おまけ
宇宙人の恋に関する証言集。
***宇宙人の友達の証言***
圭介はクリスマスに “みはる”ちゃんにメールを送っちゃったらしいけど、その時にはもう好きだったんじゃないのかな。でも、圭介自身も自覚がないから、何で送っちゃったんだろ、とか考えてたみたいだよ。
で、超新星に対しての暗黒星雲の画像でノックダウンされたみたいだね。まあそれにも自覚がなかったみたいだけど、タケノシンのおかげで気付かされたって。あんな真っ赤な顔の圭介初めて見たよ。
えーと、みゃーちゃんは元々圭介のことに興味があるみたいだったけど、関わりたい訳じゃなさそうだし、そういうのはないかな、って思ってたんだけど。
みゃーちゃんが“みはる”ちゃんだってわかってみれば、その理由がよくわかったよ。
でも、よくよく考えてみたら、趣味はあうし、掛け合いの息もぴったりだし、何より圭介はみゃーちゃんの内面を既に好きになってるし、ベストカップルかな、と思うわけ。
え? みゃーちゃんの気持ち?
たぶんさ、みゃーちゃんは案外押しに弱いと思うんだよね。だから何とかなるよ。
え? 俺? 押しに弱いかって? …いや、俺モテないから、そんな場面になったことないし。これからもなることなんてないんじゃないかな。それ、どうでもよくない?
…どうでもいいなら聞くなよ。
***偽勇者の証言***
みゃーちゃんが私以外に連絡先を全く教えてなかった理由がよくわかったわ。
八代がのんきにみゃーちゃんは“みはる”って言うんだって、って言ったとき、八代が1年も名前を勘違いしてたことに呆れたわ。
けど、こんなに“みはる”って名前の人がよくいるものね、って話から、ケイスケ先輩の元カノの話とか、ケイスケ先輩が宇宙人って名乗ってた話とか、どうでもいい話になって…。
でも、宇宙人って言うのがどうも気になって何だろうって考えたら、みゃーちゃんのアドレス帳見たときに宇宙人って名前があったの思い出して、それを八代に言ったら、実は気になることがあるんだけど、って八代も言い出して、ハレー彗星の同じ画像をケイスケ先輩もみゃーちゃんも持ってたんだよね、って。
気になるなら何で本人に突っ込まないのか聞いたら、二人とも宇宙バカだから同じ画像持ってんのかな、って結論付けたとか言ってるの!
あんた女子力足りてないんじゃないって罵ったら、“私”は男だとか主張するんだからややこしい。
え? 八代に告白されてるだろうって? その話するなら、もうこの話は終わりよ。
***男の娘の証言****
みゃーが“みはる”さんだなんて、運命ってあるんだな、って本気で思った。やっぱりロマンスは身近にあるんだな、って。
みゃーはものすごくさばさばして色んなことに興味がないふりしてるけど、結構ロマンチストだと思うんだよね。
何と言っても星が好きだし。
え? 他に?
いや、ケイスケ先輩がみゃーを好きだって言うのは、なんか未だにピンと来ないんだけど。
いや、何て言うか…あの顔を赤くしたケイスケ先輩と、目の前でみゃーをいじろうとするケイスケ先輩が一致しないと言うか。
ケイスケ先輩がみゃーに甘いのも想像できないし…。
だって、“私”と那奈ちゃんの会話から導き出した“みゃーがみはる説”を展開した後、那奈ちゃんの持ってたみゃーのメルアドとケイスケ先輩の持ってた“みはる”さんのメルアドが一致した時のあのケイスケ先輩の顔!
ものすごく悪い顔してたの。
“私”なら好きな人だってわかったとき、あんな顔しない。え? どんな顔だって?
え? 興味がない? …“私”の話も聞いてよ。
***宇宙人の証言***
最初はタケノシンたちの話を聞いてマジかよって思ったけど、メルアドまで一緒だって分かって、あいつのことどう料理してやろうって思ったわけ。
え? 単に苛めるつもりだろうって?
違うよ。あれだ、小学生が好きな子をいじめる気持ちが今なら分かる。
気を引きたいんだよ。
だってあいつ俺に恋愛感情ないだろ。
え? あいつのこと本当に好きなのかって?
“みはる”があいつだってわかったら、何だか納得したんだよ。距離の取り方が一緒だよな。
そもそも“みはる”の顔も何もわからない状態で好きになってるんだし、あいつとの言い合いも楽しいし、好きでいいだろ?
何? ちょろいって? …そうだよ、ちょろいよ。悪かったな。
だけど、自分から好きになる相手は初めてなんだよ。
え? だったら苛めて嫌われたらどうするんだって? 大丈夫だろ。あいつ本当に嫌いな人間とは関わろうとしないから。
意外とわかってるなって? あいつそういうところはっきりしてるだろ。
え? 苛めてたらあいつと甘い雰囲気にならないだろうって?
ほっとけ。
そもそもあいつが甘えるとか…想像もつかん。
え? それでも好きなのかって?
俺の勝手だろ。
***火星人の証言***
何よ今さら。私に何が聞きたいって言うのよ。
え? 何で最後までメール相手のみはるだって言い張ったかって?
…そんなの、圭介さんと別れたくなかったからに決まってるでしょ?
何? 正直に言えば良かった? そんなの無理よ。私じゃない“みはる”と比べられ続けるのなんて無理。
え? 圭介さんは気づいてなかったでしょうね。無意識で比べられるのなんて、本当に最低。
…今となれば、しがみつかなきゃ良かったって思うわ。だって今ラブラブだから。やっぱり女は愛するよりも愛される方が幸せって本当なのかも。
え? どうして私がビッチなの?
変な言いがかりつけないでよ。圭介さんとは清い交際でした!
え? イチャイチャしてたんだからそんなわけないだろうって? そんなわけあるんです!
私は…そうなってもいいと思ってたわけだから、ちょっと過剰だったかもしれないけど、圭介さんはお互い初めてのカレカノだからゆっくり進もうって…全然手も出してくれなかったし…。
結局、圭介さんはメール相手の“みはる”って子を理想化しちゃってたのよ! そんなのに勝てるわけないじゃない!
気分が悪いわ。もういくわ!
***宇宙人の証言②***
え? あいつが地味だけどいいのか、って?
まあ、見た目を好きになったわけじゃないし、別に地味だろうが派手だろうが構わないけど。
正直、超新星に対して暗黒星雲が返って来るとか思わなかったし。あれは、狡いだろ。またメール送りたくなるよな? え? ならない? …俺だけ?
とにかく、可愛いとか、可愛くないとか、どうでもいいわけ。俺が惚れたのは中身だから。
でも、クリスマスの時の格好とか見る限り、着飾ればそこそこ可愛いんじゃないの。
…でも、あいつがモテたら困るから、ああいう格好は俺の前だけでいいけど。
まあ、あいつのことだから、ああいう服はあんまり持ってないんだろうから、心配する必要もないだろうけど。
え? 服をプレゼント? …ああ、まあ、何かのタイミングでやってもいいけど…。
は? 女性に洋服を贈る意味を知ってるかって?
何で答える義理があるんだよ。
顔が赤い? 気のせいだろ気のせい。
俺だって彼女がいたことだってあるんだから、そこまでうぶじゃないし。
は? 証言が取れてますって? 何のことだよ。は? 何で元カノから話聞いてんだよ。
嫌だね。俺はこれ以上答えないよ。
完
リハビリで何か書こうかと思ったはずなんですが、結局今日は旧作を掘り起こしただけに終わりました……。
ただ、今朝方、「あ、これ小説のネタになるわ」と思って慌ててガラケーのメモに寝ぼけ眼でメモしたんで、書く気だけはあるんです。
でも、そのメモを読み返したら、はて、これ一体どこで使えるんだ?設定でした(笑)。
……夢見て思いついただけはある。
書けそうな気がしない(笑)。
気持ちだけは小説書くことに向き始めてきたので、気長にお待ちいただけると嬉しいです。