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167 魔道具の権利

PV50000、ユニーク10000。

いつの間にか達成してました!

どうもありがとうございます。

自分で決めたゴールに向かってゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 ノアに少し出掛けるね、と声をかけクラウス先生の研究室に行く。


 まず魔道具の電撃を見せてもらう。

 前世の世界ではふたつのシート状の電極をショックが確実に心臓を通るように胸の真ん中と左の胸の横に貼るという話をしていたので、いろいろ工夫してくれてたみたい。

 確かにこれは心臓に使うから、調整が大変だよね。

 今度キャサリン先生や医師に見てもらい、これからも調整を続けるとのこと。


 その前にショックを弱めにしてさらに広範囲に出したり止めたりを繰り返すシート状のは作ることができ、身体のリハビリ訓練などの方で使い始めてくれてるそう。

 

 魔石への補充もお願いされる。


 それからウォロの魔法陣の箱について。

 魔法研究所でも話題になっていて、様々な使い方が提案されているそう。

 そこで研究所が魔法陣が見えない加工(マネ防止のため)をして作成することになったそう。


 ただ、時間が遅くなる、空間が遮断されるという特性のため、人が入ったら危険(実際に私の誘拐で使われ、行方を追えなくなっているので)ということで、大きさは最大でも人が入れない大人が抱えられるくらいの中くらいの箱サイズとなったそう。

 

 すでに魚や果物、野菜などの生鮮食品関係、物流関係の商会から問い合わせが来ているそう。


 ウォロは魔道具職人として王国の魔法研究所に登録しているので、アイデアを研究所に貸し出すような形にしたという。


「改良したところもあるけれど、元はホウエンのハイレディン商会の箱だしね。

 少しだけ改良アイデア料をもらうかな、ぐらいにした」

 ウォロがそう教えてくれた。


 その後、私だけラボに戻り、薬作りやベース薬の仕込みをする。

 ノアは寝床から私のすることを見ていたり、時々手元を覗きに来たりした。

 

 途中、オードリーとエドワードが来た。

 ティエルノは? と聞くと、エリザベスとデートだってさ!

 

 私が思わず「いひひ」と笑う。

「なんつー笑いかたしてんだ?!」とエドワードに言われた。


「いや、なんかセレナとライトは違う……。こうなんていうかこそばゆい気持ち?」


 お昼にウォロも戻って来て、みんなで昼食を食堂に食べに行く。

 テラス席にすればノアも行けるし。


 見ていると庭の方を跳びはねたり、草と戯れたりしていた。


「ずっと見ていられるわ。かわいいね」

 オードリーが微笑んで言う。


 1年生の女子達がノアに近づき声をかけている。

 どう反応するかな? と思って見ていたら、おとなしく頭を撫でさせていた。


 エドワードがちょっとイラっとしたように「女子だと撫でさせるのか?!」と言った。


「いや、たぶん、あの子達が猫の扱いに慣れてんだと思う」

 私はそう言っておいた。


 食べ終えて食器を下げ、またラボに戻ったが、カリカリを少し食べ、水を飲むとまた外に行きたそうなそぶりを見せる。

 エドワードとオードリーが散歩させてきてくれると言うのでお願いした。


 私とウォロは出来上がった薬を木箱に詰めた。

 病院のとミーアの分と。


「大使館に連絡するなら行ってきていいよ! ここで待ってるし」

「あ、今はやめとく」

「急ぎではないの?」

「あー、うん。まあ、そんなとこ」

「……病院へは今度の休みに行くけど、もう自主練も始まるし、一緒に行かないかな?」

「一緒には行こうと思ってる。

 それで……、今夜、またラボにノアを見に来るだろ?

 その時に一緒に来ていいか?」

「うん、一緒に来てくれるならうれしい!

 ラボの中だから大丈夫と思うけど、夜にひとりは寂しいし」

「うん」

 

 何か言いたいことがあるけれど、我慢しているような……感じ?


 その時、オードリーがドアを開けた。

「じゃーん! 見て!」


 オードリーの後からノアを抱っこしたエドワードが入ってくる。


「すごい、抱っこさせてくれたの?!」

 私は驚いた!

「だいぶ慣れてくれてさ。

 こう慣れるとかわいいな。猫って」


 エドワードの手からすとんと床の上に落ちるように降り、私の方に来たノアをウォロが抱っこしようとして逃げられる。


「ククッ!」

 エドワードが笑いを我慢するが漏れてしまったような笑い声をあげた。


 ウォロが苦虫をかみつぶしたような顔をしている。


 なんだ、ノアのことで張り合いが始まる……んじゃないだろうな?!

 私に黙って、勝手におやつとかあげないでくれよ!!


 夕方になり、一度、ラボの鍵を閉め、食堂に寄り夕食を受け取り、寮に帰る。


 ティエルノも無事に帰って来て、機嫌がいい。

 デート楽しかったんだな。うん。


 そんなティエルノを横目で見て「来週の休みは王城で自主練だな」というエドワード。


「あ、でも、エリザベス、自主練見に来たいって言ってたよ」

 私の言葉に笑顔が弾けるティエルノ。

「ほんとに?!」

「うん、前に剣に興味があるって言ってたから。家の方で授業を取るのはダメと言われちゃったそうなんだけど、自主練に来たら? と言ったら喜んでたから、誘ったら喜ぶと思うよ!」

「うん、そうする!」

 ティエルノ、なんかかわいい……。


 私はエドワードを見て「いひひ」と笑ってやった。


 セレナとライトも帰って来て、夕食を食べているとウォロの部屋のドアが開いてノアが現れた。

「本当にひとりで行き来できるんだ!!」

 私はびっくりした。


「ああ、魔法の流し方見てて覚えたんだろうな」

 ウォロが呆れたように言った。


「ノア、すごいな!!」

 エドワードが声をかけると「ニア」と返事している。


 夕食を片付け終えて一息つく。

 ソファでエドワードと一緒に座っているノア。

 なんでこんなに仲良くなってるの?!


「ノア、ラボに戻ろうか!」

 声をかけるがエドワードがノアの顎下をかきながら「もう少しいいじゃん」と言う。


「じゃあ、ノアのトイレとか水とか点検してくるよ。いつ帰っても困らないように。

 ウォロ行こう」


「ウォロも行くの?」

 オードリーが言った。


「うん、夜、ラボでひとりは寂しいから頼んだの」

 私が言ってウォロの部屋に入るとウォロが何やらカバンを用意していてびっくりする。

「ん? カバン? 外出するの?」

「いや、念のためと言うか……。行こう」


 ふたりで魔法陣の上で抱き合ってラボに転送。


「おお、ふたりでも全然大丈夫だね!」

 私が魔法陣からぴょんと出て笑う。


 ノアのトイレの掃除、水の入れ替え。カリカリも少し足す。

 肉も少しあるんだけど、明日の朝のごはんにしてやるか。


「お待たせ、終わったよ」

 帰る前に鍵を確認し、部屋の明かりを消した。

 

 暗がりの中、ちょっと緊張した表情でウォロが立ち上がった。


「ネモ、前に誕生日のプレゼント考えてるって言ったの覚えてる?」

「うん、まあ、覚えてる。私も聞いたけど、リクエスト、何かないの?」

「それはまた今度。今は自分からのプレゼント受け取ってくれる?」


 ウォロはラボの少し広い床の上に進み出ると私を呼びよせ「抱きついていて」と言った。

 光魔法で床に魔法陣を転写し、空欄だった場所に転移の古代文字を書き入れる。


 そしてもうひとつ、これは空中に転写し、転移先として『D』の文字を入れた。

 その魔法陣がラボの外へ壁をすり抜けて飛んでいくように消えた。


 私はウォロに抱きつく手に力を込めた。

 これって、古代魔法フープの術式?!


 ウォロが私を固く抱きしめる。

 周囲の景色が溶けると同時に足元がふわっと浮いたような気がした。

 私は思わず目をつぶってウォロにしがみついた。


 しばらくするとトンと足が地についたような感覚がして周囲の景色がはっきりしてくる。


 そこは、そこは……。


 私の家の庭だった。

 ダナンの?!


 ジョシュア兄様とハロルドが庭のベンチにいて、立ち上がるのが見えた。


「えっ?」

「うん、ダナンに転移できた」


「ウォロ、ネモ! 成功したようだな。

 ウォロ、頼まれた魔石はここに埋め込んだんだがこれで大丈夫だったんだな」

「ジョシュア兄さん、ありがとうございます。大成功です!!」


 って、何? 初めての実験だったわけ?!


「ウォロ、ぶっつけ本番?! こんな大掛かりな大実験?!」

「うん、大掛かり過ぎて、誰にも言えなかった。

 でもまあ、ネモとふたりなら、どこかに飛ばされても何とかなりそうだったし」

「ははは、まあ……そうだね。うん。ウォロがひとりで行っちゃうよりはいい、うん」


 家の中に入り、お茶を飲みながら話を聞いた。

 兄様は魔石を家の庭の真ん中に埋め込むよう頼まれていたんだって。

 それで、今日の夜と決めていて、転移魔法の実験を行ったわけだ。


 ウォロによると座標は新たに設定するにしても、その場所ごとに調べて書き出す作業が必要になるため何かいい方法はないかと考えていたそう。

 私のノートを読み、マッちゃんによく使う場所は細かい座標を記号に置き換えて覚えてしまっておけばいいと言われて、ひらめいたそう。


 魔石に簡略化した記号を入れ込んで目印にして、それを目指して転移すればいいのでは? と。

 

「じゃあ、ダイゴに頼んだのは……、ミーアの皇宮?!」

「うん、来週の休みの日の夜、ミーアに転移してみるから」

「……だから、大使館に連絡しなかったんだ……」

「うん、来週、直接持って行った方が早いでしょ?」


 それはそうなんだけど。

「は、これはノアが追っかけてとかはないよね?!」

「それも大丈夫。光魔法で魔法陣描いて、と言うかネモの考え方でコピーっていうの? それを1回きりのだから、もうその場に魔法陣は残らない。帰るのはまた書かないといけない」

「えっ、帰りは?」

「寮の後ろの庭に『S』の魔石が埋めこんである」

「えーっ!! いつの間に!!」


「すごい魔法の術式発明だが、これはどう発表するんだ?!」

 兄様が心配そうに言った。

 そうだよね、マッちゃんも魔道具フープを戦争に使われそうになって封印したんだし。


「しばらくは内緒にします。今、発表しても、使えるのは自分と……、練習すれば、ネモもいけるかな?

 しかも2、3人の転移が限度だろうし。

 でも、これでマッちゃんがフープを使うという不測の事態になった時、ミーアの皇宮か、王国の学校か、ダナンのこの家にたくさんの人を避難させることができるよ」

 

 私はここにたくさんの人が光の輪を通って転移してくるところを思い浮かべて驚いたけど、頷いた。


「ま、そん時はそん時だね」

読んで下さりありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いします。

昨日、親子でキングダム(4になるのか?)を観てきました。

いろいろな剣や武具が出てきて、剣の振り方とかスタイルとか面白かったです。

ここのところ、毎日1話投稿になっていますが、また2話投稿できるように頑張ります!!

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