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149 新年祝いパーティー(前)

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 結局、陛下とか目上の方に申し込まれたら断れないから!! ということになり、ウォロが許可した人だけとは踊れるということになった。


 ランスが「うー、ウォロに頭下げて頼むの、なんか癪に障るな~」と言っていた。

 なら申し込まなきゃいいじゃん。

 ランスがいろいろ言うから、こうなっただよ。


 午後になり、私達はドレスに着替えて準備を始めた。

 シーラとマナが張り切って仕度をしてくれる。

 私のメイドがいないから、いつも一緒に仕度してくれてありがとう。


 シーラに髪を結い上げてもらい、ウォロの父である皇帝陛下からもらったアクアマリン付きの簪をつけてもらう。

 あ、すごくこのドレスに合うね!

 ウォロなんか言うかな?

 

 ライトとウォロが部屋に来た。

 

 ウォロがライトに婚約祝いの生地でセレナのドレスを作ったことを聞かされて頷いている。

「ネモがその色を選んだんだ。良く似合っている」

 

 ライトがセレナの所に行き、ドレス姿を褒めている。


 ウォロも私とオードリーを見て、私の髪の簪に気がついた。

「あ、それつけたの?」

「ん、せっかく頂いたし……。今日はミーア帝国代表みたいなところもあるし、どうかな?」

「まあ……、じゃあ。これもつけて」


 ウォロが銀の台座に黒い石で小花を模したデザインのネックレスをくれた。

「魔道具?」

「違う! その……」

 言い淀むウォロ。

 なんだ?


「あ、できたんだ!」

 オードリーがそのネックレスを見て言った。


「ウォロ、最近これずっと作ってたからね」

「魔道具作ってたんじゃないの?」

「ん? ネモ、知らないの?」

「何が?」

「ミーアの皇帝家の慣習でね。

 自分の名前の石が付いたものを大切な人に贈るのよ。

 ウォロは自分の石が黒いからね、どうしたらとちょっと迷ってて。

 デザインをかわいくすればってアドバイスしたのよね!」


「えっ! ウォロ、ありがとう、うれしい!」

 私はウォロに抱きついた。


 ウォロが私の首に手をまわしてネックレスを着けてくれた。

 

「モーリオン、黒水晶だね」

 私は触ってみる。

 なんだか温かい気がする。

 ウォロがずっと思いを込めて作ってくれたからかな。


「似合ってる、良かった」

 ウォロがほっとしたように言った。


 鏡を見ると、黒い小さな花が銀の飾りで連なって咲いているようなかわいい感じだ。


「ありがとう、ウォロ。すごく気に入った。大切にする」

「うん」

「……簪、気になるなら外すけど」

「いいよ。ネモは父のお気に入りでもあるから……」

「わかった。今日は簪もネックレスも両方つけさせてもらうね。

 明日から身につけられる時はウォロのネックレス、いつもつけるから!」

「身につけられる時?」

「だって、学校には許可が必要でしょ?」

「あ、そうか、魔道具だから許可されてたんだっけ?」

「うん。でも、これもウォロの聖魔法の力を感じるよ。

 守ってくれてる。温かい感じがする……。本当にありがとう」


「もう、仲いいな!」

 オードリーが冷やかしてくる。


 オードリーが身につけているイヤリングはルチルクオーツだ。

 ダイゴもやるな。


「ふふ、オードリーも仲が良いんだから!」

 私はイヤリングを見て言った。


 アンドレアス、アリス、エドワードは主催側の王家の人ということで最初から会場にいることになっている。

 私とウォロも最初からいてくれと言われて一緒に行った。

  

 みんなも付き合って最初からいてくれることになった。

 ミカとダリルは家というよりはエドワードの学友ということでの参加になるので緊張している。

 ミカは平民でもあるからね。

 エドワードが式服を貸してくれたそう。

 良かった。

「俺よりいい服着てんだぜ」とダリルがなんだかうれしそうに言った。

 うむ。なんか人の好いダリル、そういうとこ好きだよ!

 

 ミカがネックレスに目を留めて言った。

「ウォロからのプレゼント?」

「うん」

「ネモに似合ってる」

「ありがとう」

「いいよね、手作りのプレゼントを贈り合うなんて。

 ウォロ、ネモからの飾り紐、とても大切にしてたし。

 だから、自分からも手作りの、身につける物を贈りたかったんだろうな」


 私は微笑んだ。

 魔道具じゃないってのにはそういう気持ちも込められていたんだ、ね。


 お父様とジョシュア兄様も来た!

 兄様はマリアをエスコートしてる!!


 このふたり早く婚約しないかな~!!


 次々に人が会場に入って来て、アンドレアスやエドワードに挨拶に来る。


 エリザベスも父親らしい人ときた。

 私の所に来てくれて、お互いに父を紹介し合う。

 うちは南西の辺境伯爵、エリザベスの家は北の辺境伯爵という感じだ。

 名前は知っていたし、顔見知りではあるけれど、話したりしたことはなかったらしい。


 エリザベスの父が、うちの父に「娘さんがふたりとも婚約していて、ひとりは王家へ、ひとりは隣国へとなると……。どちらも寂しいでしょう」と言った。

 エリザベスが苦笑いする。

「もうお父様、私だってどこにお嫁に行くかわからないんですからね?!」

「なるべく、この国の穏やかに暮せそうなところに嫁に行ってくれればと思っているよ」

 あ、そういう理由でエドワードはお勧めでないのね。うんうん。


 そこへサーシャが現れる。

 サーシャは子爵令嬢だったっけ?

 私とエリザべスに親しそうに話しかけてきたのでちょっと驚く。

 

 ソコマデナカヨクナカッタキガスルノデスガ……。

 

 まあ、大人の対応という奴で、にこやかな感じは崩さずに何とか話を合わせた。


「エドワード様のところには行かないの?」

 これは連れて行けということですね……。

 まあ、エリザベスは連れて行きたかったから……。


 私はエリザベスとサーシャを連れてエドワードとティエルノの所へ行った。

「エリザベスと直接話すのは初めてだよね! エーデル……」と話している途中で「エドワード様! ダンスのお誘い待ってます!!」とサーシャが前に出て言う。


 みんな、えっ? という表情になるが、エドワードが「ああ」と頷き、私を見る。

 私は何もなかったように「エーデル辺境伯爵令嬢のエリザベス様です」と紹介した。


「新年、おめでとうございます。

 先日の会食ではありがとうございました。

 これからも学校でお世話になることが多いと思います。どうぞよろしくお願いします」


「こちらは私達と同じ寮、寮長のハノーバー公爵家のティエルノよ」

「先日の会食ではエドワード様をお助けしていましたよね、素晴らしかったです。

 どうぞよろしくお願いします」


 おお、なんか素敵。

 マリアも1年の時ってこんな感じだったのかな。


「エリザベス、と呼んでいいかな?」

 ティエルノが言った!!

「はい」

「エリザベス、後でダンスに誘ってもいいだろうか?」

「はい、喜んで!」


 おお、なんかいい感じじゃんね!


 サーシャが期待に満ちた目でエドワードを見るが「あ、呼ばれてる。失礼」と立ち去ってしまった。

 ティエルノもエリザベスに挨拶してエドワードを追っかけて行った。


「もう! ネモもなんか言いなさいよ!!」

「えっ、私?」

 なんでじゃ? 


「友達ならもう少し援護してくれても!!」

 友達?

 学校の行事や授業以外で話したことほとんどないですけど?

 

 私が驚いていると「もういいわ!」と行ってしまった。


「大丈夫ですか?」

 エリザベスが心配してくれる。


「うん、大丈夫。ありがとう。

 そこまで親しくないから、ちょっと言われたことにびっくりして……。

 あ、ティエルノとダンスよろしくね!

 ティエルノ、とってもいい人なので!」

「はい、ダンスを踊るの楽しみです」

 

 お、エリザベスも嫌がっている感じじゃないよね?!

 でも、これ以上はいろいろ言うのやめておこう……。見守り、見守り…。

 

読んで下さりありがとうございます。

これからもどうぞよろしくします。

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