150 お泊り会?!
悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。
ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
それぞれ離宮の自分達の部屋に戻る。
私とオードリーの部屋はセレナの部屋の近くのふたり部屋に泊ることになっていて、そこの部屋にベッドをもう1台入れて集合することにしていた。
前に女子会で使わせてもらった大きな部屋があるんだけど、今回そっちを男子に取られた。
うん、あっちの方が人数多いからね。
風呂に入って部屋着に着替えると、あー解放されたー!! という感じがする。
簪は大切にしまって、ウォロからのネックレスはまたすぐ身につけた。
シーラがお茶の準備をしてくれて、セレナとマナが来た。
みんなで一緒にお茶を飲んでおしゃべりを楽しむ。
「セレナ、あのフリフリのかわいい下着、ありがとう」
もう夜だし、話してもいいだろう。
セレナにお礼を伝えるとオードリーが「持ってきた?」と聞いてきた。
「えっ? 持ってくるわけないじゃん。いつ着るのよ」
「えー、持って来てたら着て見せて欲しかったなー。
ウォロの前に見てみたいというか……」
「ウォロに言ってないでしょうね?!
着てなんて言われたら、どーすんだよ!」
「着てあげればいいじゃない!」
「そんな簡単に言わないでよ」
「ほら、セレナも聞きたいこと聞いちゃえ!」
オードリーがセレナをけしかける。
オードリー、何かパーティーで嫌なことがありましたか?
「ネモ……、その、ウォロとは……、どこまで……」
そこまで言って真っ赤になり黙ってしまうセレナ……。
えーと……。
「それはなんで知りたいの?
人それぞれだから、年齢が同じでも性格が違うように違うと思うよ」
「その、婚約者がいる先輩として、どんなことをしているのかと……」
「えーと、前に私も悩んでアリスに聞いたことがあるんだ。
だからセレナの気持ちもわかるけど……。
そうしたら、まあアリスが本当のことを教えてくれてたとして、同じようなことをしてて。
3つ上の恋人がそうなら、もうこれ以上はダメなんだろうなと思っていたら、なんかもうそんなの越えてきちゃってて……。
小説の様にロマンチックな事ばかりじゃないし。情けないななんて思うこともあるし。
全然、参考にしない方がいい」
「わかりにくいよ!」
オードリーが言った。
「じゃあ、聞くけど!!
オードリーやセレナはダイゴやライトと、その、ふたりきりになってそーいう感じになったらさ、最終的に服着てる? 脱げてる?」
「脱げてるって何?」
オードリーに聞き返される。
やっぱり、まだ脱いだり脱がされたりは早かったんじゃない……?!
セレナが「脱がない」と一言言った。
「ネモとウォロは脱いでるってこと?!」
オードリー、声が大きい!!
「声! 小さくして!」
ウォロが脱がせたがるんだよ……。でもこんなこと言えない。
「裸になっちゃったら……」とオードリーが小さな声で言った。
「裸にはなってない! 下着は着てるから!」
あ、この前上の下着は着てなかったけど……。
ま、下は着ているから、着ているということでいいか!
「大丈夫なの?」
オードリーが心配そうに言う。
「うん、だから用心のため……」
「「用心のため?」」
セレナとオードリーの声が重なる。
「一応、避妊について、信頼できる大人に聞いたりした。
それで、もし妊娠の可能性があることになったら……と避妊薬も用意してある。
ウォロには言わないでよ。あるって知ったら……だから」
「自衛策は講じているってことね」とオードリー。
「うん、あと病院のキャサリン先生が相談に乗ってくれてて……」
「えー、いいな、私も相談してみたい!!」
オードリーが羨ましそうに言う。
「私の方は相談できる人がいるんだけど、ウォロの方がいないかな……。ちょっと考え中。
ね、もうこれくらいでいいでしょ?!」
あら、オードリーとセレナがひそひそ話をしてる。
「何! 私に聞くだけ聞いておいて!!」
オードリーがこちらを向いた。
「いや、ごめん。なんか次元が違うっていうか。
でも、ちゃんと真面目に考えているんだね。話聞けて良かったよ」
「あ、カトレア先生がキャサリン先生に繋げてくれたんだ。
私、母がいないでしょ。だから、よけいに相談する人がいないだろうと心配してくれて。
で、その延長でクラウス先生も、この話知ってて……」
セレナとオードリーは顔を見合わせた。
「そっか、それはちょっと気まずいね」
オードリーが苦笑いしながら言った。
「でも、もうウォロもクラウス先生に相談してくれた方が安心だよ。
ランスとかアポロに何か言われるより、全然いい」
「うん」
セレナが頷いた。
セレナも5年生ズにライトが何か言われてないか気になってるのね。
また、ふたりでひそひそ話をしたかと思うと「今度病院に行く時、私達も連れて行って欲しい」と言われる。
まあ、一緒に行って話を聞くくらいなら。
それならウォロも連れて行こうか……。
明後日、ライトのミュラー伯爵家にお祖父さんに誘われて行くことを話す。
「えっ?」とセレナが驚き「ライトに伝えてくる!」とマナを連れて慌てて出て行った。
残った私達は顔を見合わせた。
「私も一緒に行く」とオードリー。
「セレナ達も一緒に行くことになりそうだね。そうしよっか」
セレナとライト、マナが戻ってきた。
ライトが教えてくれる。
「明後日、エドワードとティエルノとランスも一緒に行くから、よろしく!
なので、明日もここにみんなで泊まることになったよ」
「えっ、私、学校に1回行かないと!!」
ラボに行かないと!
「それは明日また確認しよう。じゃあ、おやすみ!」
ライトがセレナの頬にキスして去って行った。
なんか自然だな……。
セレナがちょっと赤い顔で戻ってくる。
まあ、私達に見られてたからね。
オードリーが言った。
「なんかセレナとライトなら微笑ましく見られるね。
ウォロとネモだと、見ているこっちも恥ずかしくなるっていうか……」
なんじゃ、そりゃ?!
◇ ◇ ◇
次の日、ウォロはアポロと剣の練習に付き合うんだけど、結局ランスとライト以外の男子全員が剣の練習することにしたそう。
私は午前中に学校に行ってくることにした。
ウォロが「ひとりで行くの?」と渋っていたら「俺が一緒に行くよ」とランスが言ってくれた。
ウォロとオードリーの服も取ってくることになり、シーラも私と一緒に行くことになった。
エドワードが王家の馬車を出してくれた。ありがとう。
学校に着いて2-1寮に向かい、もう1泊分の服や下着をそれぞれ用意して取り出した。
シーラに預かってもらう。
シーラも自分の棟の部屋に戻り、準備してくるということなので、昼に食堂の前で待ち合わせすることにした。
私とランスはラボに向かい、ベース薬の確認や仕込みの準備をした。
クラウス先生とカトレア先生も来てくださって、新年の挨拶もすることができた。
レイモンドが来て、昨日のお礼を伝えているとランスが『?』という表情をした。
昨日のパーティーの陛下の挨拶の後、エドワードに紹介して欲しいと子どもの頃に会ったことがあるらしい親子に声を掛けられ、しつこく追いかけられ、カルタロフ伯爵とレイモンドに助けられたことを話した。
「そんなことがあったんだ! ウォロ、離さないって言っていたのにダメじゃん!
レイモンド、ネモを助けてくれてありがとう」
「いや、当然のことをしたまでで……」
「レイモンドはカルタロフ伯爵と考え方が違うのか?」
「もう父も反省して心を入れ替えていると思う。
後はアルテイシアが……」
「ああ、そうだな。
だけど、カルタロフはあれだけのことをしでかしたんだ。そう簡単に周囲……、まあ迷惑かけられたり、襲われた方にしてみれば、許せないだろうな。ネモもそうだろ?」
「昨日、謝ってくれたよ。これからミーア帝国にも償いをするって言ってくれたし。
そうだね、今度ランスにも謝ってもらわないとね」
「あれだけのことされて、もう許したの?」
「私に関しての事だけね。『変態』って呼んでたことも話しちゃったし……」
「えっ、そんなことを話せちゃう仲になったのか?!
……やっぱりウォロに似ているから、ネモも甘いのか?!」
あ、ランスもそう思うんだ。
「うん、それも少しあるかも……」
言いながら顔が少し赤くなってしまう。
ランスが意外そうな表情で私を見ていた。
午後から王城で魔法の練習をするのでレイモンドも一緒にどうかと誘った。
ランスもクラウス先生を誘ってくれた。
王城に行く前に食堂でシーラと待ち合わせして、昼食を食べてから、王城に戻った。
離宮に向かうと、もう外で魔法の練習が始まっていた。
荷物はシーラにお任せして、私達はすぐに練習に参加した。
ランスは魔法局の試験のため属性魔法の基礎を確認して、操作性のコツをクラウス先生とウォロから聞いている。
私とライトも同じ属性なので一緒に話を聞いて、同じようにやってみた。
レイモンドはセレナとオードリーと一緒に全属性のアリスを先生にして練習している。
アンドレアス、エドワード、ダリル、ミカ、アポロは剣に魔法をまとわせる、入れ込むという練習をしていた。
学生の休みって感じだね。
しっかり練習をしたあと、夕食に誘ったけれど、家に帰らなくてはとレイモンドは先に帰った。
クラウス先生は夕食を食べてから帰ることにした。
久しぶりに外で身体を動かせて楽しかったそう。
ウォロと馬車の乗るところまでお見送りすることにした。
私はクラウス先生に「今度、避妊についてウォロと話しをしてみて欲しい」とお願いした。
ウォロがびっくりしていた顔をしていたけど。
クラウス先生も驚いていたけれど、私がこの前ウォロと話をしたら『何をどうすればいいのかわからないとこがあって……』と言われたことを話すと、なるほどねという顔をされた。
「ネモはキャサリンに相談できるもんな。わかった。ウォロ、今度話をしよう」
クラウス先生が言ってくれて、ほっとした。
見送ってから、ウォロに「急に言い出すからびっくりした」と言われた。
「うん、急でごめん。でも、前から頼るならクラウス先生かなと思ってて……。
だって、ランスやアンドレアスやアポロじゃあ、まだよくわかんなそうだし……」
「それはそうかも」
ウォロが楽しそうに笑った。
「何で笑うの? 昨夜、何かあった?」
またウォロが笑う。
「えっ、何か変な事言ってないでしょうね!」
私が焦って言うと「言わないよ、みんなの話聞いていただけ」と言った。
えっ、それでその笑いってなんだ?!
読んで下さりありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします。




