昔のように
宴会の終わりの頃、、、、
がーがーがー
ドゥル様が寝息を立てている。
他の男達もその場で寝てしまっている人が多数だった。
僕も日頃の疲れがあったのか、少し寝てしまっていた。
いつしか、宴会所は静かになっていた、、、
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×××「おい、リオウ」
ん、、、、
その声と肩を揺らされた事で僕は目を覚ました。
と
ジョウイ「リオウ、起きろよ」
僕を起こしているのはジョウイだった。
寝起きの僕は目をこすりながら
僕「なんだい?ジョウイ」
答えたが、頭が働かない。
ジョウイ「外、行こうぜ!な!いつもの!やろうぜ」
、、、、、、。
、、、、、、。
、、、、、、!
その言葉にハッとなる
僕「う、うん、分かった。」
ジョウイ「みんな、起こさないように静かに行くぞ」
僕「う、うん」
静かに歩くジョウイの後を僕も付いてゆく。皆んなを起こさない様。
屈強な男達がだらしなく寝ている隙間をそろり、そろりと足を忍ばせながら
僕とジョウイは集会所の外に出た。
ナナミ「、、、、、、、」
ナナミ「あらあら、ホント、元気だこと。若者は」
ナナミ姉様はその様子を横目で見ていた。
「、、、、、、、、、」
そして2人に付いていこうかどうか少しだけ思案して
ナナミ「おばさんは、もう付いていけないわ、、、」
と、5秒で諦めて
ナナミ「ふぁあああああああ」
と、大きな欠伸をしてから
眠りにつく事にした、、、、、
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集会所の外、、、少し離れた所に、原っぱの広場があった。
そこは、幼い頃から、リオウ、ジョウイ、ナナミの三人で遊んでいたところ。
そして、よくリオウとジョウイとで剣の鍛錬をしたところ。
ジョウイ「、、、さて、少しは強くなったか?リオウ」
月明かりの深夜。
僕とジョウイは練習剣を持って向かい合う。
ジョウイは口元が緩んでいる。
僕「ああ。多分もう、ジョウイより強くなっちゃってるよ。」
僕は片手に剣を持ち、少し前に構える。
ジョウイ「へへ、少し会わない間にデカイ口叩くようになったじゃねえか」
ジョウイは余裕そうだ。
剣を後ろに構え、体は僕に側面を向けている。
僕「じゃあ、確かめてみる?」
ジョウイ「ああ、その自信、打ち砕いてやるぜ」
その言葉と同時に両者地面を強く蹴り
互いの距離を詰める!
カアアアアアン!
木刀と木刀のぶつかる音が響く。
、、、練習剣と言えども、まともに食らったら骨が折れてもおかしくは無い。
しかし、そこは両者、そこそこ技量のある者同士だ。
滅多な事ではその剣を越えて相手に打ち込む事は出来ないと分かっていた。
ゆえに、剣で防がれるのなら、そのスピードを緩める必要は無い。
カアアアアアン カアアアアアン
両者の剣のぶつかる音が響く。
両者、全力で剣を振るう。
カアアアアアン カアアアアアン!
剣がぶつかるたびに腕に重い衝撃が走る。
リオウ「凄い、、」
僕はジョウイの強さに圧倒されていた。
また、引き離されてしまった、、、気がする、、、
(でも、まだまだ!!!)
カアアアアアン!!!
ジョウイ「なかなか、やるじゃねえか、リオウ!」
ジョウイ「いつも、机に座ってる、ヤツとは思えない、ぜ!!」
カアアアアアン!!!
、、、、、。
2人は、楽しそうに、
自分の成長を見せつけるように
相手の成長を喜ぶように
いつまでも、剣を振るっていた、、、、
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ナナミ「、、、、、、、」
そんな2人を集会所の陰からナナミは見ていた。
ナナミ「楽しそう、、、。良かったね、リオウ」
ナナミは1人呟き、ニコニコしながら集会所の中に戻っていった、、、、