魔王の考え
勇者「くれぐれも、魔物達には人間を襲わないように言い聞かせるんだぞ?」
魔物使い「アンタ魔王のくせに弱いのに、魔物達が言う事聞くの??」
魔王「魔王に必要なのは強さだけではなく、懐の広さも必要なのだ。我は確かに弱いが懐の広さだけは随一なのだ!(ドヤァッ)」
格闘家「自分で言うな!」
――――――――――――ようやくお互い落とし所が見つかった矢先………。
魔王の衝撃的な発言でまた……雰囲気は一変してしまう。
魔王「勇者よ…………。我にはやりたいことがある。おぬしら人間についてもっとよく知りたい。故に旅に出たいのだ。」
――――――――――――――それまで穏やかだった3人の顔が一気に強張る。
勇者「ふざけるな!それじゃ見張りを置く意味がないし、さすがに看過できないぞ!!」
魔王「待て待て。こういうのはどうだ? 我の家臣と見張りの者と我の3人で一緒に旅をするのだ。」
魔法使い「家臣?誰よそれ?」
魔王「おい!ドニスよ!出てこい!!」
物陰に隠れていた家臣ドニスが怯えながら出てきた。
ドニス「私は魔物の戦士ウォーリアのドニスでございます。此度は我等魔王様がご迷惑おかけしました……。もちろん
私も無害ですっ!!!!!」
勇者「二人を見張るとなるとただの兵士には荷が重すぎる。俺がコイツらを見張りながら旅をするよ。」
魔法使い「あなたが……?何故そこまでするの?」
勇者「これまで色々な事があった。それでもやっと魔王城に辿り着いたのに………。魔王は弱いし戦いたくないと言う。今まで魔王を倒す為に戦ってきたのに……。こんな方法で本当に平和が保てるのか、コイツらは信用出来るのか俺自身が見極めたいんだ。」
格闘家「お前がそこまで言うなら俺達はもう何も言わない。だが…………。コイツらがおかしな事した時は分かってるよな?一緒にいても情なんか持つなよな。」
勇者「分かってる。その時はコイツらを倒すだけだ。いつでも勇者として、平和の為に行動する。それだけだ!」
魔法使い「それじゃあ、私達はもう行くわ。事の顛末を報告しなきゃだしね。」
勇者「あぁ。報告は頼んだ。まだ分からないから、魔物達には気を付けてな?」
格闘家「おぅ!」
―――――――――――魔法使いと格闘家は去っていった。