前日譚の俺の命
「で、どうするんだ。こんなところに連れてきて。」
こ ん な と こ ろ と は少々礼に失するとは思わんかね??
「あ、そう。じゃあ。」
ちょいまてぃ!
なんか110番しようとしてない??
「え、うん。神様に対抗するには文明かなって。」
ええい、破壊する。
そんなカードゲームのテキストみたいな……。
俺の右手の中で爆発が起こった。
「おいおい、下手するとケガするだろ!!」
いいか、今からお前の『これから』を話す。
運命の書によるとだな、お前さん、さっき買ったグミがのどに詰まって死ぬ。
「へ??」
いや、だから、夏場で熱くなったグミを食べるんだ。
ただ、暑かったからか、大きな一つの塊になってて、それを無理やり食べようとして死ぬそうだ。
「はぁぁ??」
ただ、その死に方をよろしくないと思っての、どうじゃ、運命ごと別の世界に行ってみんか??
「そうすれば、くだらねぇことで死なねぇんだな??」
口悪っ?!
まあ、うん。
そうだけど……。
「しゃあねぇ、じゃあ行ってやろう。ただし……。」
何じゃ??
「ここまでのことを言ったんだ。ドッキリだったら許さねぇぞ。」
じゃあ、お主が喉に詰まらせるところまで時間を送ってみよう。
ほれ、後ろを見てみろ。
「ん??」
そこには苦悶の表情を浮かべ、夏日に熱せられた駐車場でもがく俺の姿が。
「ああ、そういうことか。」
「じいさん、俺、別世界とやらに、行ってみるよ!!」
……よかろう、では、行ってこい。
「ああ!!」
うむ。
「ああ!!」
うむ。
「……??」
ん??????
「……どうやって行くの??」
たっはー!!神様忘れてた。
あっち向いて。
「ん、こっちか??」
ハイドーンッ!!
「なにビーム撃ってんだ、ジジィッ!!」
ほほ、これで少しは楽しくなりそうだ。