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91 ミーア帝国への帰省準備

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。




 2-4寮に行くとミカに驚かれた。

 ミーア帝国に帰省すること、そしてこれは例のカルタロフ伯爵絡みの件でミーアにいる兄妹の身に関わることかもしれないこと。学校を出るまでは普通の帰省として振舞うことを話した。


「俺も一緒に行ってもいい? 何か手伝えるかもしれない」

 ミカが真剣な表情で言ってくれた。

「うん、ありがとう。終業式後にすぐ出られるように旅の仕度をしておいてくれ」

 ウォロが言うと、ミカは頷いた。


「今のところ、3年の留学生マイネも一緒に帰省する予定。夕方時間あるか?

 カトレア先生の所に行くんだが、一緒に来てくれるか?」

「うん、どうすればいい?」

「じゃあ、5時に食堂前で待ち合わせしよう!」

 

 私達は寮に戻った。

 エドワード達が試験が終わった解放感でのんびりしている。


「くつろいでいるところごめん。

 ミーア帝国に帰省することになった。

 今、カトレア先生に報告して、マリアに連絡してもらってる」

 ウォロがそう話すとエドワードが質問してくる。

「カトレア先生とマリアって……。ただの帰省じゃないんだな?! カルタロフと関係が?」


 寮のみんなにカルタロフ伯爵がなぜ自由に動けなくなるのに孤児院で事件を起こしたのか気になっていたこと。

 レイモンドとアルテイシアの母親がミーア帝国皇帝の第1夫人の妹であることがわかったこと。

 今年第1皇子が20歳、第1皇女が16歳になったことで皇太子決めの話が出てきていることと関係があるとすると……。


「ダイゴは第2皇子だよな。何歳だっけ?」

 ティエルノがオードリーに聞く。

「17歳。一応ミーアでは成人として認められる年齢だけど……」

「カルタロフが第1夫人の子ども達を皇太子にするために暗躍するかも? ということか!」

 エドワードが腕組みをしながら唸った。


「ああ、ミーア帝国の皇子だからという理由以外に、第3夫人の息子の第3皇子だからということで自分達が狙われていたのなら、ミーアにいる第1夫人以外の兄妹が狙われるかもしれない。

 始業式が終ったら、自分とネモ、オードリー、マイネ、ミカで帰省する」


「何でミカ?」

 エドワードが意外そうに言った。


「ミカが一緒に行きたいと言ってくれたから」

「なら俺だって行きたいよ」

「確かにミーア帝国なんてなかなか行けないところだもんな」とティエルノも言った。

「いや、そんなに大人数で……」

 ウォロがちょっと困ったように言った。

 

 ライトとセレナが顔を見合わせている。

 私は慌てて声をかけた。

「ライト、セレナ!

 ふたりには王国に残って欲しいな。孤児院の方も気になるし。

 アンドレアス達にもお願いしていくから、一緒にお願いしたい」

「わかった。こっちはまかせて」

 ライトが言ってくれた。


 この前の出来事で7月はボランティア行けてないんだよね。

 夏休みに入ってから行けたらと思っていたんだけど……。


「5時に食堂前でミカとマイネと待ち合わせてカトレア先生の所に行くんだ」

 私が言うとオードリーが「行きながら手紙出せるね」と言った。


「そうだよ、大使館に知らせなきゃ!」

 ウォロの言葉に「もう書いた」と封筒を見せるオードリー。

「明日、9時に迎えの馬車を寄越してもらうようにしたよ。相談しに行くでしょ?」

「ありがとうオードリー。ミカも連れて行こう」


 エドワードとティエルノが立ち上がった。

「兄様達もカトレア先生の所に行くように伝えてくる。こういうことは一度に連絡ついた方がいいだろう」


 私もあわててお父様に手紙を書いた。

 少しでも早い方がいいかと手紙をオードリーと出しに行き、食堂で5時前まで過ごすことにする。

 ウォロとセレナとライトも一緒に行くと言ってくれた。


 食堂前でミカとマイネと合流しカトレア先生の研究室に向かう。

 また鍵が掛かってる……。

「ということは?」

 振り向くとマリアが向かいのドアから顔を出した。


 部屋に入ると陛下もいた。

 マリアを見ると「行くって聞かなかったのよ」と言われる。


 マリアも大変そうだな。


 アンドレアス達もエドワード達とすでに来ていて、私達は以前の時の様に敷物の上に直座りして話をすることに。


 カトレア先生が陛下やアンドレアス達に話してくれたそう。


 ウォロが、明日ミーア帝国大使館に行き、ミーアに行く予定のウォロ、オードリー、ネモ、マイネ、ミカの手続きをしてくると話した。

 するとマリアが手を挙げ「私も行くわ!」と言った。


「えっ?」

 私が驚いて声を上げると「だってエドワード達も行くんでしょ! 文官のお付きがいないとね!」と言われる。


「俺達も行くよ!」

 ランスがクラウス先生の肩を抱いて仲良し兄弟という感じで言った。

 

 えっ? エドワードとティエルノとマリアと、ランスとクラウス先生も?!


「とりあえず私達は兄弟での旅行ということにしておくよ。でもスムーズに旅ができるように、明日一緒に大使館に話をしに行きたい。いいかな、ウォロ?」

「はい! クラウス先生、大丈夫です」


 アンドレアスとアリスとアポロ、セレナとライトに孤児院のボランティアのことをお願いする。


 それからレイモンドとアルテイシアは……とカトレア先生に確認すると、夏休みも保護のため学校から出さずに過ごすことがわかった。


 それならば王都のことは心配せずにいられそう。


「本当にエドワードとティエルノ来るの?」

 ウォロが心配そうに言った。

「確かに隣国の王子が突然来るとか、ミーアにしてみたらびっくりするかも……」

 私も考えながら言った。


「あくまでお忍びというか友人の帰省について来ちゃったという軽い感じでいいんじゃないか?」

 陛下が言う。


 一番そういうことを言っちゃいけない人だと思うのですが……。




   ◇ ◇ ◇




 次の日、大使館に行くとお父様とハロルドとミクラが待っていてくれた!

 大使も交えて帰省の話をする。

 ハロルドとミクラもついてきてくれることになった。

 まだ赤ちゃん小さいのに、ありがとう!

 快く送り出してくれるジュンにもお礼を伝えてとミクラに言った。

 

 えーと結局、大人数なので、3つのグループに分かれて、まずダナンを目指すことにした。


 ①ウォロ、私、オードリー、マイネ、ミカ、シーラ、ミクラ  馬車と馬併用

 ②マリア、エドワード、ティエルノ、ハロルド、エドワードの従者  馬車と馬併用

 ③ランス、クラウス、従者  馬車


 王都からダナンまでは普通なら7日間。

 ここを5日間で行くことにする。ちょっと無理する感じかな。

 ウォロ達は馬でもっと短く行ったもんね……。


 各自のペースで早く着けばダナンでのんびりできるし、ぎりぎりに着いてもいいし、遅れてもいいようにそこで1日予備日とすることにした。


 みんな揃ったら、そこからミーア帝国に入国することになる。


 ハロルドがみんなは携帯する武器を持っているのかと心配してくれた。

 ウォロはハロルドからいつも借りていたので今回も貸してもらうことにする。

 マイネ、エドワード、ティエルノ、ランスとクラウスは持っているとのこと。

 マリアも自分で用意できるとのこと。オードリーとシーラは必要ないか……。


「私とミカが持ってない!」

 そう言うと大使がどんなのがいいか聞いてくれ、私は持ち歩きやすいの、ミカは刀と答えた。

 大使が私に短剣を、ミカに刀をくれた。

「もらっていいのかな?」

 ミカがとまどっていたが私が「ありがとうございます」とお辞儀をするとあわてて一緒にお辞儀をした。

 

 これで準備はほぼできたかな。


 終業式を終え、成績表をもらった。

 ウォロが自分のをちらっと見て私に渡す。

 実技も筆記も1位で総合1位だった。すごいね……、本当に。

 しょうがないので私のを渡す。

 実技が3位で筆記が4位で、やっぱり総合4位だった。

 私は総合4位から抜け出せないのかも……。でも、まあがんばった!

 あれ、エドワードは?

 気にはなるが今はそれより出発しないと。

 

 エドワードとティエルノは一度王城に出てから出発するそう。


「じゃあ、それぞれで過ごす初めての夏休みになるけど、頑張ろうな!」

 ティエルノがそう言うと、みんなで顔を見合わせて頷いた。


「「行ってらっしゃい!」」

 セレナとライトに見送られて私達は出発する。


 ミクラとウォロとマイネが馬で、私、オードリー、ミカ、シーラが馬車。

 ミカも馬に乗れるというので、途中でマイネやウォロと馬を交代できればという感じで、最初のうちにできるだけ飛ばしていく作戦。


 王都を抜けたあたりでマイネとミカが馬を交代した。私はウォロと交代と思ったら、ウォロは降りないで手を差し出してきたので、あ、ふたり乗りだねと思ってウォロの前に乗り込んだ。

読んで下さりありがとうございます。

しばらく朝投稿のみで行く予定です。

これからもよろしくお願いします。

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