表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/19

自由研究追い込みユウタロウ

 翌朝。コンビニでシュークリームを手に入れたユウタロウ。


 異界。昨夜の事で集まる面々。


「変な感じがしました!コロシニイクヨ先輩!」


 ブッ!念波が途切れた時を思い出す、めりぃ。


「邪魔が入った?そんな事、あるのかなお菊先輩、どう思われますか」


「そやなぁ……、あちらさんにも、ひょっとしたら、うちらとおんなじモンが、お側にいはるのやもしれん、それは、縁あるモンや。ソレが邪魔しはったんや、なんぞ、思い当たる事ないか?」


 スゥぅ……、垂直に浮かび上がる市松人形のお菊先輩。


「ええ?」


 キョトンとするめりぃ。知り合いなんていたっけ?めりぃは、その他大勢の『かわいい♡めりぃ』を思い出す。


 箱が歪んでいない、その他大勢。

 箱が破れていたから、ワゴンの上においやられていた自分。


「あー?なんか、ヤな事思い出しました。」


「ヤな事?どんな事?もしかしてイケメン細マッチョ、ゴリマッチョを巡っての三角関係?恋の相談なら任せて!めりぃちゃん!」


 ウキワクとし、身を乗り出すどすこいオネエ先輩。


「ヤ、そんな事ではなく、同じワゴンの上に、いけ好かない『クマ』がいたんです」


 ……、アイツも首に巻かれたリボンが『汚れあり』で、半額ワゴン(地獄の一丁目)にいたのにさ、私のことボロとか、ボロとか!ボロとか!  


「へえ?その『くまはん』、どうなってん?」


 キロリ。黒玉の目玉に光が宿るお菊先輩。


「えっと、アイツは確か買われたんだっけ、わたしの代わりに……、ハッ!男の子だった!まさか、ユ、ユウタロウ?」





 ――、フ。ユウタロウ殿、昨夜は、しかとこのクマゴロウが、お守りいたしましたぞ!


 両親が居ない昼の時間は、リビングで過ごすユウタロウ。フローリングに腹ばいになり、数年後の自分が見たら、黒歴史として封印しそうな表紙のノートを広げ、何やら書き込んでいる。


 クッションの上には、アヤカシ化を遂げたクマゴロウが、ちょこんと座っている。


「ねぇ、クマゴロウ。昼間っから、幽霊とか、妖怪とかって出るかな?」


 ……、ユウタロウ殿!目の前に居るでござる。


「電話かけてみようかな」


 ……、折り返しは、拙者が『切る』でござる。


「うーん、あ!『公園でかくれんぼ事件簿』見なくちゃ!テレビ、テレビ、お母さんいない時じゃないと、見れないもん」


 ペンやノートを広げたままで、ネット接続してある『密林特別』を見る事にしたユウタロウ。


 お気に入りのホラーアニメの時間。この番組は、ちょっと内容がけしからんと全国PTA連合から、要注意を受けていた。


 ウキワクしながら見ているユウタロウ。頭の中では、電話かかってこないかな。期待でいっぱい。


「クマゴロウ、メリーさんって知ってる?」


 ……、知ってるも何も、ヤツは敵でござる。


「自由研究、仕上げたいんだ!電話かかってこないかな」


 ……、自由研究!それは『宿題』というモノでござるか!拙者はユウタロウ殿、側近くに控えておるので、知っているのでござる。


「これまでのことや、ヨリちゃんに教えてもらった事は、ノートにまとめたんだよ、あとは……」


 ……、なんと!ユウタロウ殿!まだ終わっていないでござるか!


「うーん。やっぱり夜かな?でも玄関開けて、お母さんに見つかったらうるさいし」


 ……、知らぬでござるが、夜のほうが、何やら力が強い気がするでござる。


「……、やっぱりお母さんに話とこ!去年だって、踏み切りについて行ってくれたんだもん!変な自由研究しないって、怒らないよね、お母さんだって、『小説家になっちゃえ』でホラー小説書いてるの、僕知ってるもんね、ヒヒ!」


 ジャジャジャジャーン。続く。画面から音楽とセリフ、あー面白かった!番組を見ている間に、計画を立てたユウタロウ。


 仕事が終わり帰ってきた母親に、どう言おうかな?セリフを考えながら、冷蔵庫からジュースを出すべく、そこに向かう。


 中にはシュークリームがちょこんと座っている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] お母さんはなっちゃえ作家だったのかwww ホラージャンルではそこそこ有名なのかな?w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ