158 ランスの秘策
悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。
ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
「だからなんでランスがいるんだ!!」
エドワードが寮に帰ってくるなり言った。
「王城と魔法学校の連絡係としてね」
「それはわかるけど、なんでうちの寮にいるんだよ」
「ライトの飯もうまいし、みんなと仲いいからね。俺」
「仕事っていうより遊んでるんじゃないの?」
ウォロの言葉に首を振るランス。
「一応、スクールカウンセラーという仕事もあるのだよ。
何か相談はないかな?」
「それならネモとエドワードすればいいじゃん!」
ライトが言う。
ライトはランス好きだからな。
ランスはうーん、頼りになるのか?
まあ、私達よりはなんかいい考えを思いつくかも?!
「なんかあるのか?」
「あ、ミカも一緒の時でいい?」
「ミカ?」
「俺、呼んできてやるよ。ダリルを呼ばなければ大丈夫そうだろ?」
ティエルノが出て行った。
私達は部屋着に着替え、ライトと夕食の準備を始めた。
ティエルノがミカを連れて来た。
「ミカは今日こっちで食べることにしてきたよ」
「わかった! ランスもだよな?」
ライトの言葉に「もちろん!」と返事するランス。
ミカにランスがスクールカウンセラーの仕事もしているのでいろいろ相談できることを話し、相談するかミカに相談しようと思ったことを話した。
「相談する相談って!」
ミカが笑った後、「スクールカウンセラーなら、先生と同じ立場だし、守秘義務もあるしいいんじゃないの?」と言った。
ということで、ミカと私とエドワードとウォロ、オードリーが相談し、ライト、セレナ、ティエルノが聞いている感じになった。
「ふーん。そんなことになってたんだ。
ネモすげえな。女子にももてるとか!」
「笑いごとじゃないよ!
友達として好きならいいけど、そういう感じでだと……、困る……」
「いつもみたいにぶった切ればいいじゃん」
「言ったよ! ウォロと婚約してるし、ウォロだけだって。
それなのに、それでもいい、隙あれば割り込むって言われちゃったら、戦うしかないでしょ?」
「ふーん、で、ネモとエドワードに……、エドワードにはかなり打算がありな感じでちょっかいというかアピールしてくるってことだな……。
本当はネモが好きなんだもんな。目の前にいたらキスしちゃうくらい……。
婚約者がいても、親友のエドワードとオードリーがいても、いいか……。
すげーな。身体目当てな男みたいなこと言ってるな。
そのうち1回だけでもいいからとか言ってきそうだな」
「何、それ……」
「うーん、サーシャって、アルテイシアの時、の2年の女子だろ。今は3年か。
けっこうかわいい感じなのにきついしゃべり方してた?
アルテイシアには反感持ってそうだよな。
嫉妬させて……、うん。揺さぶりにはなりそうだな。
ネモ、アルテイシアの教育担当任せていいか?」
「……え?」
「その顔は嫌って感じだな」
苦笑するランス。
「当たり前でしょ!! 何考えてるのよ!」
オードリーがランスに詰め寄る。
「まあ、落ち着けって!
アルテイシアも、そろそろ学校に戻らないと退学になる。
王城でもだいぶ落ち着いてきてるよ。
まあ、完全にというわけではないが……。
で、週の半分だけでも復学させようっていう話があって、アルテイシアの教育係を誰か魔法が強い学生に引き受けてもらわないといけないんだよな。
ネモと……ウォロは……ネモが嫌なんだっけ、じゃあオードリーと一緒とか。
で、ここからはサーシャの話ね。
大好きなネモが大嫌いなアルテイシアと一緒にいるのは、どう思う?」
「羨ましいとか?」とセレナ。
「アルテイシア、ふざけんじゃねえぞ! とかかな?」とライト。
「うん、アルテイシアに関心が向くと思うんだよね。
かなりイライラするだろうし。そこで何かトラブルを起こしてくれれば、現状も変化するだろうし、学校もこちらから訴えなくてもトラブルに気がつくんじゃないかな……」
うーん、アルテイシアか……。
「一度、会ってみないと何とも……」
私が絞り出すように言うと、ランスが笑った。
「マリアとメイド長のおかげでだいぶ話はわかるようにはなってきていると思うよ。
じゃあ、ネモとオードリーが教育係を引き受けてくれたってことでいいかな?」
「必要なら、俺も入れておいて」
ミカが言った。
「そうだな。ウォロとエドワードはダメだし……。ミカに頼んでいいか?」
「うん、人が多い方が良さそう」
「ありがとう。で、ネモとアルテイシアが仲良くしていれば、サーシャは不機嫌になるだろ?
エドワードにどう出るかだな。楽しみだ」
「なんだよそれ!」
エドワードがちょっと震えた。
「ランス、本当に陛下に似てる……」
私が呟くと、エドワードが大きく頷いた。
アルテイシアはランスが学校にいる期間と同じに日曜日の午後に学校に来て、日月火水だけ教職員の部屋で泊まり、木金土は王城に戻り、メイド長やマリアに勉強など見てもらいつつ、メイドの仕事などをするそう。
授業はランスやカトレア先生、クラウス先生がサポートでつくが、休み時間や昼食、放課後など一緒に過ごすのが教育係の仕事というわけ。
日曜日の夕方にアルテイシアを連れてランスが学校に来た。
まっすぐ3-1寮に連れて来たのでびっくりした。
アルテイシアが来て、3-1寮に入り、ネモが教育係だという情報が一気に広まったそう。
ランスが何かしたんだろう……。
アルテイシアは確かに姿からしておとなしめにはなっていた。
緩やかにカールさせてふわふわにさせていたロングヘアから、いきなり長めのショート、ボブとか言うんだっけ? な髪型になっていて、見違えた。
ただ、やはり私には何かしら思うところがあるようで……。
「ネモのせいばかりにしたのは悪かったと思っています。ごめんなさい。
でも、やっぱり、……なんか好きになれない。これはしょうがないですよね?!」
「……うん、そういうのはあるよね。
私もこれまでのアルテイシアは好きじゃないから。
ただ、せっかく教育係ということになったので、お互い少し知り合ってみる努力をしよう」
私は手を差し出した。
アルテイシアが怪訝そうな顔をする。
「握手、しよう」
アルテイシアが怖がる。
「もしかしてびりびりするつもり?!」
「しないよ。攻撃する時にしかしない。だから私に攻撃させないで」
しぶしぶ私の手を握るアルテイシア。
「自己紹介がてらに私の光魔法を送るね」
手を引っ込めようとするアルテイシアに私の光魔法を送る。
黄色い元気な光達がアルテイシアの中に入って行く。
うん、けっこうすんなり入れるな。聖魔法持ちだし、抵抗されると思った。
「あ、気持ちいい……」
素直にそう呟くアルテイシア。
「アルテイシアも送ってくれる?」
こくりと頷いて、アルテイシアの光が私の中に流れてきた。
きれいな光。ちょっと弱々しいけれど、乳白色の中に虹の光がきらめくようなあたたかい感じの光だった。
「アルテイシアの光、きれいだね。とてもあたたかい感じのやさしい光だね」
私の言葉にうれしそうな表情をする。
「光魔法のこと、もっとネモに教えて欲しい」
アルテイシアが言った。
急にしおらしくなったな?!
びっくり?!
光魔法ってそういう効果もあるのか?
読んで下さりありがとうございます。
ランスに考えさせようと、この回はタイトルだけ考えて半日放置したら、ランスがアルテイシアのことを言い出してくれて、そろそろ復学させないと! と気がつきました。
ランス、ありがとう!
これからもどうぞよろしくお願いします。




