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ドライブ
「夜間走行モード・オン!」
「あ、うん、ライトが点いたね。」
「アイハブコントロール。」
「いや、助手席って、名ばかりだから。」
「これより、サイレントモードに移行する。」
「えっ、なにそれ?」
「黙ってろ、舌を噛むぞ!」
「きゃぁぁぁぁ!」
−第七十話−
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「確か、免許を持ってたよね?」
「ずっとペーパーだから、運転なんてできないよ。」
「教習所で、練習してきたら?」
「そんなことして、免許を取り上げられたりしない?」
「ハハ、断言はしかねる。」
「運転とか無理、私には、絶対に向いてないから。」
「君なら、大丈夫だよ。」
「ほんと?」
「君、上手に生きるのだって向いてないけど、立派に生きてるでしょ?」
息をするように毒を吐く。
連載中の『月の音色』と『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』も、よろしくお願いします。