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猟機兵装 - 思いつきの記録 -  作者: イワトノアマネ
21/45

21. フレッシュセット2

フレッシュセットの続きです。

スカーレット22(後編)で、倒されるの確定ですが、死んだとは書いてません。

ってことで、活躍させてあげます。今回で終わりません。続きます。


 駐屯地に到着したぼくらは、トレーラーから機体や、補給物資を降ろし始める。

 ぼくは猟機兵装アーマーのシートに座り、起動作業をしていると、短いサイレンが何度か聞こえた。


 開いたままのハッチから頭を出して放送を聞く。


「……ポイントS9に敵発見。精神スピリット中隊が交戦開始。ファング中隊の猟機兵装アーマーは全機出動せよ」


 ファング中隊は義勇軍部隊。

 彼らが出撃するなら、ぼくらが出撃することは無いだろうと、勝手に思い込んでいた。


「――ここは、まだまだ大丈夫だ」


 ついさっき聞いた運転手の言葉もあって、そう思ったのだろう。

 いや、そう思いたかっただけなのかも知れない。


 次々と格納庫から出てくるバイオレット11。

 道路に出ると加速して、森に消えて行く。

 

 ぼくらは作業を続けた。

 炎天下の駐車場に機体を並べて膝をつかせ、機体の自己診断結果に異常が無いことを確認してから、機体を降りた。


 周囲を見ると、ぼくらを乗せてきたトレーラーは、すでにいなかった。

 

 とりあえず、全員が終わるまでは休んでようと機体を背にして日陰に座った。


 目の前を1台のトレーラーが通り、格納庫へと入ってゆくのが見えた。

 故障かと思ったが、シートで覆われているのが気になった。


「セイジ、早いわね、異常なかった?」

「うん、委員……アイは?」

「アリガト、こっちも大丈夫よ」


 委員長といいかけたぼくの顔を見ながら、少しイジワルそうに口を尖らせている彼女が隣に座った。


「ねぇ! あれ、何だか知ってる?」

「いや、なにも」

「アレ、新型らしいわよ」

「へぇ~そうなんだ」


 新型には興味が無いわけではないが、ほかのことで頭がいっぱいだった。

 なんの迷いも無く隣に座った彼女の横顔を見つめていたから。

 

 ぼくの視線に気がついたのか、彼女がこちらを向いて視線が合った。

 慌てて視線をそらすと、彼女がぼくを覗き込むように、視界に現れる。

 

「セイジって、こういうの苦手だろうなって。だから、おもしろい」

「あっ、はい……」


 彼女はぼくの照れたりする反応を楽しんでいる。

 そのことは、これまでに何度もされているから、わかっている。

 だけど、ぜんぜん慣れない。

 

 からかわれているのに、憎めない。

 それがなぜなのか、ぼくはわかっている。

 なのに、どうすればいいのかわからなかった。




「第801補充部隊。全員格納庫前に集合!」


 補充部隊の隊長が小型車両に乗って拡声器で叫んでいた。

 

「行きましょ」

「あっ、うん」


 格納庫前までの僅かな距離を駆け足で向かい、ついたときには決まっている顔を周囲に感じながら整列していた。


「着いて早々だが出撃してもらう。出撃と言ってもこの駐屯地を守るために、周囲の森に入って敵を迎撃する部隊と、ここで迎撃する部隊に別れて待機するだけだ」


 補充部隊の隊長は敵なんかここまで来ないことを前提にして訓練気分で話を進めていた。

 それに変わって話を始めたのは、ココの守備隊長だった。


「敵がここまで来た場合、私の指示に従って戦ってもらう。だが、決して無理はするな。それとパイロットに言っておくことがある。現在接近しているのは奇襲部隊だ。もし、ここにたどり着いても、やつらにトドメを刺すほど弾も時間も余裕は無いだろう。だから、もし機体が損傷し倒されたらテンキーでコード111と入力し実行。そのまま待機。いいな」


 聞いたことの無いコード番号だった。

 同じように考えた彼女が手を上げた。

 

「んっ」


 守備隊の隊長が彼女を見てすばやく顎を引くように頭を小さく動かした。


「コード111を実行すると、どうなるのですか?」

「武器を捨て、死んだ振りだ。敵に、ここをそのまま制圧するほどの戦力はない。だから、生きてさえいれば後で必ず助けてやれる。無茶して死ぬな!」


 コード111が教練で教えられない理由はなんとなく理解できた。

 こんな卑怯者と言われるようなネタを学生が知れば、からかって遊ぶやつが出るからだろう。


 話が終わり、ぼくと彼女は機体へと並んで駆けだした。

 ぼくと彼女は森で迎撃任務に着くことになった。

 

 コウタは新型機を降ろす場所を確保するために、格納庫の奥に散らばっていた中古の装甲坂を積み上げる作業を手伝うように言われ格納庫の中へと消えてゆく。


  ◇


 格納庫の奥に新型機を降ろして、点検作業を始めた整備員。

 そこにコウタ達、新人整備員が集まり手の開いている整備員に質問していた。


「あの、質問してもよろしいでしょうか?」

「おっ! 君達は新人だね。私はこの機体の整備班長。何でも聞いてくれ」


 男は若いコウタ達を見て、胸を張っていた。


「あの新型機のパイロットは彼ですか?」

「いいや、あいつは専属の整備担当さ、あいつに戦闘は無理だ」

「じゃあ、誰が乗るんです」

「そりゃ義勇軍部隊、牙のエース、荒野の牙さ!」


 コウタは軍の学校で聞いていた。国を失っても戦い続けている者たちの話を。

 

「あの機体は敵のラピッドアーマーと同じく飛行能力を持っている量産機バイオレット21のカスタム機で名前はスカーレット22。荒野の牙が乗る専用機だ」

「専用機ですか……やっぱり通常の3倍で動いたりするんですか?」

「残念ながら、それは無い。けれど、いろいろリミッターとかの数値設定が量産機とは違ってるから、かなりの腕がないと乗れない機体になっている」


 整備担当者は、頬の横に人差し指を立てて、説明を続けた。 


「それに、この機体が出せる限界値を設定してあるから、敵の手に渡ると機体の性能情報がすぐに解明されるので、誰でもいいって訳じゃない」

「それで荒野の牙なんですね」

「そう! エースにしか与えられない機体。みんながこの機体を整備することになったら、部品の寿命が短くなるから、忙しくなるよ!」


 このときコウタは楽しんでいた。

 すでに出撃している機体があるのに、ここは安全で整備に集中すればいいと……。

 しかし、数分後には、それが間違いであることを、その身で知ることになった。


驚き! コード111が伏線になった。

武器を捨てて死んだふり→そのまま拘束できるから制圧が楽ってことで丁度いい。

自分で書いてる作品の番外編とか二次創作をしている感じで、ちょっと楽しい。

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