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85 気をつけること

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなって挑戦しています。

ゆっくり書き進めていますのでお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 ということは……、ランスの方が幼いということか?!


 走ってみるとランスはいつも走ってないのがよくわかる感じで……。ライトと同じで魔法に全振りしているから剣はやってないみたいだし。


 2年とはいえ選抜メンバーの走りに付いて来られるわけはなく……。


 ミカが気にしているけれどひとりで置いて行くわけにもいかず……。

「私が付き添うから、ミカ行っていいよ」

「……ごめんネモ。こんなに走れないとは……」

 ミカが申し訳ないという表情で前を行くみんなを追いかけて行った。


「さーて、ランスくん。とりあえず最後まで走り抜きましょう!」

「もうやめて、ここから帰ろう」

「なら、置いていきますけど」

 私がスピードを上げてミカの後を追おうとした。


「わかった! 走るから! もっとゆっくり……」

「魔法対戦だって体力使うんだから今から体力つけておいた方がいいよ」

「わかってはいるけどさ……」

 まあ文句言いながらも走ってはいる。


 引き返してきたみんなとすれ違う。

「「がんばれよ~」」

 エドワード達に声をかけられた。

 ウォロとミカはちょっと心配そうな顔をしているが、私が笑顔で手を振ると頷いて走り去った。


「あー、なんか屈辱……。やっぱり俺は筋肉が必要なことは向いていないんだ……」

 走って行く2年生を見送りながら言ったと思うと急にこちらを向いた。


「そういえば、選抜試合の時、ウォロが負かしたネモにキスしたんだって?」

「そうですけど……」

「それでネモが頭突きしたんだってな!」

「そうでした。ほらスピード上げますよ!!」

「っておい! ネモ!!」


 少しゆっくり目に先を走り、おしゃべりをする間を与えずに寮まで戻ると、みんなはもう打ち込みをしていた。素振り、もう終わってんじゃん。


「「おかえり~」」と迎えてもらったので「ボランティアの話し合いがあるそうで私抜けるね」と声をかけてランスと寮に入った。


 リビングにオードリーとセレナとライトがいた。

「ボランティアの相談だってよ」と声をかける。


 次回は6月の中旬、次の休みを予定している。

 ライトとオードリーがリーダーになってくれている。

 剣術の選抜メンバーは出られないので新しい人を入れないといけない。


 ランスがこの前の幼児部で絵本のセリフを役を決めて読んで好評だったことを話し、またやりたいんだけどと話した。


「今回は初めて参加の人も多いし、児童部へ行くメンバーが少ないから、私、児童部に行くよ」

 エドワード、ウォロ、アンドレアス、ティエルノ……いつものそこらへんごっそりいないわけで。

「セレナと私とライトは児童部で。ランスとオードリーが幼児部の方見てくれない?

 だから、ランス、絵本を工夫して読むのは7月にしようよ。そうすれば練習する時間も、やっている時の人の保障もできるしさ」


「うん、ネモの意見に賛成!

 新しい人達もどれくらいやる気があるかわからないし、エドワードがいないならって断る人もいるかもだし……。メンバー表を作って調整した方がいいかも」

 オードリーが賛成してくれた。

「そうだね。幼児部と児童部で作って、来てくれる人を確認した方がいいね」

 ライトも頷く。


「なんだか剣術大会の方が中心になっちゃってつまらんな……」

「魔法対戦の時はランスも注目されるでしょうよ」

「だってアンドレアス、エドワード、ウォロなんかは両方だぜ!」

「それは彼らは両方に努力してますから」


 セレナとライトとオードリーと私でざっと名簿に新しい人を振り分けた。

 1年生は幼児部の方へ、児童部は少し学年が上の人中心にした。


「良さそうだね。

 で馬車なんだけど、セレナとライトの家に頼める?

 参加人数によってはランスと大使館にも頼もうか?」


 ライトが名簿を見ながら答えた。

「わかった。メンバーがどれくらい参加するか確認してそれから馬車のこと考えよう」


 セレナとライトがこれから生徒会室に行って、新しい人に今回の名簿を配布し、参加の返事をライトかオードリーに渡るように頼んでくれるとのこと。


 ふたりを見送って、寮には私とオードリーとランスが残った。


「ネモ、さっきの『彼らは両方に努力してますから』って俺とライトへの嫌味?」

「なんで? ライトとランスは努力を振り分けないで魔法に絞ってるじゃん。そういうことでしょ?」

 私が答えるとオードリーも頷く。

「ランス、なんか怒りっぽいよね。何かあった?」

「何もないけど……。そういや今年の夏はどうするんだ? また王城に寮で来るのか?」


 私は首を傾げてから答えた。

「さあ? 少しはお邪魔するかもだけど……」

「ネモはウォロと旅行でしょ?」とオードリー。

「うん、約束してるし。オードリーはダイゴが来るの? それともミーアに帰省する?」

「うーん、どうしようかな。ダイゴ様と相談してみる」


「いいな。婚約者がいる人は楽しそうで……」

「ランスだって恋人作ればいいじゃん」

 私が言い返すと「簡単に言うなよ……」とランスが答えた。


「エドワードと同じことを言っているよね」

 オードリーが続けてズバリと言った。

「エドワードは2年生だけど、ランスは5年生だよ。危機感を持った方がいいんじゃないの?!」


「うちはまだ兄さんも婚約してないしさ!」

「まあ職場での出会いもあるんだろうけど……」とオードリー。


「もー、わかったって! じゃあ7月は絵本をお芝居みたいにして子ども達を楽しませるのやろーぜ!!

 じゃあな!」


 そう言い置いてランスが出て行った。


「ネモ、ランスには気をつけなさいよ。

 なんか前のエドワードみたいな感じがする。変にネモに突っかかってくるみたいな」

「そうなの?」

「……まあ、最近のネモはちょっと変わったもんね」

「私、変わった?! ウォロにも言われたんだけど、全然わかんなくて」

「……女らしくなったよ。体形とか表情とか……仕草もかな」

「そういうことか。だから変な気持ちになるようになったのか?」

「変な気持ち?」

「ウォロに言われた。前は抱きついたりしてても言われたことなかったんだけど、この前『そうやって甘えて来られると変な気持ちになる』って」

「変な気持ちねえ……。具体的なこと言ってた?」

「うん? あ、その後……」

 私は大使館でのことを思い出して真っ赤になってしまった。


「ネモ、大丈夫よね?」

「何が?」

「……結婚前に妊娠したりしないようにね」

「!! そんなことはしてないし、しないよ!!」

「ネモがそう言ってもな……。夏にふたりっきりで旅行するんでしょ?

 私からウォロに釘さしておくから、ネモも気をつけるんだよ」

「……なんか、気をつけることばっかりだな」

 私はため息をついた。 


 ライトとオードリーの所にボランティアの返事が集まった。

 今回はエドワードもアンドレスも不在だし、欠席として出している人も多かった。

「みんな素直だね~」とオードリーが笑う。


 何とか幼児部7名、児童部6名を確保できた。

 馬車も3台(セレナ、ライト、ランス)で行けることになり一安心。


 アルテイシアは欠席だった。エドワードもウォロもいないしね。ほっとした。


 ウォロとはカルタロフ伯爵のことをみんなに伝えようと話しているけれど、剣術の選抜メンバーと5年生との都合がなかなか合わないうえに、剣の練習にはダリルやミカもいるしとなかなか話す機会が取れない。

 まず2-1寮のみんなには伝えることにした。

 夕食の時に話すとみんな驚いていた。

「ウォロ、皇帝になる可能性があるのか?」

 ティエルノがびっくりしたように言った。

 えっ、そこ?

「今のところ6分の1だけどな。それを言うなら兄のダイゴだってそうだ」

 ウォロが答えている。

「夏に会ったあのダイゴだよな……。ダイゴなら安心かな?」

 エドワードが思い出したように頷く。


 ん? ウォロだと心配なんか?!

読んで下さりありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いします。


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