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罠屋
「で、だ。今日は買い出しなんだが、でかい獲物相手に効く罠を売ってるところはあるかい?」
「罠?なにか変わった仕事のようだな。」
「ああ、でかい屋敷の畑を荒らすやつを仕留めろ、とな。」
ジョッキに酒を入れて持ち運ぶおっさんに聞く。
「そうだな。このあたりなら、海辺に出るヤツ専門の罠なら打ってるところはいっぱいあるが……。」
なんじゃそりゃ。
港町なのか?
「じゃあ、そこでいい。教えてくれないか?」
「そりゃ構わねぇが……。」
「またこいよ。」
「またなのです。」
こうして俺は、罠を求めて通りを歩くのだった。
ここが港町だったとはな……。
まあ、でかい網があれば行けるか?
害獣の駆除としか聞いていない。
獲物の重さに耐えることができる罠が見つかればいいのだが……。




