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狂人転成  作者: 美味しい仮面
魔法学園編
91/102

雨時々曇り所によって悪意

「さあ、隼人来てください」


今の状況を説明しよう。

部屋を紹介されて寝る前に風呂に入ってパジャマきて部屋に戻ったら撫子さんがベットに先に入ってこちらに手を広げていた!


「……えっと、ツッコミきれないんですが」


「大丈夫です。隼人に聞きたい事があるだけなので」


尚も手を広げてそうおっしゃる撫子さん。


「まあ、いいですけど」


仕方がないのでλる事になった。


ギリギリで撫子さんの手が届かない位置に入ると手が伸びてやっぱりホールドされた。

知ってた。


「痛いです」


「あなたなら大丈夫ですよ。聞きたい事というのは……」


「父さんは元気ですよ。母さんも元気です」


「そうですか、ありがとうございます。少し、我儘を聞いてくれますか?」


「現在進行形で聞いてるので我儘が一個や2個増えても変わりませんよ」


そう言うと、何故か撫子さんのホールドの強さが上がった。

死ぬんだが?


「その……ですね、私をお姉ちゃんとよんで……いいえ、私の事を姉だと思ってくれませんか?」


ああ、そう言うことか。


「……わかりましたよ。お姉ちゃん」


「ッー!?」


さらに腕に力が入りました。


「痛いんですけど?恐らくですが肋骨がやばいです」


「ご、ごめんなさい。気が動転してしまって」


「何かアレクさんに言われたんですか?」


「……何故、旦那様なのですか?」


「そうですね……恐らくですが、私は撫子……お姉ちゃんが何を言われたのか分かっています。わかります。だとしたらそれはアーシャさんでは言えないのです。あの人はちゃんと人が嫌がる境界線を見る事ができる。しかしアレクさん、あの人は違います。たまにとんでもない事を起こしてそうですね」


「……そうですね、わかりますか」


「はい。わかりますよ。だから言います。それは私にやるべきことではありません」


「そうです……ね」


「ですがまあ……予行練習くらいはしてもいいんじゃないでしょうか?」


「それは……」


「実は私って忘れっぽいんですよね。今日何食べたかすらも忘れてしまいましたし、もしかしたら夜の事も忘れてしまうかもしれませんね?」


「で……では、行きますね?」


「どうぞ」


「じ、神雷。ご、ごめんなさい。今まで貴方の事を避けていた。みんなで冒険者になった時も私は空回りをずっとしていた。貴方と同じ冒険者になろうと思った!父さんも母さんも死んじゃって、それしかなかったって事もあったけれど!それでも!私はたった一人になった家族を、せめて愛そうと、大切にしようと考えた。でも、出来なかった。貴方が怖かった。父さんも母さんも死んじゃっても普通に生きていられる貴方が怖かった!わたしには理解できなかった。わたしがいつも笑っていたのは貴方に呑まれないため、笑っていれば、人を救っていれば、私からじゃなくて貴方から来てくれると思っていた!でも、ダメだった。私はやっぱり本質は変わる事が出来なかった!一緒に旅をした6人の中でも神雷は特に強くて、わたしにはそれが恐ろしかった。私たちはみんな天才と呼ばれる存在だった。でも、貴方は違う。そんな天才なんて言葉で表せる事ができる次元をはるかに超えていた。私が、私が貴方が綺麗さんと結婚して速水領に行った時についていかなかったのは、貴方が怖かったから、ここに……アレクとアーシャといれば貴方の事を考えなくて済むと思ったから。ごめんなさい、ごめんなさい神雷。貴方はこんな事はどうでもいいと思っているのでしょうけど、これだけは言わせて。今は貴方を愛している」


彼女は涙を流している。

その涙の意味は神雷への懺悔なのかそれとも。


その日、撫子さんはずっと俺を父さんに見立てて謝罪したり、色々な思いを告げていた……






朝だ。眩しい。ああ、眩しいんだろう。本来なら。

恐らくだけど、今は確認できないけど、俺の骨……というか背骨、折れてない?きっと折れてると思うんだけど?

キットカットならぬキットブレイクだ。


「いや、痛いよ!ちょっと、ちょっと!撫子さん!死ぬ!流石に死ぬ!」


「ふぁぁあ〜」


その声でようやく目が覚めたらしく、撫子さんが猫みたいに起きる。


「あ、おはよう神雷」


「おはようございます、名前が違いますが……」


その言葉にハッとして一瞬で顔を真っ赤にして。


「ご!ごめんなさい隼人!メイドの仕事が御座いますので!」


「あ、はい」


ドタバタと外に出て行った。

……いやあの人パジャマのままなんだけど。

まあいいか!





「あ、隼人。さっき撫子が真っ赤な顔して走っていたのだけど、何か知ってる?」


「さあ?誰かの名前を間違えたとかじゃないですか?あ、あとアレクさんを少し尋問したら面白い事がわかるかもしれないですよ?」


「わかったわ」


さて、諸悪を懲らしめたからこれで俺の役割は終了。


「じゃあご飯食べましょうか」


「はーい」






〜〜ご飯終了後〜〜


「よし!じゃあちょっと街に出ますね!」


「隼人どこ行くの?」


「冒険者ギルドですね」


「あ、じゃあソフィも一緒に行かせていいかしら?」


「え?」


「え?まあ、いいですけど」


「お、お母様?冒険者ギルドですか?」


「ええ、私達もソフィくらいの年で冒険者になったし、なっておいて損はないわよ?」


「ええ……い、いいのかな?どうだろう、ま、まあ私の名前を言えば変な事にならないだr——」


「それじゃあつまらないわ!私達だってここにギルドが無い時に隣町まで行って試験をしたじゃ無い!」


「ああうん。私が授業終わりで帰ろうと思ってたら無理矢理アーシャ引っ張られて行かされたところね。知ってる知ってる」


「私はね、ソフィには力の有り様を学んで欲しいの。今のソフィが持っている力は力の無いものを直ぐにでも不幸にさせる、しかし幸福にもさせる力だって。そう気づいて欲しいの」


「?よくわかりませんが、わかりましたお母様が言うならば行ってきます!」


本当によくわかっていなさそうだが、やる気はあるっぽいソフィア、なんか企んでそうなアーシャさん、それに気づいて止めようとしているアレクさんの三竦み。ここで俺が爆弾を投下したいが……いやいや、流石にダメだろ——


「私今冒険者レベルが36ありますから、全然いいですよ?」


はーい!爆弾を投下!!!!待ちきれねーぜ!


「え、同年代の私達よりも高いんだけど」


「さっすが隼人!偉いわね〜」


「むぅ〜行きます!私も行きます!直ぐにレベル?を36にします!」


なんか拗ねられた。そんなにアーシャさんが俺を褒めるの嫌なの?それとも早くアーシャさんに秘められたいの?どっちでもいいけど、マザコンですか。









「じゃあ、行ってきます」


「行ってきます!」


ちょっと疲れてる俺と、元気いっぱいなソフィア、と言うか、今の俺背骨がすごい事になってるから。ずっと魔法で移動してたけど煩わしくなってきた……直すか。


わーい、こいつさらっと人外発言した。


ま、まあ、魔力の扱いに長けているのならば擬似的に骨組みを作れないわけじゃ無いけど。


あ、もしかしてアレをやるのかい?


アレ?


ああw君にはわからないよハハ!


コロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロ……


おむすびはほっといて。どうやって直すの?というか、治すじゃ無いの?


いやあ……今から俺がやることを考えると直すの方が適切なんだよね。


まあ、やる事は言葉にすれば簡単だ。体の背骨部分の『時間を止めて』折れた背骨を『魔力に還して』その魔力で同じ場所にちゃんとした背骨を『新しく作り出す』だけ。簡単でしょう?ほい、終わり。


(´・ω・`)


(´∀`*)


( ゜д゜)


とてもわかりやすい反応ありがとう。


いやー、そこまで人間やめてるとはねえ。


知ってた。


え、気持ち悪、え?気持ち悪っ!え!?


散々な言われようである。どうでもいいから切るね?


あ、ty——


うるさいやつだ。


「?隼人どうしたの?急に立ち止まって」


「いや、なんでも無いですよ。行ってきます」


さてと……誰だろうねえ。俺に悪意を向けているのは。

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