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95 メイユウ宮

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 みんなで相談して、夕方、ウォロとダイゴと私とオードリー、そしてウォルフライト王国の代表としてランスとエドワードとマリアでメイユウ宮に挨拶に行くことにした。


 その間にクラウス先生とティエルノとミカがマリヤム宮の調査をしてくれることになった。

 マイネはエルメス宮にいてもらう。


 ダイゴが先触れという連絡を出してくれ、了承の返事が戻って来たと言う。


「なんかしきたりはあるの?」

 私は心配になり聞いた。

「特にないよ。普通に挨拶してこちらで紹介するから大丈夫」

 ダイゴが言ってくれて安心する。

 まあ、ダイゴがいるから任せておけば平気そう。良かった。

 

 そのまま、時間になりエルメス宮から出かけようとすると玄関でカノンがランスを引き留める。


「ランス、行っちゃヤダ!」

 カノンがちょっと拗ねているがランスがうまく説明している。

「ちゃんと挨拶しておかないとこのままカノンの所にいられなくなるかもしれないからね」

「えっ、そうなの?」

「うん、挨拶してないって連れて行かれちゃうより、ウォロ達と一緒に挨拶に行っちゃったほうがいいしね」

「ちゃんと帰って来る?」

「うん、ウォロもダイゴも一緒だから大丈夫。帰って来るよ」

「それなら、気をつけて行ってきてね!

 ウォロ兄さん、ダイゴ兄さん、ランスのこと頼んだ!!」


「カノンに頼まれたら頑張らないとな」とダイゴ。

「ちゃんと連れて帰って来るよ」とウォロ。


 そんな感じでやって来たメイユウ宮。

 第1夫人の宮殿ということでとても大きく豪華な感じ。


 最初の話し合いの時(私はマリヤム様にドレスに着替えさせられていていなかった)、メイユウ様は公爵家の出身と教えてもらったそう。

 ということはマオユウ様もミーア帝国公爵家から隣国の王国のカルタロフ伯爵家に嫁いだということなんだけど、どうやら家族の反対を押し切って嫁いだそうで……。

 皇帝陛下にはマオユウ様が個人的に申し出て認めてもらったという感じらしい。

 その後にメイユウ様とだけはマオユウ様も連絡を取っていたんじゃないかな……。ここのところはメイユウ様と親しくしている夫人がいないので推測ということ。


 さて、玄関でメイリン様とダンテ様が迎えてくれた。

 皇子と皇女は陛下の皇宮にも部屋があるけれど、母方の宮殿で過ごすことも多い。

 

 ダイゴが、ウォロが留学先のウォルフライト王国の魔法学校の学友を連れて帰省したので、挨拶と友人代表の紹介を! とうまく言ってくれる。


「お母様はお会いならないわ。

 私とダンテ兄様で挨拶を受けます。どうぞこちらに!」

 メイリンがにこやかに言って、奥の部屋に通される。

 

 客間みたい。

 私達はソファーに座るように促され、お茶が出された。


「オードリーとネモは会ったことがあるよね」とダイゴ。

「ああ、覚えている。でもふたりとも久しぶりだな。学校は楽しいかい?」 

 ダンテが聞いてくれた。

「はい、とても楽しいです。ネモとウォロとも同じ寮で、3人で仲良くやってます」

 オードリーがにっこりと返事する。

「それは良かった。魔法のことしっかり学んで、ミーアに持ち帰ってくれよ!」

 ダンテが笑いながら言う。


「ダンテ兄さん、メイリン姉さん。ウォルフライト王国の第2王子を紹介するよ。

 エドワード。自分と同じ2年生で寮も同じなんだ。他にティエルノとミカのふたりの2年生が一緒に来てる。

 それからランス、5年生。学校で先生をしているクラウス先生と兄弟でミーアを旅行してみたいというので、一緒に来た。

 それからウォルフライト王国の文官、マリア。

 学校の卒業生で、去年、自分とネモとオードリーが大変世話になった。今回はエドワードの付き添い文官として一緒に来ている」

 ウォロがひとりひとり紹介していく。


「ランスは5年生? すると、ダイゴと同い年か? マリアは卒業したばかりだと18歳?

 若いのにふたりともしっかりしてるな。さすがウォルフライト王国魔法学校生!」

 ダンテが感心したように言った。

 メイリンも頷いている。


「私はダンテ、第1皇子だ。20歳になった。

 こちらは妹のメイリン。第1皇女だ。16歳」

 続けて自分達を紹介してくれ、さらに話を続けた。


「魔道具のことを調べたりもしてるんだろ?

 そうそう、メイリンも魔法については詳しいんだ。

 魔法のことを話したり教えてやってくれると喜ぶと思う。

 ランスとマリアだっけ?

 ぜひ、話相手になってやってくれ。私は魔法がよくわからなくてな」

 なぜか豪快に笑うと「それでは失礼する」と客間を出て行ってしまった。


 自分の言いたいことだけ言って出て行った……。

 ちょっと不思議な人だな。


「学校のこともっとお話聞きたいです」

 メイリンがランスを見て言った。


 あ、本当に、ランスのことが気に入ったんだ。カノンもそれに感づいて……。すごいなカノン。


「どんなことでも! 気軽に話しかけてください!」

 ランスが調子よく答える。


「今夜、夕食をご一緒にどうですか?」

 メイリンが私達に言った。

 

 ダイゴとウォロがちょっと困った顔をする。

「ごめん、メイリン。今日はそれそれお世話になっている宮で夕食会の予定なんだ」

 ダイゴの言葉にメイリンが「それぞれの宮?」と言った。


「オードリーは僕の婚約者だからシズカ宮に来てもらってる。

 ランスとクラウス先生の兄弟はマイネの縁でエルメス宮でお世話になっているんだ。

 ウォロとネモの学友達とマリアはマリヤム宮」


「そうなの……。うち以外の宮にはお客様がいらしてるのね。知らなかったわ。

 教えてくれればうちの宮もお世話したのに」


「ありがとう、メイリン。でも、大丈夫だから」

 ダイゴがお礼を伝えつつ、やんわり断った。


「わかりました。でも、うちの宮にもぜひお茶や食事にいらして下さいね」

 全員に言っているようで、『いらして下さいね』のところはしっかりランスを見ている。


 まあ、王宮内だと同年代の異性の友人とかほとんどいないんだろうな。

 

 メイユウ宮を出て、馬車に乗り込むとふーっとため息が出た。

「なに、俺にも嫉妬してくれたとか?」

 ランスが言うので「は?」と返事する。

「何で嫉妬?」

「素直じゃないなー」

「素直じゃないのはランスだろ。ネモに突っかかるのはやめろよ」

 エドワードが言ってくれる。

 マリアもオードリーも頷くので、ランスは言い返せず黙った。


「ランスにメイリンからの連絡、どう来るかわからないけど、気をつけろよ」

 ダイゴがランスに声をかける。

 そういえばダイゴや陛下が前に言ってた『気』ってマッちゃんもできるみたいだよね?

 マッちゃんはミーア帝国か関係が深いのか?


『いや、ミーア帝国がウォルフライト王国より今でも古代の世界に近い考え方や思想を持っているからだろう。

 そうだな。確かに人を探したいとき『気配』を探るからな』

 

 じゃあさ、メイユウ宮でカルタロフの気配は感じなかった?

『うむ、今は感じなかったな』


 ズールは学校内にいないくても、アンを操れたし……。

 第1宮付近にはいないのか?

 でも、皇宮の敷地全体を考えると学校より広いよね……。

 あちこち移動すれば、もしかしたらカルタロフの気配を拾うことができるかも?


『そうだな。気配を探りに歩き回るのもありかもしれん』


 マッちゃんの言葉にウォロが私を見た。

『勝手にひとりで歩き回らないでよ。とウォロが言っておるぞ』


 エルメス宮に戻り、カノンがランスに飛びつくところを見てから、私達はマリヤム宮に戻り、ウォロとダイゴがクラウス先生を送りがてら説明すると話して出て行った。


 ティエルノとミカに聞いたところ、マリヤム宮にも魔道具を持つ使用人はいなかったが、ネックレスがなくなったと話していたメイドがいたそう。

 こちらもあわてて引き上げたのかも……。


「そうそう、マリヤム様に宮殿の外の庭で剣の練習する許可もらったんだ。

 魔法もすこしならしていいって。

 みんなするだろ?」

 ティエルノが言った。

「ありがとう、ティエルノ! 聞いてくれたんだ!」

 エドワードがお礼を言っている。

 

 そうか、勉強に練習。できることはしないとね。

「木剣はあるの?」

「マリヤム様にお願いしたら陛下に連絡してくれて、長剣や刀の木剣や防具を今日の夜、届けてくれるって!」

 ティエルノ、有能。仕事早い。


「じゃあ、明日の朝から練習できるね!」

 私がうれしそうに言うと、エドワードが苦笑いして言った。

「姫は参加できるのか?」

 あ……、マリヤム様になんと許可取ろうか……。

読んで下さりありがとうございます。

午後投稿する予定です。

これからもよろしくお願いします。


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