なぜ女性キャラが浮いてしまうのか
ラノベでは女の子キャラが不可欠だ、ということはこれまでのエッセイで述べてきました。
しかし、web小説では、女の子の描き方が下手だったり、わざと出さないことで硬派ぶる、という人がいます。
もっと女の子キャラを可愛くすればもっと人気が出るのに・・・そう思うこともあります。
そういうとき、作者の方は表現力不足とかではなく、恥ずかしかったり、軟派にみられるのが嫌で、そうなっているのだと思います。多分。きっと。
どうやったら、上手い女の子キャラを出せるのか。
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それは「女の子が必要な話を考える」ことが先決なのです。
たとえば、バトルものの場合、まず女性は不利です。
特に、世界の中でも上位を争うような場合、わざわざ女性を登場させるより、圧倒的に男の方が有利でしょう。
それだけで、女性が戦ってるシーンは「違和感」を感じさせます。いや、男なら勝てるだろ、と。つーか敵の男弱すぎんだろ、と。
そりゃ某レスリング金メダル(人類最強)の方とかならわかりますが、出てくるのはどう見ても華奢な女の子です。
「じゃあ、女の子は王宮とかにいるだけでいいや」
これでは話に深みが出ません。もうなんかただの接待要員にしかなってません。どうせ「俺くん! 今回も敵をやっつけるなんてすごいわ!」「いやあなにそれほどでも」これは典型的なダメハーレムです。
どうすればいいか。
それには必然性が必要です。
もう分かったと思いますが、魔法の力ですね。なんか強い魔法を女性に付与する。これは筋肉では解決できない力だ、それを女の子は持ってるから、プロレスラーのようなおっさんじゃなくてもいいんだ、ということです。
こう考えれば、「無理に女の子入れたな」感は減ります。
まあ最近ではレベルとかスキルとか言ってますが、もう少し深みのある理由付けがされてると話も広がっていいと思います。
ほかには「女性しか使えない」です。ストライクウィッチーズとかですね。
これに「主人公だけは使える」とかいう設定がつくときついです。私は。ISとかがあります。主人公が使える「理由」づけがよっぽど強固でないと、きつい。これでいいという人は突っ切ってほしいですが、あまり同様の作品は見ないところを見ると難しいのかなと。
少人数(化物語のように、なんか偶然みたいな)だと意外にごまかせますが、さすがに人類設定でこれだと難しいかと。
ほかには「人類少なすぎでやむを得ず」があります。進撃の巨人ですね。まあその元のマブラヴオルタでもいいです。
あとは使役型。ポケモンとかペルソナとかFateとか。自分は強くなくていいわけです。戦う奴はモンスターとか精神体(ジョジョ)とか神的な何かとかですね。
ロボも似たようなもんです。
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何?
そんなテンプレみたいなのは嫌だ?
ならば、女の子を無力な存在として放り込んでみてください。
そして、なぜその無力な存在を組み込まなければいけないのかを考えてみてください。
そうすると物語に深みが要請されると思います。
それもまた一興です。
ただ、エンタメとは「ギャップ」です。
テンプレあっての非テンプレですので、テンプレを一概に否定してしまえば、「ギャップ」を生み出すことは困難になるので、「両方」考えてみてください。
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女の子が苦手だ、という方は、逆に、人気作の女の子「だけ」に集中して見てみて下さい。
案外、自分の中だけでレッテルづけしてるものとは違うことが分かると思います。
「どうせハーレム的な(どんな?)キャラなんだろ?」と思ってても、意外と創意工夫があるものです。
まずは、「自分は女の子が苦手だ」ということを認めて、「じゃあどうすれば克服できるか」ということを考え、実行することが必要でしょう。