旅芸人一座
僕「ジョウイ!!」
ジョウイと呼ばれた少年「リオウ!」
村の広場、に旅芸人の一座が腰を下ろしていた。屈強な男達が二十人ほどくつろいでいる。
ジョウイ「ははは、元気だったか?!」
僕「はは、ジョウイこそ!」
ジョウイ「なんか背、伸びたんじゃ無いのか!?」
僕「ジョウイだって!」
僕は喜びを爆発させていた。
こんなに嬉しい事は最近無かった。
と
×××「リオウ君、、、いや、族長。お久しぶりです」
と、一人の屈強な男が声をかけてた、、、その人はジョウイの父上、ドゥル様だった。
僕「ドゥル様、族長だなんて、、、リオウ、と呼んだください。」
その他人行儀な挨拶はちょっと困ってしまう。
(僕は、もっと、、、)
ドゥル「、、、、、、、、」
ドゥル様は少し考えた後
ドゥル「では、そうさせて、、、もらうかな!リオウ君!!がっはっは!」
と、5秒で態度を崩してきた。
その早い変わり身にジョウイや他の団員は苦笑いをしていた。
でも、
僕は、それが、嬉しかった、、、
ナナミ「ほらほら、みんな!」
パン!パン!、と手を叩いて
ナナミ「荷物片付けて!話はそれからにして下さい!」
と、皆んなを促す。
姉様の声に団員達がぞろぞろと動きだす。
姉様は前部族王の長女として皆を動かすカリスマがあった。
もし姉様が男に生まれていたならば、間違いなく、姉様が王として即位していただろう、、、
ナナミ「もう!こんな強面な男ばかり広場にたむろってちゃ、知らない人は逃げ出しちゃいますよ!」
腕を組み、仁王立ちする姉様はまさに王様だった。
ドゥル「がっはっは!違いねえ!お前達の顔はいかついからなあ!がっはっは!」
と、この一座で1番いかつい顔のドゥル様が姉様の言葉に賛同する。
いやいや、言われてるの貴方だから!、と皆んなの心が一つになる、そして
その言葉がどうにも面白く、みんな我慢出来ずに大笑いしてしまった。
わはははははは
その笑われたドゥル様は
ドゥル「なんだ?俺がおかしい事言ったか?がっはっは」
なんて、笑われている事なんて気にも留めない。
ドゥル様がいるだけで場が賑やかになる。
僕はこの状況に幸せを感じていた。
そして
(ジョウイも、年取ったらあんなイカツイ顔になるのかなあ)
ふふ、、
と、ジョウイの顔を見ながら、ふと、にやけてしまっていた、、、