耐荷重:クラーケン級(クラス)
「おっちゃん、この網はクラーケン用って話だけども……。」
酒場で聞いた罠屋まで来た。
ただ、港町だからか、やはり海の生き物に対する罠ばかりだった。
「ああ、そいつか。耐荷重は悪くない。大型船クラスのクラーケンの重さにも耐える。」
職人らしい、無骨な話し方だ。
だが、それがいい。
「陸地の生き物に使えないかな?」
「……おまえさん、変なことをきくね。どれどれ……。」
確かに、変なことを言っている。
この網はクラーケン用だと言われて帰されるかもしれないな。
「まあ、クラーケン用なんだ。重さでちぎれるなんてことはないだろうが、いったい何を狩ろうってんだ?」
「ああ、それがまだわかってないんだが。グラーニン邸にでる害獣だよ。」
「グラーニン邸宅ぅ?」
あ、やっぱりこのあたりでは有名なのかな。
「あの爺さんが……、なるほどねぇ。一応、落とし穴用に作れるが……。、どうする?」
その瞳は輝いていた。
どうやらヘンな仕事だが、それゆえに職人魂に火をつけてしまったようだ。
「ああ、金はあるから、とにかく頑丈に作ってくれ。」
「まいど!まぁ、今あるくくり罠と、その応用で行けるか。二日後に取りに来てくれ。」
「ああ、頼んだぜ。」
こうして、罠屋のおっさんとも仲良くなった。
この街には幼女とおっさんしかいないのか?
……しかも、いいおっさんだ。




