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92 ダナン到着

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 オードリーとシーラもいるので、できるだけ宿で休めるように配慮しながらも、移動していく。

 宿の部屋は女子3人部屋でけっこう楽しかった!


 ウォロは予想通り私とふたりきりになれずで落ちこんでいたけど(そんなんで落ち込まないで欲しいんだけど)、馬のふたり乗りで楽しめてたようなので良かった。

 でも、なんだか前よりぎゅっと身体を引き寄せられる回数が多い気がするが、まあ、それは許そう。


 順調に進み、5日目の昼にはダナンの辺境伯爵家に到着することができた。

 ジョシュア兄様が迎えてくれた。

 少しするとエドワード達も到着した。


 久しぶりに兄様とマリアが会うことができたんだもんね!

 マリアが最初はちょっと恥ずかしそうだったけど、すぐに以前の様に親しく話し出してほっとした。


 ハロルドが家に行くというので私もついて行くことにした。

 ウォロとミカも一緒に来るという。

 エドワードとティエルノは従者と辺境の街を観光すると言う。

 マイネとオードリーとシーラもミクラを護衛につけ、お土産を買うために街へ行った。


 久しぶりの家、ハロルドも最近はずっと王都にいたので、窓を開け軽く掃除をした。

「ここがネモが育った家?」

 ミカに聞かれたので「うん、生まれたのもここ。途中、王都に1年程いた時期があるけど、ほとんどここで過ごしたよ」と答える。

「辺境伯爵令嬢で、ミーア帝国の皇子の婚約者と聞いたらすごいお嬢様を想像するけど、ネモと会って全然違うなと思った。

 そうか、ここで育ったんだな。なんかわかる」


 キッチンで買ってきた料理を温めて、みんなでのんびり食事した。

 ハロルドにミカは学校を卒業してもこのまま私達と一緒にいてくれて従者になりたいと言ってくれていることを話した。

 ハロルドは私の父、私の母と私、そして義兄と、従者としての経験してるし、ミーア帝国にも詳しい。

 ミカがハロルドに従者についてのことを教えて欲しいと言い、ハロルドも了承したので、夕方までこの家で過ごしてから屋敷に戻ることにする。


「久しぶりに遺跡に行く?」

 ちょっと急ぎ足にはなるがそれぐらいの時間があるならと提案したが、首を振られた。


 マッちゃんも遺跡見たいんじゃないかな?

『儂はまた今度で。帰りにでも寄れればいいんじゃないか。なあ、ウォロ』

 マッちゃんがいきなり返事したのでびっくりする。


 ウォロもどこか行きたいところあったのかな?

「ん、ウォロ違うところで行きたい所あった? 遠慮しないで言ってくれればいいのに」

「……ネモの部屋に行こう。その、相談したい……」


 えっ、同じ家にミカとハロルドがいるんだけど……。

 迷っていると手を握られて、2階の自分の部屋まで連れて来られてしまった。


 うーん。

 キスして抱き合うぐらいならいいか。ウォロ、大会も試験も頑張ってたもんな……。


「わかりました。相談に乗りますが、嫌なことは嫌、無理なことは無理って言うからね……」

 私の言葉に頷くウォロ。

 急に抱きしめられてキスされてベッドに倒れこんだ。

「えっ、相談してからじゃ……」

 慌てる私に「相談してる時間がもったいない。嫌なことはしないから、その時言って」とウォロが言う。


 えっ、なんか話が違う!


 キスされながら身体を触られる。えっ、今までそんなことしてないよ!

「思ってたより柔らかい……」

 そう囁かれて自分の顔が真っ赤になったのがわかった。

 シャツとズボンという服装だったのでシャツの下に片手を入れられて、直接肌に触れられてびくっとした。

「い……」と言いかけるとキスされ、もう一方の手で頭を抱えられる。

 あ、これ嫌って言わせないつもりなんじゃ?!

 ウォロの身体を押そうとするがびくともしない。


 ずっとキスされ、胸をウォロの掌で包み込まれるように触られて頭がくらくらしてきた。

 息が苦しい。

 私は抵抗するのをやめて身体の力を抜いた。

「ネモ、大丈夫?」

 ウォロが言うので「大丈夫じゃない。苦しい」と返事して大きく息をつく。


「ごめん」

 ウォロがシャツの下から手を出し、普通に服の上からぎゅっと抱きしめてくれて、ゴロンとひっくり返った。

 私がウォロの上にいる感じになる。

「ネモが好きなようにして」

 そんなこと言われても……。キスぐらいしか思いつかん。

 私はウォロの頭の横に手をついてウォロにそっと口づけした。

 

 庭の方で門の開く音と馬車の音がして「ここがネモの家?!」とがやがやいう声が聞こえてきた。

 

 私は慌ててウォロから離れようとするがぎゅっと抱きしめられる。

「残念。これからだったのに」

 ウォロがそう言って起き上がった。

 ウォロの膝の上に私がまたがって抱きついているみたいな感じになっているのに気がついて降りようとしたら「あ、これもいいかも」と言われて、軽くキスして放してくれた。


「続きはまた」

「続きって?!」

「ネモ、嫌だって言ってないから続く」

「言いかけたら言わせないようにしたでしょ!!」

「そんなことしたかなあ。服と髪直した方がいいよ」

 ウォロが微笑む。


 私はあわててシャツの裾をズボンに入れ、鏡の前に行くと髪を梳いてポニーテールをし直し、窓を開けて庭を見下ろした。

 エドワード&オードリー達だ。

 合流して、結局来たんだ……。

 ま、おかげで助かったかな。


 お菓子を買ってきてくれたので、みんなでお茶にした。

 明日はスクエに移動し、普通ならそこで1泊するが、そのまま進んで夕方にはミーア帝国に入国しシャナンザの街まで行くことを確認した。


 辺境伯爵家の屋敷に戻ると、ランスとクラウス先生も到着していて、一休みしたところだという。

 ジョシュア兄様とマリアものんびりデートできたそう。

 帰りにダナンをまた通ってのんびりできるといいね。

 そうそう、兄様の一人称が『僕』から『私』になりかけていて、ちょっと驚いた。

『私』を意識して使うようにしているみたいだけど、雑談しているとふいに戻ることがあるという感じ。

 大人として振舞うのを意識しているんだろうな。これはマリアへのプロポーズが近い?!


 そういえば、ウォロは一人称『自分』だな。

 そのうち『私』って言うようになるのかな?

 マッちゃんみたいに『わし』も似合いそうだけど。


 ランスとクラウス先生は途中の大きな街の警備局に寄り、カルタロフ伯爵らしい人物が通っていないか目撃情報など確認してくれたそう。それで遅かったんだな。


 ダナンの手前の公爵領の街で目撃情報があったそう。

 でも、ダナンではない。

 たぶん、私の関係の辺境伯爵領だから、人目に付かないように早めに通り過ぎたのではということだ。

 

 やはりミーア帝国へもう入国していそうだな……。


 夜、オードリーが街で買ったものを荷物としてまとめながら見せてくれた。

 マイベルやカノンにお菓子や本を買っていてくれたので「ありがとう」とお礼を言う。


「久しぶりにふたりっきりで過ごせて良かったね」

 突然言われ、驚いてオードリーを見る。

「私の目はごまかせないわよ。

 というか、シーラが言ったんだけどね、

 髪の位置が違うって。それにウォロもすっごくご機嫌だったし」

 

 シーラ、よく見てるな……。

 ウォロ、そんなにご機嫌だった?!

 

 まあ、好きな人の機嫌がいいのはうれしいことだ。

読んで下さりありがとうございます。

一人称、息子の変遷がすごく面白かったので、すごく気になるんですよね。

私の作品には『わし』一人称の人がよく出てきます。

『心当たりがありすぎる』の中2の雪人ゆきとも『儂』でした。

うちの夫が若い頃からそうで……、その影響か息子は現在『俺』で時々『儂』です。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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