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256 みんなでハラル山調査

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。



 朝、騎士団の本部前にノアを上着の中抱っこして集合する。

 一応、カバンは身につけ、長剣は馬に積んでもらう。

 

 マイベルが馬に乗るのはたぶん初めてだと思うので、レイモンドと一緒に、乗る、降りるを練習してもらい、見守ってアドバイスした。


 サーシャとエドワード、ライトとティエルノは大丈夫だろう……。

 ダリルがあまり馬に乗ったことがないと急に言うので、ミカとランスで見てもらったところ、全くの未経験ではないので大丈夫そうだという。

 もっと早く言ってくれれば練習の時間作ったのに……。

 周りの友人がほとんど乗れる(まあダイゴとライトは早々に乗せてもらうとしてたけど)から、言い出しにくかったみたい。

 

 まあ、実際に乗って慣れるのが一番上達が早いよね。


 生物学博士、地学博士、環境学博士にも久しぶりにお会いした。


 生物学博士に「本、読みました。すごく良くわかりました」と声をかけた。

「読んでくれて、ありがとう。

 サーザは……。

 いや、学者としては同士だが、やってしまったことは取り返しがつかないからな……」

 生物学博士は自分に言い聞かせるように言った。


 ダンテとマキシムさんの号令で私達は出発した。

 

 マキシムさんもハラル山の話を聞いて見学してみたいと思ったんだって。

 ダンテの馬にはカノンが乗っている。


 皇宮を出て南の方へと進む。

 馬に慣れていないマイベルやライトもいるので、途中休憩を入れることになっている。

 

 休憩で、マキシムさんが私とウォロの方へ来た。

「結婚、おめでとう!

 4月だっけ?

 何度か顔合わせてたのに、ゆっくり話する機会がなくてな。

 16歳同士の結婚か。幸せそうだな」


「ありがとうございます。

 マキシムも婚約者がいるんだから、そろそろじゃないの?」

 ウォロがお礼を言いつつ返事をする。


 婚約者である彼女がまだ若いから結婚を先延ばしにしているって言っていたっけ?!


「4月にダンテから聞いて、彼女に話をしたら、もう早く結婚しようと迫られて……。

 お前ら、俺の決意を揺るがしやがって……」

「結婚すればいいじゃないですか?!

 あれ、もう18歳になるんじゃ?」

 私が笑って言うと「ネモに話したことあったか?」と返される。


 は……、私寝たふりしてたんだった。


「やっぱり、あの時……。

 まあ、いいや。

 そう、彼女が18歳になったんだが、彼女の兄の結婚式が急遽決まり先月あってね。

 少し間を空けることになり、9月に式を挙げる予定だ」

「わー、それはおめでとうございます!!」

 微笑んでお祝いを言う。


 次は湖のほとりの新しい村まで休憩なしで行くとのこと。

 特に問題なく、新しい村に到着した

 村長達も元気そうだ。村長の息子のお子さんとお嫁さんも元気そうで良かった。


「あの後、熊魔獣が出て大変だったとお聞きしました。

 退治してくださったそうで……、本当にありがとうございます」

 お嫁さんが言ってくれた。

 

 いえいえ、家を壊されてしまい申し訳なかったです……。

 私の魔法で壊れたところもあるんだけど……。


「今日は前の村の様子も、うちの人がご一緒させていただき、見てくることになっています。

 どうぞよろしくお願いします」

「ここでの暮らしはどうですか?」

「前とはかなり違う生活になりましたが、住みやすい場所ですね。

 最初は魚を獲るのに苦労しましたが……、今では慣れました!」


 その言葉を受けて夫である息子さんが言った。

「今日、見に行って危険がないようなら狩場として元の村を使えないか見てくるつもりです」


 元の村へみんなで向かう。

 途中でマッちゃんが私を守って戦ったあたりくると、そのことを思い出して鼻の奥がツンとして、目が熱くなってきた。


 マッちゃん、あの時は助けてくれてありがとう……。

 

 涙が滲んだ。

 視界がぼやける。ウォロとふたり乗りしていてよかった、と思った。

 

 村まで来た。

 熊魔獣に壊された馬小屋などはもう残骸になっていて、家もあちこち壊れなんとなく色あせた感じで残っていた。


 念のため光を放出し周囲を探索する。

 

 うん、危険なことはなさそう。

 大きな動物の気配もない。ガスが噴出していた沼も落ち着いてきている様子。

 まだ水は少ししか戻っていない。


 特に危険はなさそうでも、必ず複数人で行動して下さいと、私は博士達に伝えた。


 村長の息子さんに家の中で座ってゆっくりと周囲の探索をさせて欲しいとお願いして、壊れかけた家に入る。

 私は敷物を引くと、その上に座って光を地下に向かって放出した。

 久しぶりにノアの光に会えた。

 そのまま下へ下へ地中を下りていく。


 カノンとウォロとダイゴが左手を握り、クラウス先生とレイモンドとマイベルが右手の指を握っている。

 

 エドワードとサーシャとミカが左腕に触れている。

 ティエルノとダリルが右腕に触れている。


 私は早めに視界の共有を始めた。

 聖域である橄欖石のドームの空間に到着した。

 

 明るい光魔法の粒が空中を飛び交っている。 

 地面からも上からも綺麗な黄緑色の光がキラキラしている空間を、様々な色みの光魔法の光が飛び交い、聖石に触れると浄化され、輝いて、また飛び出していく。

 

 うん、大丈夫だ。

 けがれもほとんどない!

 でも、せっかく来たので、少し黒ずんでいる所を見つけては浄化して行く。


 ノアの光が飛んでいくのを追いかけていくとグラードがいた。

 

 聖石の明るい黄緑の光の中で、何か歌を歌っているかのような呼吸の音が響いている。

 

「グラード寝てるの?」とカノン。


「そうだね。

 何か夢を見ているみたい」

 私が答える。


「大陸作りの歌じゃないか?」

 エドワードが言う。


 そうかも! 同じメロディーを繰り返し繰り返し……。


「カイオーも、もしかして、今、同じ夢を見ているのかも。

 そこで繋がっているのかもしれないな……」と私は呟いた。


「グラードかわいいね。前は悲しそうだったけど、今は安心してるね」

 カノンが優しく言った。


「邪魔しちゃうといけないから、これでおしまいにするね」


 私は意識を自分に戻した。

 周りのみんなも息を詰めていたのか、ほっとした様子。

 

「とりあえず……、この村の周囲は大丈夫そうだな」とウォロが言った。


「うん、沼の様子と吹き出ているガスがどんなものかによるけど。

 噴火の危機は下がっているね!

 聖域の状態も安定してて瘴気もなくなったから、あとは地上のけがれ、瘴気だまりみたいなところに気をつければいいんでは?」


「瘴気だまり?」

「今まで地中のけがれが地表に出ちゃってたところとか、魔獣が死んだところとか。

 魔獣が死んで浄化しないままそこで朽ち果てるとその地がけがれるって、瘴気が少しだけどたまることがあるって。

 魔石持ちだと厄介だけど、今回の研究で寿命で死ぬと魔石は効果がなくなるみたいだから………。

 それぐらいなら、早めに浄化できれば大丈夫じゃないかな?」


「そうだな。村に浄化薬を常備しておくといいな」

 ダイゴが言ってくれる。

「うん、そうだね! 村長宅に置いてもらおう!」


 ドアをがたがた言わせて博士達が入ってきた!


「地下を観に行ったのか!!」

 地学博士が叫んだ。

「グラードが観たい!!」

 生物学博士が言った。

「すみませんねえ。できれば私も見たいです」

 環境学博士が申し訳なさそうに言った。


 こうなるからあんまり博士達に見せたくなかったんだよ……。


 私にはウォロとクラウス先生だけ付き合ってくれることになり、みんなは周囲の散策に出掛けた。


 ノアもカノンと外行っちゃったよ。

 私も外行きたい……。

 でも、研究に協力しなきゃ、だね。


 私は聖域に残してきた光に意識を集中させた。


「橄欖石をもっと近くで!」

「グラード以外には生物の痕跡は?!」

「マグマの様子を見れますか?」

 博士達は自分の見たいものばかり、我先に言うのでうるさい!!

読んで下さりありがとうございます。

午後投稿する予定です。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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