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教団
くそ重たい罠を屋敷まで運ぶ途中、妙なものを見た。
宗教団体だ。
白い衣をまとって、顔も隠しているような連中だった。
道中、あまりにも荷物が重いので、演説とやらを聞いていたのだが……。
彼らは月の住人で、月が満ち欠けを繰り返すのは、人々の心が邪だからなのだという。
月が満ちるとき、人々の善の心は最大になり、皆で祝おう、というのが今回聞いた演説だ。
……明日は不吉なブラッドムーンなんですがそれは……。
演説を聞いていたのは教徒以外では俺だけだったらしく、勧誘用の白衣と教えが書いてある本を渡された。
まあ、邪魔をしなければいい。
今夜の狩の、な。




