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132 11月は忙しい?!

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 魔法対戦大会でウォロが優勝した。

 最後の2試合は本当にどちらが勝ってもおかしくないという感じで……。

 

 天がウォロに味方したという感じだった。

 エドワードと4年のノーラが、それぞれアンドレアスとランスを試合時間いっぱいまで疲労させてくれたことによる勝利という感じがするよ。


 どんだけラッキーな優勝と言っても、優勝は優勝。

 約束したことは守らないといけない。


 悩んでいても何も変わらない。

 もう信用できる人に聞くしかない。


 私は魔法対戦大会の表彰式後にカトレア先生の研究室を訪ねた。

 そしてそのものずばり『避妊方法』について聞いた。


 ほら前世では一応20歳だったから、学校で保健体育の授業とかもあったし、女子高、大学とマンガとか小説でちょっとは読んだことあったし。


 でも、この世界ってそういう話、聞いたことないよ。

 オードリーやセレナとは女子会で、アリスには困って直接アンドレアスとはどうなのか? とか聞いたことあるけど、そこまで踏み込んだ話はできていないし。

 

 もう少し年齢上がると、そういう話題も出たりするのか?


 マリアとオードリーに気をつけるように言われたけど……。

 それはつまり、するな、許すなってことなんだろうけど。

 ウォロとふたりっきりでどうなるかなんて、わかんないもん!


 結局、この世界で一番使いやすく確実なのは薬だった。

 避妊具みたいなのはないんだ……。


 最初から飲んでおくのと、事後に飲むのがあるそう。

 ピルみたいなものと、緊急避妊薬って感じかな?


 緊急避妊薬の方が副作用が強いらしい。人によっては強い吐き気や頭痛、めまいが起きるとか。


 ピルみたいな方は夫婦でも妊娠出産を計画的に考える時に使われてるそうで、普通に女性専門相談ができる薬局で処方が必要ない薬(市販薬ってことだよね)として売られているそう。

 でもほぼ毎日間飲み続けないといけないし、数カ月飲み続けないといけないそう。


 でも、薬局で相談して買えるのか私?


 なんでそんなことを知りたいのかとカトレア先生に聞かれ、ウォロとの約束を白状した。


 オードリーやマリアにも注意されていること、でもだからと言ってどうすればいいのかまったくわからないし、ウォロも注意されてるはずで、そこまでしてこないかもしれないし。

 でも、怖い、どうしようとずっと思っているくらいなら、ちゃんと対策をわかってとっている方が安心かな……と。


 カトレア先生が緊急避妊薬は学校の医務室にあることを教えてくれた。

 でも、もらいに行けないよね!!


 緊急避妊薬は持っているので分けてくれるという。

 カトレア先生! ありがとう! 恩人だよ!


 薬の箱を持って来て渡してくれながら言った。

「用意してあることはウォロには言わないのよね?」

「はい、言いません!」

「それならいいわ」

 

 ざっと薬の説明を読んで、中身を確認する。

 副作用とかもあるから、後でもう一度しっかり読んでおかないと。

 

 1箱に2錠だけ入っていた。


「ありがとうございます。悩んでいたことがひとつ減りました」

「また困ったら言って」

「カトレア先生、本当にありがとう……!!」


 カトレア先生の部屋から出る時、クラウス先生が戻ってきた。

「ウォロに優勝おめでとうと伝えておいてくれ」と言われたので「はい!」と返事をした。

 

 内心、すっごくドキドキしていた。

 話し終わってて良かった~!! 


 寮に戻る途中、食堂の前でエドワードに声を掛けられた。

「ネモ、今、食堂の客間で、アリスとアンドレアスがアリステア辺境伯爵とうちの両親とお茶飲んでるよ。顔出してくれば?」

「ううん、いい」

「俺も、居づらくて出てきたとこ……。寮に戻るなら一緒に行こう」

「うん」


 エドワードと歩き出す。

「ウォロは? 休んでるの?」

「うん、ミーアの大使と話しした後休むって。

 私、カトレア先生にちょっと用事があって……。

 エドワードもすごかったね! 

 アンドレアスに最後まで退かないで、すごく頑張ってた」

 

 エドワードは照れくさそうに笑って言った。

「選抜でネモを負かしたからな。

 頑張らないとネモが弱いみたいに思われるし……」

「ありがとう。私のことまで考えていてくれたとは!」

 私はえへへという感じで笑い、続けて言った。

「あー、来年は属性魔法しっかり練習して、大会に出られるようにしないとな……」


「ネモ」

「ん?」

「またウォロと何か約束した?」

「えっ! あ、まあ……」


 去年、ランスに言わされた時、エドワードとライトもその場にいたからな……。


「あ、でも、去年の約束、まだウォロ使ってないよ」

「そうなの?」


 他にも約束あったしな……。

「うん、これで絶対言うことを聞く権利を2回手に入れたから今度は使うって言ってくるかもだけど」

「使わせるの?」

「約束したのにダメとは言えないでしょう?」

「……そうだな」

「まあ、ウォロもそう無理なことは言ってこないよ。きっと」


 エドワードがすごく心配そうな顔をするので私も心配になる。


「何? エドワードだったら無理なこと言う?」

「言うわけないだろ!!」

「だよね。ウォロも同じだと思うけど」


「……休みだよな」

「えっ?」

「だからやるとしたら休みの日だろ?」

「……出かけるなら休みの日だね」

「わかった!」

 

 えっ? 何が?

 エドワードが急に早足になるのでびっくりする。

 何が『わかった!』なんだ?!


 寮で夕食を食べながら、これからの予定をみんなで確認した。

 孤児院への慰問はボランティアの方で月1回できていたそう。

 11月は私もぜひ参加したい。次の次の休みの日だ。


「今度の休み、王城で練習しないか?」

 エドワードが言い出し、オードリーが続けた。

「前に計画していた、孤児院で披露する劇!

 脚本もできてるし、今度こそやるでしょ!」


 あ、ランスが王子様する奴か!


 私が頷くとウォロがちょっと残念そうな表情をした。

 エドワードとオードリーが目配せし合っているのに気がついた。

 なんだふたりで打ち合わせてたのか?!


 次の休みは王城で、その次の休みは孤児院。

 まあ、少しならふたりきりになれる時間は取れるかもだけど……という感じかな?


「今月は野営実習もあるしな。それも話し合わないとな」

 ティエルノが言った。


 2年の野営実習は寒くなってきた11月に連続2泊3日なんだよね。


 1年の時は10月初旬で学校内に寮を班として1泊、別日に少人数で1泊だったけれど。


 寮の班で行動するから気は楽なんだけど、場所は王都の自然公園。

 それぞれ地図と課題を渡され、課題をこなしつつ2泊の野営を行う。


 それが中旬にあるでしょ。


 薬作りに、病院に行く日程もそろそろクラウス先生から連絡あるはず。

 11月は始まったばかりだけど、すごく忙しくなりそう。

読んで下さりありがとうございます。

1年の時に、ランスに約束の言葉を言わされたのは 57 魔法対戦大会(中)になります。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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