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ご覧のチャンネルはそのままで!……ってね。

街であるうわさを聞いた。

なんでもユリウスというものが突如として満月の夜を当てたというのだ。

これは予言で、信託で……と、信者の間では評判だった。

……皮肉を込めて。


今日はまた、あのおっさんの店で飯を食っている。

結局、行きつく先はここだったのだ。


「ユリウス・ホワイトねぇ……。胡散臭いったらりゃしねぇ。」

「マスターは信じちゃいねぇのか?」

「俺にはどうも……、肌に合わんようでな。それに、鮮血の夜は研究で周期が分かってる。満月の晩も逆算できらぁ。」


確かにそうだ。

何故、信徒たちはこうも熱心に噂を広めているのだろうか。


「はい、こちら、クラーケンと春野菜の油煮……、です!」

「ありがとう。」


あぶらに……、アヒージョ?

まあいい……、食べればすべてが発動する……。

うまい。

野菜の甘みとクラーケンの出汁が絡み合い、互いの味を引き立ててある。

食感も野菜のシャキシャキ感と、クラーケンの弾力がある。

野菜はあえて半生にしてあるのだろう。


「……にくい仕事しやがって……。」

「あぁ?」


おっと涙が。

怪訝そうな顔でタコおやじに見られる。

いいんだ。

さりげない火加減なんて指摘しなくても。

俺は客で、あっちは店主と店員なんだ。

それでいい。


「街の中心部ってどこにある?」

「ああ、なんだっけか、視察か。罠屋のおやじにあったんなら、そのあたりに行けばいいんじゃないか?」


なるほどねぇ。


「今夜もいい料理を楽しみにしてるよ。」

「へっ、言ってろ。」

「また、なのです!」


行先は決まったな。



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