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152 魔法陣の勉強

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。



 ミュラー伯爵の屋敷に向かうのは9名。

 ずいぶん大人数で押しかけちゃうけど大丈夫なのか?!

 ライトが大丈夫というので……。

 ミュラー伯爵家の馬車にライト、セレナ、オードリー、ミカが乗り、王家の馬車にエドワード、ティエルノ、ランス、ウォロ、私が乗り込んだ。


 馬車の中で昨日のカルタロフ伯爵についての話をランスにされた。


「ネモ、許しちゃうんだもんな……」

「いやいや、私、ほとんどその攻撃受けてなくて……。

 したことはひどい攻撃だと思うけど。

 内容知ってるのマッちゃんとランスとカトレア先生ぐらいだから。あと本人か。

 ホウエンでは私のことを助けてくれたし、お父様と友達になったそうだし、もうそういう対象としては見ないし攻撃してこないと思えたから」

「あ、お父様みたいな感じなの? 

 カルタロフがウォロに似てるって言ったら赤くなってたから、なんかそういう気があるのかと」

「どういう気だよ?! 

 お父様の友達なら頼っても大丈夫かな、頼りがいはあるなとか、確かにウォロに似ているから……、ちょっと心を許しちゃったところもあるけど……」


 エドワードが言った。

「ウォロに似ているとって……、どんだけウォロが好きなんだよ」


 ランスが思い出したように言った。

「そういや、ミカもウォロに似てるから気に入っているんだよな」

「いや、ミカは私にも似ているから……」


 ウォロをちらっと見た。

 なんか変な話になっちゃったけど……。


「カルタロフと自分は違うから。確かに従兄弟同士であるけど……。

 ネモが自分に似ているという人を気にかけてくれるのはうれしいような、でも心配でもあるな」

 ウォロが淡々と言った。

 淡々と言いながら私の背中に回して腰のあたりに触れていた手がギュッと力が入り抱き寄せられそうになる。

 ここは馬車の中で、みんないるし!

 ウォロの太腿に手をついて抱き寄せられないように静かに抵抗する。

「わかった。気をつけます」

 ウォロの目を見て言うと手を緩めてくれてほっとした。


 ミュラー伯爵のお屋敷、とても美しいよね。

 私はワクワクしてきた。

 マッちゃん関係のどんな資料があるんだろう!!


『楽しみだな。魔法陣の資料があったら、ネモに説明してやるからな!』

 久しぶりにマッちゃんの声が聞こえた。


 ミュラー伯爵はたくさんで押しかけたのにもかかわらず、とてもうれしそうに歓迎してくれた。

 挨拶して、私達は資料室に案内してもらった。

 セレナとオードリーとミカとティエルノは屋敷の中をライトに案内してもらうのだと、出て行った。


 ミュラー伯爵とウォロ、ランスが魔法陣や魔道具のことを話している。

 

 私とエドワードは昔の魔法陣について書かれている古い書物を伯爵家の執事に出してもらい眺め始めた。


「ネモ、読めるか?」

「うん、この魔法陣は……、転移魔法陣だね。

 今でも、小さい物、緊急の連絡方法として使われてるんだもんね。

 ふたつの魔法陣の間を行き来できるわけで……」

 なるほど、発動条件を使う頻度や必要性によって変えるんだ。


 マッちゃんのフープの封印魔法陣は贈名持ちの血が必要となってたから、かなり厳重な封印としての意味があったんだな。


 魔力を流すぐらいにしておけば、一度作成して整備を続ければ、使い続けることができるわけで……。


「ネモ?」

 エドワードに声を掛けられてはっとする。

「ごめん、考え込んでた。

 ほら、1年の時の古代遺跡の魔法陣は発動条件が私の血だったなとか……さ」

「ああ、あれは本当に……、ん? ネモと出会ってから、そんなんばっかりだな」

「あー、すみませんね。いつも迷惑かけてまして……」


「あれは何だ?」

 エドワードがウォロが手にしている箱を見て言った。


「私が閉じ込められてた箱をミニチュアで再現したみたいだよ」

「空間と時間を遮断するとかいう?」

「そう、たぶんあの箱の中では、時間がかなり遅くなる、はず」

「そうすると例えば、腐る物も腐りにくくなる?」

「あ、そういう使い方もできるかもね!

 そうか、温かい料理もあれに入れれば、時間が経っても温かく取り出せるかも!」

「へー、面白いな」

「うん、思いもよらない使い方がまだまだできるかも!」


『ネモ、この本のページをめくってくれ!』

 マッちゃんに言われて、ページをめくる。

『もう少し先……、次、次、あ、これだ! 読んでみろ!』


 そのページは、なんとフープについてのことが書かれていた。


 魔道具フープ、サンマチネス作成の伸縮自在の転移魔法魔道具。

 伸縮させることで大きなものでも転移させることができる。

 これぐらいしか書かれていない。

 まあ、封印されるくらい謎な魔道具だから、ね。

 

 これは受け手側の魔法陣がいらないのか?

『フープ側から送り込む先の何かしらの座標のようなものが必要だ』

「座標? すでに魔法陣をその場に書いておいたらいいんじゃない?」

『それだと、限定されるし何かしらの妨害を受けると失敗してしまうから、その場で出現させるためには空間に座標を書きこんだ魔方陣を書くんだ』

「空間に書くって?」

『光魔法ならできるじゃろ?』

「あー、書けるかもしれないけど、それで座標を入れることでそこに魔法陣を飛ばして受け止めさせるってこと?!

 ちょっとそれはあぶないんじゃ?!

 ずれたりして、海の上とかに出たら大変じゃん!!」


「ネモ?」

 エドワードに肩を叩かれ、心の声が駄々洩れていたことに気がつく。

「守護霊と話していたのか?」

「……うん」

「ウォロを呼んでこようか?」

「あ、ウォロにもマッちゃんの声は聞こえてるから大丈夫。ありがとう」


 それにしても座標ねえ。

 私、数学、とっても苦手だったんだけど。

 緯度と経度だと地理?

 でも、空間だと三次元の座標なのか??


 持ってきたノートに、フープについてのところを書き写した。

 魔法陣も書き写す。

 

 ある程度まで書いた魔法陣を作っておいてコピーするみたいに考えれば、光魔法で書くことも本当にできそうだな。

 問題は座標。

 マッちゃんが作成したものがあるのか、それとも何か普遍的な座標があるのか。


 座標について知りたくて、さらにページをめくるが載っていなかった。


 うーむ、後でウォロと一緒に、マッちゃんに聞こう。


 物語みたいな本で、サンマチネスが街の人々を津波から守った話があった。


 フープで街の人々を安全な場所に移動させている。

 この場合は、街を見下ろせる高台に避難していた。

 サンマチネスが空に光で魔法陣を描くと魔法陣が高台の上に移動し、そこにフープの出口が出現したとある。


 ほー。なんとなく使い方はイメージできた。


 場所を思うだけとかそんな簡単な感じじゃないんだな。

 私には無理かも。

 ウォロと一緒にということにしておいて本当に良かった。


 ウォロとランスとミュラー伯爵の話が全然終わらないので……。

 私とエドワードは執事に屋敷の中を案内てもらい、お茶をしているライト達に合流した。


 伯爵邸からまた離宮に戻り、その日のうちに私とウォロとオードリーは学校の寮に戻った。


 私は薬作りがあるし、ウォロも魔道具を作りたいし……、でも男女ふたりだと寮が使えないので、オードリーがついてきてくれた感じになった。

 ありがとう、オードリー。


 寮に戻って数日、私はオードリーと一緒に行動することが多くなり、ウォロはクラウス先生と魔道具作りをしていることが多くなった。

 私の電撃の魔道具も作ってくれているみたい。


 そんな時にクラウス先生がウォロと話しをしてくれたようで、ラボに来て報告してくれた。

 

「ウォロと例のこと話したよ。

 基本的なことはなんとなくわかってたので、確認した。

 ウォロとしては気を付けてはいるが夢中になると……というようなことを言っていた」

 

 あ、そうですね。

 キスしたいと思うと、観衆に囲まれてるど真ん中でもキスしてきた前科が2度ほどありますし。


「ネモのことは大切だから、嫌がるようなことはしないと言っていたが?」

「……それは微妙なんですよね。大丈夫か聞いてくれることもあれば、嫌だって言わせないようにしてくることもあるかな。でも、私が強くやだって言えばやめてくれます」

「そうか、それなら安心したよ」


「話して下さってありがとうございます」

「いや、ランスともこんな話はしないしね。

 気恥ずかしかったけれど、自分も改めて考えたこともあったし。

 また折を見て、ウォロと話しをしてみるよ」

読んで下さりありがとうございます。

ブックマーク、いいね、いつもありがとうございます。

とても励みになります。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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