会話とかいう殴り合い
「えーっと、ここで職を探せると聞いたんですけど……。」
訝しんだ表情で、受付に聞いてみる。
さっきのメイドさんだ。
「えぇ、確かにここは職業斡旋場ですけど……。」
何なんだ、このメイドは。
さっきから言葉遣いもどこかおかしいし、歯切れもよくない返事だ。
……美人だけど。
「ここは斡旋場であってますか?」
最重要事項の確認。
なんでメイドが職業斡旋場にいるんだ。
「はい。ここは見習い専門の家事ギルドです。お客様は……、初回の様ですので、当ギルドについて、説明いたしましょうか?」
やはり、言葉の、フインキなぜか変換できない、は、優しいが、どこかチグハグさを感じるな。
「ああ、頼む。」
なら、こっちも敬語、丁寧語は無しだ。
「当ギルドは、先ほども申した通り、見習い専門の家事ギルドです。」
「私共は、家事、育児、ガーデニングなどの業務をお客様より受注し、構成員に職を斡旋しています。」
なるほど。
しかし、見習いとは……。
「上位のギルドになりますと、お屋敷へのお仕えや、パーティの管理などの依頼もあります。して、お客様はどういったご用件で?」
途中までは素晴らしい説明だったがやはり、最後は言葉にとげがあるな。
しかし、よく考えれば当然だ。
向こうは要件を聞いているのに、俺は答えていない。
そりゃ、失礼に当たるってもんだ。
「……これは失礼しました。あなたの慧眼の通り、職を紹介していただきたく、こちらへと参らせていただきました。どうか、ギルドへの登録を許可していただけますでしょうか?」
言葉と共に、跪き、目を閉じる。
――決まった!
……??
受付からの返事がない。
目を開けて、見上げてみる。
「……こ、怖いです。」
!?