記憶
罠を調達し、別邸にて生活することを決めた俺は、この世界に来た理由を考えている。
神を名乗る爺さんに、この世界に飛ばされたわけだが。
しかも、謎のビームで。
そして、ギルドに登録するとき、再び現れた。
文字を読めるように加護を与えて……。
真の目的だが何だが、それを達成すれば、元の世界に戻れるらしい。
「思い出せ……。」
ベッドに横たわり、考える。
あの日のことを。
そうだ、運命の書だとか言っていた。
それに書いてあったらしい俺の死因。
グミを喉に詰まらせての窒息死。
運命ごとほかの世界に運ばれた……。
「運命ねぇ……。」
どうしようもなく理解が追い付かない。
爺さんの言う目的もわからない。
幸い初日にしてギルドから職に就くことはできたわけだが……。
しかし、言い方が気になる。
運命ごとほかの世界に運ぶ、何か別の意味が?
そういえば、のどに詰まらせたグミはまだあった。
ポケットから出てきたので、屋敷の人たちに洗ってもらい、グミは木製のコップに入れてある。
これがグミでない可能性を考えたが、何度見てもただのグミだ。
明日は罠ができるまでに空いた一日だ。
この世界についてみて回ってみよう。
何か、発見があるかもしれない。




