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barrio battle Fukuoka  作者: 潤翔
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school life②

声の方向を向くと入口に3人学生が立っていた、真ん中にいるのは恭弥だ。和希さんが言ってたblasting crewは彼ら、だが2人は先日のミーティングでは見かけていない。


「久しぶりだね恭弥、こんなとこで何してんの?」


「学校帰りにカラオケ行って、といった感じだな。普段は西新で遊ぶことは無いけど。」


恐らく偵察だろう、麗花が教えてくれた通りだ。遊びに行くには恭弥の学校からだと遠すぎるから嘘だとすぐに分かった、とはいえジャケットは着ていないので断定は出来ない。


「お前は買い物か、一人暮らししてるんだもんな。」


「まあね、毎日だと嫌になるよ。」


適当に誤魔化した。それよりも恭弥の後ろで2人が何か話している方が気にかかる。ここで仲間を呼ばれたら和希と悠斗だけでは対処が難しい。


「恭弥、地元の友達と久しぶりの再会なんだろ?俺ら先に帰っとくからゆっくりしてきなよ。」


「そうだよ、じゃあまた明日学校で。」


アッサリと2人は帰っていった。blasting crew関係では無いのだろうか。恭弥は悪いな、と一言告げた後悠斗と2人で商店街を歩き始めた。


「天神に行ってコーヒー飲みながらでも話をしようぜ、久しぶりに話したいことが色々とある。西新よりもそっちの方が良いだろ。」


恭弥の方から提案してきた、チームに所属している者同士として話がしたいということだろう、mellowsの領域である西新はblasting crewとして部が悪い。


和希さんに天神に向かうとだけメッセージを打ち、悠斗と恭弥は地下鉄に向かう。天神駅を出て南方面に進み脇道へ入ると喫茶店が見えてきた。スマホを確認すると後は頼んだと一言だけ通知が来ていた。


時刻は16時半、着いたカフェに客も一通り引けたようで片付けに取り掛かっている、夜に向けての準備で忙しそうだ。人目につかないように恭弥は奥の席へ向かった。


「ここ良いだろ?落ち着けるんだよな。店にとっては良くないんだろうけどさ、味も良くて安いのに皆チェーン店に行きやがる。」


ファミレスと見紛う程豊富なメニューだ、恭弥はその中からコーヒーとワッフルのセットを2つ注文した。


「悠斗、これからお前はどうしたいんだ?俺が言いたい事は大体わかるだろ。」


店員が引けてすぐに恭弥は口を開いた。


「俺は恭弥をblasting crewから辞めさせる、そしてblasting crewを潰す。」


「よく幹部である俺に言い切ったね。まあどこのチームの奴らもそうだろうよ、俺達のポジションを狙ってる。」


「それだけじゃない、福岡からチームを無くすよ、最後は俺達も解散させる。」


「面白いじゃんその考え、今のmellowsにそれだけの力がある様には思えないけど。でもこの前は下っ端がヘマはノーカンね。」


注文したセットが並べられる、お互いコーヒーとワッフルを一口ずつ頬張った後話は再開された。


「俺は中学からこの世界に飛び込んだ、普通では無いけど毎日が楽しくて仕方がない。悠斗もわかるやろ?」


「知らない内に福岡で起きている事がわかったよ、確かに楽しい。かといって続いて良いわけでは無い。」


「もう少しこのカルチャーに踏み込んだらわかるよ、まずはそこまで来い。」


お互いのコーヒーが無くなる頃合いで新しく客が入ってきた、2人は気付かれないよう少しだけ声を抑える。


「悠斗。これからはblasting crewの恭弥として接していくことになる。他のチームに潰されんなよ、お前らを潰すのは俺だ。」


「blasting crewこそね、まあ潰されたら俺には都合が良いけど。」


「そういやmellowsの奴らも何人か商店街にいたな、ジャケットを着てなくてもわかる、一応早良区だし俺らも区域内では身を弁える行動する。」


「けどジャケットを着てた時は・・・」


悠斗がまだNO ジャケットであることには触れない。ちょうど窓から車が店の前に停まってクラクションの音が聞こえた。


「迎えが来たな。またな悠斗、この街を楽しもうぜ。」


店を出ると迎えの車に乗って去っていった、車が見えなくなった後通りの隅から和希さんが現れた。

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