三月
『女の子のお祭り』
「ねえ、お父さん、女の子のお祭りなのに、なんでお母さんが嬉しそうなの?」
「シー、真っ赤に染めた敷物の飾りになりたくなければ黙って・・・ちょっお母さん、待っ、きゃー」
「お、おとーさーん!」
「ところで、お母さん”が”っていったかしら?」
「た、たすけ・・・いやー!」
-四十五話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「今日は、桃の節句、お雛様だね。」
「そういえば、桃の花の花言葉って、知ってる?」
「さあ。」
「お雛様にふさわしすぎて、すごいよ。」
「へえ、なんていうの?」
「天下無敵。」
「うわあ、ある意味、女の子のお祭りにぴったりかも。」
息をするように毒を吐く。
-四十六話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「まあ、やがては帝位に就いた訳だけど、若いころは母親の薬代のために、わらじを売ったりしたこともあるらしいよ。」
「本当?」
「その時に知り合った二人の豪傑と、桃の花の下で酒宴を開いたのが始まりと言われてる。」
「ちょっそれ。」
「一人は、立派なひげを蓄えた、赤ら顔の武人。」
「奇跡のマッチング!」
「もう一人は、張飛、字を益徳。」
「ついに言っちゃった。」
「我ら三人、同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を願わん。」
「ひな祭りは、いつからそんな、むくつけきイベントになったの・・・」
息をするように毒を吐く。
十二ヵ月をついにコンプリート!やり遂げました。
でも、次からどうしましょう・・・・