探検の時間
はーい。やあ、みんな。あれから2か月経ちました。もうほぼ色は見えるし、音も聞こえます。いや~五感がしっかりしているっていいね。
さてと。今日はなんと母と父がいないのです。社交かなんかかな?まあそれに伴い館の人も減るわけですね。
何が言いたいか・・・わかるかい?
探検の時間だ!
ステップ1~
このベッドから降りる。
・・・まず、鍵を開けます。と言っても柵に金具が掛けてあるだけだから、っしょっと。外すだけだよね。
うん。これはできるんだ。じゃあ何ができないんだって?このベッドね・・・高いんだよ・・・物理的に。
まあ、俺のサイズなら手で上掴んで、所々にある足場に足載せていけばどうにかなるかな?
さあ、やってみよう!
うんとこしょ、どっこいしょ。まだまだ足は着きません。うんとこしょ、どっこい・・・あ。
足が滑った!!!
ドン
痛!・・・くはない?なんで?今、俺くらいの高さから落ちた気がするんだけど・・・赤ん坊って強いの?
・・・まあいいか。 さてと・・・隼人、これより、スニーキングミッションを開始する。
了解!
流石貴族の家なだけあってでかいな~。あっここなに?鉄の扉?ふむ・・・
ペタ
冷たいね。・・・次行こ。
木の扉・・・開くかな?いっけー俺!体当たり!
トン
開かないね・・・ここなに?ま、いいや、次行こ。
あ!ここ開いてる。・・・おじゃましまーす。
おお!本がいっぱいある。書庫だ!
いやー助かった。理解できないかもしれないけど、動けない状態で、禄に見えず、声も聞こえない。こんな状態がこれ以降続くんなら、ノイローゼ一直進だよ。
・・・てかこれ、俺見れんのかな?言葉は同じだったけど・・・一番下にある本取ってみよ。
よっと。ぺラリっ、と?・・・ワオ!イッツ、ジャパニーズ。わーい。日本語だー・・・全部ひらがなだけどね・・・。
だってさ本のタイトル『まほうにゅうがくきそちしき』だよ?なんかさ・・・漢文より平仮名だけの文見る方が疲れるのって俺だけ?
ま、いいや。魔法が分かるんだったらそれに越したことはない。一度持って帰ってベッドの上で見よ。
・・・この本どうやって持って帰ろう。
どうにかこうにか服に擬態できないかな・・・。
「はあ・・・」
「そう落ち込まないで、明日になったら会えるからさ」
「けど・・・お母さん・・・」
と?二人組がこちらに来ましたね。・・・あれ?この館お手伝いさんが全員30過ぎてるはずなんだけど、この若い声は一体?
・・・好奇心に負けよう!
チラッ。
・・・ふむ・・・一人はいつもの黒髪黒目のおばさん。もう一人も黒髪黒目の20代くらいのお姉さん・・・ふむ・・・さっきの喋り方からするに親子かな?会話からも今日居ない人物をさしていることが分かるから、母か父、もしくは社交についていった人たちのことを言っているのかな?
おっとこちらに来そうですね。見つかるな、見つかるな、見つかるな・・・
「まあ、取りあえず今日はどこに何があるかを教えよう」
「うん、ありがとう。頑張って覚えるね」
「まずここ玄関入ってすぐの場所が書庫だね」
「うわ~、流石貴族様だね。こんなに本がいっぱいあるなんて・・・私じゃこんなに読む気になれないよ」
「ん?ああ、あんたは本を読むのが苦手だったね・・・気のせいかな・・・」
「どうしたのお母さん?」
「いや、良いんだ、次は台所に行くよ」
「はーい」
見つかるな、見つかるな、見つかる・・・あれ、ほんとに見つからなかった。まあいいや。早く帰らないとそろそろご飯の時間になっちゃうね。
見よ!我が高速はいはいを!
さて、重要なことが、わかりました。
僕ここ上れなーい。
どうすんねんこれ。
「そういえば、ここに赤ちゃんがいるって聞いたんだけど・・・」
「ああ、いるね。あの子は凄いよ。きっと大きくなったら女の子を泣かせまくるんだろうね・・・」
「え?酷い子なの?」
「ははは。あんたにこの表現は難しかったね」
「見たい!」
「まあ、大丈夫だろう」
あ、誰か・・・と言うかさっきの親子が入ってくる。 本を貸さなきゃ!見えるな、見えるな、み・・・え・・・
あ、なんか魔力が消える~。
「ここに・・・え?坊ちゃま!」
「お、お母さんどうしたの?」
「ああ、金具が外れている。そうかそれで落ちてしまったのね」
「えっと、坊ちゃまは大丈夫?」
「ええ、落ちて気絶してしまっただけみたい。ベッドの上に寝かせておけば、時機に良くなるでしょう」
ああ・・・なんか・・聞こえ・・・る