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1 転生ガチャ?

異世界転生物を書いてみたいと思い、始まりを考えました。

1話を短めにして、ゆっくり長く書き続けられると面白いかなと思っています。


どうぞよろしくお願いします。

 


 ホームから階段を上っていた時、前を歩いていた女子高生がバランスを崩した。

 私はとっさに支えようとする。女子高生ひとりぐらいなら止められる! と思ったのだ。

 しかし、その子は友達と一緒だったらしく、必死に隣の女子高生の制服をつかみ、なんと、ふたりで私の上から落ちてきた!

 

『ふたりは無理!!』


 私は心の中で叫びながら彼女達を受け止めるような体勢になり、駅の階段を頭や背中から落ちて行って、痛みと衝撃を覚えているが、そこで意識が途切れた。


 気が付くと白いぼんやり輝く空間に仰向けに倒れていて、金髪に紫の瞳のやけに美人な少女が私を覗き込んでいた。


「目が覚めた?」

「ここは? 私、駅の階段から……、女の子達は!!」


 一気に直前の記憶が戻ってきて、がばっと起き上がる。

 あれ、大怪我してると思ったのに身体は痛くない?


「あなたは亡くなりました。高野恵実たかのえみさん。20歳、大学生。

 ここは死ぬべきでないタイミングで亡くなった人の救済のための転生のです。

 さあ、ガチャを引いて!!」


 あまりにも説明なさすぎじゃない?


 私は戸惑いながら「あなたは誰?」と聞いた。


「あ、やっぱりそこから説明しないとだめ?

 私はこのの今日の担当、女神ユーチャリス。

 ガチャを引いて転生する世界と人物を決めてもらいます。さあ、引いて!」


「えっ? あの、質問いいですか?」


 女神ユーチャリス様はめんどくさそうな顔をするが「いいわよ」と言う。


 この女神様、面倒くさがり屋なのか?

 今日の担当?

 それより、私と女子高生達はどうなったんだ?


「女子高生達は助かったんですか?」

「うん、助かった。本当はそのうちの制服をつかまれた子が死ぬ予定だったんだけど、あなたが代わりに死んでしまいました。だから久々にこの間が開かれたってわけ」

「助かったんだ、良かった……」

 私は目がウルウルしてきた。私は死んじゃったけれど、それで助かった子がいるならば、無駄死にじゃないよね……。

 

「早く引いてよ~!」

 女神様が私をガチャの前に促す。


 本当に普通のガチャだな。

 私はガチャ機のハンドルを回した。


 カコンッと軽い音がして金色のカプセルが受け取り口に落ちてきたのが見えた。


「やー、金色カプセル! 当たりっぽい!!」

 

 女神様ひとりで盛り上がってますけど?


 私はカプセルを取り出して女神様に渡す。

 女神様はカプセルをワクワクした表情で開けると中からゲームのステータス画面のようなものが空中に現れた。


 私の知らない文字や数字? らしきものが並んでいる。


「わー、大当たりじゃん!!

 地球とは違う異世界のヒロイン枠!

 あ、この星、面白い世界よね!

 このステータス、ほぼ70年前のヒロインと同じステータス!

 いいなー、大当たり!!」


 女神様はちょっと考えてから、ニヤリと微笑んだ。


「あのさあ、この転生ヒロイン枠、私に譲って!」

「えっ? は? どういうことですか?」

 私はさっぱり話が見えなくてあわてて聞き返す。


「あなたが引いたこのステータス。ヒロイン枠なのよね。

 しかも、この異世界ならたぶん王子様と結婚して王妃になるコースだと思うわ! 

 大当たりよ! だから~、譲って!」

「えっ、譲るって? 

 私の転生先ですよね?

 私はどうなるの?」


 女神様は私の両手をガシッと握ると「譲って~!」と言いながら上下にぶんぶん振る。

 私は引っ張られてガクガク頷くような感じになる。


「ありがとう~!! じゃあ行ってくる!」

 女神様はすっごい笑顔で私にお礼を言うと、ステータスに指を触れ、何やら書きこみ、金色カプセルにステータスもろとも吸い込まれるように消えた。


「!! 女神様?!」


 金色カプセルがまばゆく光り出したとたんに白い空間が暗くなり、宇宙空間に浮かんでいるような感じになった。

 そして、地球によく似た星にむかって光のカプセルが飛んでいく。


 えっ?

 どういうこと?


 光が星の中にきらりと消えた瞬間、また白い空間に戻ったけれど……。


 私はどうすればいいの??

 しばらく呆然としていたが、とりあえず叫んでみることにした。


「おーい! 誰か! 誰かいませんか? 

 誰か! 誰か、助けて~!!」


 なんの返答も物音も聞こえない。


 そして、白い空間がだんだん暗くなってきているのに気が付いた。

 もしや、このまま真っ暗になったらどうしよう!!

 私は怖くなり、泣き出した。そして、そのまま、泣き疲れて眠ってしまった。

読んで下さりありがとうございます。

次も頑張ります!

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