お正月スペシャル
「お正月って、忙しいお蕎麦屋さんの出前みたいだよね。」
「お蕎麦屋さんが忙しいのは大みそかでしょ?」
「よく言うじゃない、もうでますからって。」
-三十話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「あのメリークリスマス♪ってメールはなに?」
「ああ、年明けは回線が混雑するから、メッセージが遅れたんだね。」
息をするように毒を吐く。
-三十一話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「ねぇ何を書いてるの、あっ、もしかして書初め?」
「んーん、年賀状。」
息をするように毒を吐く。
-三十二話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「君、破魔矢に触ったりして平気なの?」
「いやいや、私を何だと思ってるの。」
「無事か、演技でもないようだ。」
息をするように毒を吐く。
-三十三話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「やった、大吉。」
「よかったね、今年一番の幸運だ。」
息をするように毒を吐く。
-三十四話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「寒い思いを我慢して並んで買った福袋なんだけど・・・。」
「ああ、この季節にあったかいものじゃなかったんだ。」
息をするように毒を吐く。
-三十五話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「子供のころはお正月が嬉しかったんだけどね。」
「あー、いいお年――」
「だまってね。」
息をするように毒を吐く。
-三十六話-
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「ささっ、こちらの重箱は、山吹色の菓子にございます。」
「あ、うん、嬉しいけどね、栗きんとん。一生分くらいありそうだよね・・・。」
一度くらいは、あこがれるものだけれど。
「子供みたい。」
「なら、いただくものをいただこうかな。」
息をするように毒を吐く。
-三十七話-
「んーと、じゃあねえ、これで。」
「ん、乾杯。」
「今年もよろしく。」
新年、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いしますね。