135 2年野営実習1日目
悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。
ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
野営実習の日になった。
みんなもう冬の服装というくらい着込んで、重ね着で調節できるようにした。さらに上着も厚めの物を持った。
朝食後、食堂に集合。
各寮の荷物を受け取り全員で分担した。
リーダのティエルノが地図と課題の入っている封筒をもらってきた。
まだ開けちゃいけなくて、現地に着いたら開けて見るそう。
学校から寮ごとに馬車で出発する。
私はミカを見かけて「ミカ!! お互い頑張ろうね!」と声をかけて手を振った。
私達は自然公園の南側の入り口で馬車から降ろされた。
やっと地図と課題が見られる。
野営場所と指定されているのは南入り口から入り北東へ進んだ場所で、公園の地図で見ると東の森エリアという所だ。そのエリア内ならどこに野営設営してもOK。
森なら焚き木に良さそうな落ちた枝を集めやすそうだし、歩きながら集めてってもいいし。
課題は3つあった。
①南から北東に移動しながら薬草を採集し、夕食のスープに入れて食すこと。
②1日目の夕食後、ここにいると知らせる魔法を空に打ちあげること。
それぞれの場所と環境に合わせて、どの魔法を使用してもよい。
③2日目、他の寮生と出会い、寮の言葉を集めること。2-1寮の言葉『ひかり』
なるほど、③に関してはペアぐらいの少人数で複数の組が歩き回るのが効率良さそうだ。
①は歩きながら、②は現地に着いてみないと何とも言えない。
まず野草、これはすぐにわかった。
よくある野草で薬味の様に使われることが多く、子どもは外遊びの帰りに摘んで帰るようなものだったから。
貴族のみなさんはしたことなさそうだけど……。思い出があるのは私だけだった!
少し歩くと群生している場所を見つけ、そこで7人分集めてしまう。
これで①は料理して食べるだけだ。
北東に進み森に到着。
この中を進んで行かなくちゃいけない。
道が微妙にある感じだけどわかりにくい。
私は荷物から赤い布を取り出すと裂いてひもの様にし木の枝に結んだ。
「帰る時回収して行くから目印ね」
8本目の赤いひもを結んで少し行くとちょっと開けた場所に出た。
「ここでいいんじゃないか?」
エドワードが言ってティエルノと相談を始めた。
地図を見ながら距離感を話し合っているみたい。
「よし、ここにしよう!」
ティエルノが言って、焚火の位置など決めていく。
焚火は中央にひとつ大きめに。
料理がしやすいようにかまども作ることにした。2泊もするからね。
焚き木をたくさん集めてこないとな。
ただ森の中で方向を見失わないようにしないと。
私とウォロとオードリーは焚き木拾い。
残りの4人が来る時に拾ってきた枝を使って、設営をしておいてくれるという。
私達3人はオードリーを中心にして、ほとんど動かないでもらって、オードリーを目印に落ちた枝や焚き木に良さそうな倒木など集めた。量が集まったところで運びやすい大きさにして、全員で戻る。
2泊だもんな。もっと集めないと。
もう1回、さっきとは違う方向に進み、同じように集めて戻る。
これだけあれば、まあ大丈夫かな?
戻ると、かまどは土魔法で作ったみたいでもう火が入れられ、ライトがお茶を入れてくれていた。
みんなでお昼のパンをかじりながら課題について話し合う。
①は洗うのは明るいうちに済ませておくことにする。
②は森ということで火魔法はダメということになり。暗い中で目立つもの……。
「光だ!」
エドワードが言った。
「光魔法が使えるのこの寮だけだろ。
だから火の使えないこの場所を指定されたんじゃないか?!」
なるほど、そうかも。
「じゃあ、ネモとウォロに任せていいか?」とティエルノに言われてOKする。
③は夜のその魔法の位置を見れば、他の寮がどの方向にいるかつかめるはず。
でも、この場所は森の中。めちゃくちゃ見通しが悪い……。
私は周囲で一番高くて大きい木のそばに行き見上げた。
登れそうじゃない?
「ここ登ったら?」
「夜だぞ!」とティエルノ。
「いけると思う」
「魔法もその上から打ち上げたらいいかも。ネモと自分で夜登るよ」とウォロが言った。
確かに夕食後しか指定がないからある程度まで様子見てどこかが打ち上げたタイミングで時間差で上げればいいのだ。それだとそこまで時間はかからないかも。
③はその方向を見て、残る人と探索する人を決めることにした。
私とウォロは木に登ってみることにした。
エドワードも風魔法で援護してくれるという。
他の人は料理の準備。
ウォロが土魔法で枝までの階段のようなものを作ってくれた。
そこからは枝を登っていけそう。
3人で登ってみると森が見下ろせ、その向こうの平原エリアや湿原エリアが見えた。地図で方向を確認する。
北と南に平原。点々と木々や林ぐらいが点在している。
西が湿原……。一番遠いけれど、何とか見えている。
ここの森はとても大きかったんだな。木の上から見るといる場所が中央から入って4分の1ぐらいのところだった。まだ深くまで続いているんだ。
「ネモと自分の光魔法で大きな光を作って風魔法で上に打ちあげよう」
ウォロが言って私は頷く。
エドワードが風魔法で打ち上げてくれると言ってくれた。
光魔法だけに専念できれば、他にも光を放出したりいろいろできるかも。
下に降りて料理の手伝いをする。
肉入りスープパスタが夕食のメニューだ。
野草を刻んで入れると、いい香りがした。
夕食後、上着を着て、木に登る。
階段作ったのはとても良かった。
光魔法を飛ばして、登るための明るさを確保する。
ティエルノもついてきた。
しばらく他の動きがないか待つが、もうかなり暗くなってきたのにどこからも上がらない。
相談して1番に打ちあげることにした。
ウォロと大きな光の玉を作り始める。
眩しい!!
エドワードが打ち上げてくれる時に、光を放出した。
ここがほわっと明るくなって、大きな光が打ちあがるのが見えるはず。
スーッと打ちあがり、しばらく光ってからキラキラ小さくなっていく。
この直後に南から炎と風の打ち上げがあった。
次に西から炎と水の打ち上げが。水が炎の明かりをキラキラさせてきれいだった、
北からは炎と風の打ち上げがあった。
これで4寮全部打ち上げが終った。
それぞれ東西南北に分散してることがわかった。
ティエルノが地図に何か書きこんでいた。
下に降りてから寝る仕度をして当番を決める。
かまどの火は落としたので、焚火と見張り。
自然公園なので、生物は何かしらいるはず。
ウォロが「ネモ一緒に」と言うが、セレナとライトがペアになったのでオードリーがひとりになっちゃう。
寒いから近くで一緒に寝た方が良さそうだもんね。
ウォロに私とオードリーか、ティエルノとエドワードかどっちがいい?と聞いたら、私とオードリーを選んだ。そりゃそうか?!
セレナとライトが1番目。3時間たったら、ティエルノとエドワード。その3時間後が私達。
私とオードリーが抱き合うように寝て、私の後ろにウォロが寝た。
私が一番暖かい場所だ。なんだかありがとう。
読んで下さりありがとうございます。
午後投稿する予定です。
これからもどうぞよろしくお願いします。




