一月
「手合わせ願おう。」
「もう既に私の三連勝だよ。」
「そう言わず、もうひと勝負おねがい。」
「またご縁があったらね。」
-三十八話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「オリジナルのカルタを作ってみた。」
「どれ見せて。」
「はい、これ。」
「なになに、”イ”ゼルローンはドイツの町の名前です。”ロ”ーゼンリ・・・って、これダメな奴だ!」
「えー、”ト”がすごいのに、2000隻が一瞬――」
「ダメ消される!」
「じゃあ、こっちの『狂う人生ゲーム』にする?」
息をするように毒を吐く。
-三十九話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「出目は・・・4マスか、1、2、3、4っと。」
「えーっと『宝くじに当たる、一億円もらう』だね。」
「普通のマスのような、階段を踏み外す序曲のような・・・。」
息をするように毒を吐く。
-四十話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「犯人は、君だ!」
「なんの!」
「鏡を見てごらん、大小つみ重ねてるから。」
「このミステリー、未完の予感がするよ。」
息をするように毒を吐く。
-四十一話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「今年の抱負は?」
「銀河を手に入――」
「やめて!」
息をするように毒を吐く。
前書きの解説です。
「手合わせ願おう。」(合掌してお願い)
「もう既に私の三連勝だよ。」(三敗 → 参拝)
「そう言わず、もうひと勝負おねがい。」(再戦 → 賽銭)
「またご縁があったらね。」(五円があったら)