが倒れた。

「おい、どうした?」と言いかけた男子も、私を捕まえていた男子も倒れて……。

 これはチャンス?

 逃げなきゃ!

 玄関の方へ行きかけたがドアの手前で急激に身体が重くなり、動けなくなる。


 これ、眠くなっている?

 あれ?

 これ、闇魔法、では?

 睡魔と戦いたくても何もできず、吸い込まれていくような感覚……。


  

 息が苦しくなって咳き込んで目覚める。

 ウォロとエドワードが寝ている私を抱えるようにして覗き込んでいた。

「大丈夫か? 今、闇魔法の耐性が上がる薬を飲ませたから」

「あ、ありがとう……」

「まだパレードには間に合う。行けるか?」

 ウォロの言葉にエドワードが声を荒げる。

「こんな状態なのに行かせるのか?!」

「最後までやり遂げる。アリスに何も言わせないんだろ?」

 ウォロの言葉にはっとする。

「うん、行かなきゃ!」

 

 ウォロとエドワードが助け起こしてくれて、歩き出すとだんだん身体も頭もすっきりしてきた。

「あれ、闇魔法だったの?

 急に眠くなって……」

「うん、あいつらぎったぎたにしてもいいんだけど、表沙汰になるとネモが男子に連れて行かれたことだけがまた噂にされそうだから、眠らせた。

 でもネモが出てきてから、さらに強力にかけてやった。

 3日間は起きないと思う」

「それは十分ぎったぎたに近いのでは?!

 エドワードも助けに来てくれてありがとう!」

 私はエドワードにもお礼を伝えた。

 頷いてくれる。


 講堂の玄関に3人で入るとアリスとアンドレアス第1王子、付き添いの5人、オーサム先生とライトがいた。


「アリス! ごめん、イヤリング取って来られなかった! 

 アリスがあの人4-1の人だと言ったけど、違ったよ?」

 

 アリスがあわててアンドレアスを見た。アンドレアスとオーサム先生は厳しい表情をしている。


「ネモ、無事でよかった!」

 ライトが走り寄って来た。

 あれ、ティエルノ、セレナ、オードリーは?

 私がきょろきょろ見回して不思議そうな顔でライトを見た。

「セレナが倒れて。

 みんなセレナについて保健室に行った。

 僕もネモが無事だったこと知らせてくる!」

 ライトが飛び出して行った。


 なんでセレナが?

 

 わけがわからなくてアリスを見ると怒った顔をしている。

 オーサム先生が「では最後のパレード行けますね!」と言って手を叩いた。


 私は花束を持って馬車の最後から歩いて行く。

 後ろからウォロとエドワードが見守ってくれていたので安心して歩けた。


 門の手前のスタートした地点でパレードは終了。

 私は花束を馬車から降りたアリスに渡してこれで終わり、なはず!


 付き添い役だった6人で挨拶をして……、これで本当に終わり、だよね。


 私はウォロとエドワードの元に走り寄った。

 セレナが心配!!

読んでいただきありがとうございます。

花祭りは何とか終わりました。

とりあえずアリスが仕掛けてきたことは1寮のみんなのおかげではね返せたかなと思います。


ネモが見ていない間のことを次の2話を使って書きました。

今までのちょっと違和感があったところがそこで説明できるといいなと思ってます。

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